捻挫
痛い足をかばいながら、何とか自分の席についた。
教科書を準備していると、隣の遥翔くんが
『45ページだよ』
と、教えてくれた。
『ありがとう』
お礼を伝えて教科書を開いた。
授業が終わり、涼くんが私の席まで来た
『美桜、足は大丈夫?』
心配して優しい言葉をくれた。
『うん。捻挫だって』
私が答えると、遥翔くんが
『美桜、それ大丈夫って言わなくね?』
と、話しかけてきてくれて心配してくれた。
『藤堂ーー 昼休みに湿布を貼り替えに来るように。って保健の先生からの伝言だ。』
担任の内藤先生が伝えてくれた。
『はい、わかりました』
返事をする私
『おぅ。忘れんなよ。歩けんかったら遠慮なく言えよ、おんぶくらいはしてやるよー!!』
と言って職員室へ戻っていった。
(先生ったら、おんぶって何度もうるさいよ・・)
恥ずかしさから先生に意地悪な事を思っている私
『あのっ、藤堂。足痛いよなぁ。ごめんな。俺さぁ、朝練終わって部室に荷物忘れてきて取りに行くところだったんだよ。だから、慌ててたんだ。マジでごめんな 本当にゴメン』
私にぶつかってきた今堀くんが謝りに来てくれた。
『俺、藤堂が倒れた時、こんな大怪我してると思わなくてさぁ、確認もしないでその場を離れてごめんな』
何度も謝ってくれるので
『もう、わかったから・・。大丈夫だよ、怒ってないし』
と、謝り続ける今堀くんに伝えた。
✼ 今堀くんが、私に怪我をさせたことを申し訳なく思っていた事から、放課後、凄いことに巻き込まれていく美桜。