クラスメイトの愛
『はよ・・・って何事?』
遥翔くんが教室に入ってきた。
『遥翔!! 美桜助けてやって』
叫ぶ彩花。
何が起きているのかクラスメイトが、遥翔くんに教えると彩花の言葉を理解し、直ぐに私の所に来てくれた。
『美桜、遅くなってゴメン 大丈夫? 俺が守るから心配すんな。大丈夫だから』
声をかけ続けてくれた。
遥翔くんの声は届いていたけど、涙が止まらなくて震えていた。
『美桜、あんなの気にするな。俺等のためにピアノ弾いてよ美桜の伴奏で歌うの、すっげー楽しいから』
クラスメイトが声を掛けてくれる。
『藤堂、大丈夫か? 保健室行くか?』
内藤先生が声を掛けてくれた。逃げたらいけないような気がして無理して
『大丈夫です』
と伝えた。でも、実は遥翔くんに支えてもらわないと立っていられないほどショック受けていた。
『美桜 無理すんな』
心配してくれる遥翔くん。
涼くんが遥翔くんに小声で何か知らせた瞬間
『美桜、もう見るな、辛くなるだろ』
私を自分の方へ向けて、優しく胸の中に収めた遥翔くん
『ごめん。美桜 泣いていいから・・』
背中をポンポンして落ち着かせようとしてくれていた。
私が遥翔くんに抱きしめられて泣いている状態を茶化したりしてくるクラスメイトは、誰一人居なかった。
『気がついていないのは美桜くらいでしょ。この天然無自覚の7組のアイドルは・・・』
彩花に言われて、クラスメイトは笑っていた。少しでも私が元気になれるように気遣ってくれていた。