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先輩の正体
『あの・・違ってたらごめんなさい。 悠斗先輩ですか?』
恐る恐る聞いてみる私。
『うん! そうだよ。山下悠斗。そんなに俺 有名だった?』
笑顔で答えてくれた悠斗先輩。
『いえ、以前 駅で人の流れに逆らえず、反対の改札口に進んでいた私を助けてくれました。 その時に近くに居た方が、悠斗って呼んでいたので・・・。』
『あ・・うん。 えっ? あの時の1年生が君なの?じゃあ俺、2回も助けてあげられたんだね』
笑いかけてくれる悠斗先輩。
『名前、聞いても良い?』
悠斗先輩が私に問いかける。
『1年7組 藤堂美桜です』
『美桜ちゃんっていうんだね。可愛い名前だね。俺も2年だけど7組だよ。よろしくね』
優しく話しかけてくれた悠斗先輩。