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過呼吸
遥翔くんの声もだんだん耳に届かなくなってきた。
だんだん呼吸が普通にできなくなってきた。
息を吸う事ばかりでうまく吐き出せず焦ってますます息を吸うことしか出来ない私。
私の様子がおかしいことに気付く遥翔くん
『美桜!! 落ち着け!! 大丈夫俺がついてる。だから落ち着け』
声をかけ続けてくれるけど、パニック状態になっている私に声が届かなかった。
『なに? どうしたの?』
声を掛けてくれた先輩。
『急に苦しみだしちゃって・・』
遥翔くんが答える。
『ちょっと、ごめんね』
私に声を掛け、抱き上げて保健室へ急いでくれる。一緒に居た、遥翔くんに
『先に保健室に行って先生捕まえておいて。 ほら走って!!』
と、声をかける先輩。
『苦しいね。もう少し我慢してね。すぐだからね、急ぐから俺にしっかり抱きしめられていて』
恥ずかしくなるような声掛けも、今の美桜には届かなかった。
ネクタイの色から、2年の先輩ということだけは、ぼんやり見つめていた・・・。