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悠斗先輩の優しさ
『うん。頑張るけど、手が震えちゃう』
震える手をギュッと握ると悠斗先輩が大きな手で私の震える手を包んで
『美桜ちゃん、今まで頑張ってきた事やクラスの期待なんかを裏切らないで・・明るくピアノに向かって欲しいなぁ。俺も、美桜ちゃんを支えていくから』
悠斗先輩が声を掛けてくれる。
『ほんと?』
『うん。約束! ちゃんと支えるから、応援もしてる。好きなピアノでしょ。頑張ってみてごらん』
笑顔で私に語りかけてくれる悠斗先輩
教室まで送ってくれた悠斗先輩
『美桜ちゃん、ここまで来るまでに緊張したでしょ?少し顔色が悪くなってる。あまり無理しないで早退してもいいんだよ』
どこまでも優しい悠斗先輩。
『はい。やっぱり廊下に出るの少し怖かった。悠斗先輩、ありがとうございました。それから、コレごちそうさまです』
お礼を伝えた私
『ううん。大丈夫。またね、美桜ちゃん』
悠斗先輩は、2年生の教室のある階へ歩いて行った。