二度目の舞台
『高瀬、美桜ちゃんと表彰受けてこい』
池田先生が言う。
『はい』と言って幸也先輩は、1年7組にいた私を迎えに来てくれました。
『美桜 ありがとう ほら おいで』
と、手を差し出してくれた。
『えっ?』
泣きながら先輩を見つめる私。
『池田先生が、美桜ともらって来いってさ』
幸也先輩が言う。 2年7年を見ると先輩方が
うん。って頷いてくれている。 池田先生は、早く行け
とばかりに、シッ シッと手を振っていた。
幸也先輩はエスコートしながら舞台へと連れて行ってくれて舞台に上る前に、涙を拭いてくれた。
『後から、俺の胸で、思いっきり泣いてもいいよ』
と、言う幸也先輩。
『もう、後になったら涙でません』
という私に、幸也先輩は
『いやぁ~、美桜だからなぁ・・・』
と、笑って舞台へ上がった。
金賞受賞の時、私がもらって良いのか躊躇っていたら客席から2年7組の先輩達が
『美桜 クラスの一員なんだから代表してもらってきて』
と、声がかかった。
校長先生も
『ご苦労様だったね。君の伴奏は素晴らしかったよ。来年も期待しているよ』
と、言ってくださった。 本来なら蓮先輩が受け取っていたであろうトロフィーなので席に戻ったら、真っ先に蓮先輩に渡そうと思っている。
幸也先輩が『美桜 ご苦労様』と、言ってくれた。
嬉しくてまた涙が溢れてきた。