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美桜の思い
『神矢先輩、手、大丈夫ですか? 痛そうです』
『悠斗には悠斗先輩なのに、俺は神矢先輩なの? 美桜ちゃん贔屓はダメだよ。良い子はそんな事しちゃ。はい 美桜ちゃん やり直し』
『・・・・蓮先輩』
『はい。美桜ちゃん、よくできました。 腕は部活でね。接触したら運悪く骨折。部活出来ないし、合唱コンクールの伴奏も申し訳ないことしたなぁ・・』
『えっ ごめんなさい』
謝る私に焦った蓮先輩が
『何で美桜ちゃんが謝るの? 美桜ちゃん悪くないのにどうしたの?』
合唱コンクール伴奏無しじゃ、蓮先輩辛いだろうなぁ・・私なにかしてあげられないかなぁ?
『悠斗先輩、ピアノ伴奏は?』
『うん、蓮以外ピアノ弾ける人いなくて。伴奏無しかCDみたい音楽の先生に頼もうと思ったんだけど贔屓になるからダメって』
悠斗先輩が教えてくれた話は、衝撃的だった。
『ねぇ、悠斗先輩。美桜は? 2年生のクラスお手伝いしたらダメかなぁ。お手伝いしてあげたい』
そう話す私に、先輩たちは