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いよいよ
『たぶん、大丈夫です』
池田先生に声を掛けた私。
『はやっ』
『マジ?』
『蓮、一週間かかったぞ!!』
『ってか、聴いてみないと、なんとも言えないんじゃね?』
・・と、2年7組の先輩達の声が溢れた。
『まぁ、確かにお前らの言うこともわかるが、あまり失礼な事を言うなよ。 1年7組からの大切な人材を借りてきたんだからな』
池田先生が、クラスに語りかけた。
譜面めくりは、蓮先輩がしてくれる事になった。
一度、先輩方の方へ向けて、一礼して、周りを見渡して悠斗先輩と池田先生は
『うん』
って頷いてくれた。
ピアノの前に座り、深呼吸をして集中する。
鍵盤の上に指を乗せて、集中してから弾き始める。
いつも通り気持ちを込めて、一音一音大切に奏でる。
音楽室が私の奏でたメロディが、響いて先輩達の心の扉を開いてゆく。
私の伴奏が受け入れてもらえるように・・・
一曲弾き終わって、隣の蓮先輩を見たら
『うん』
って頷いてくれた。 そして、先輩達から大きな拍手が音楽室に響いた。