やわらかいクラスの雰囲気
その途端、会場が割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
それを聞いて、自分ではあまり感じていなかったのか先輩達のクラスの伴奏は、自分のクラス以上に責任を感じていたんだろう。 拍手の嵐に涙が溢れて止まらなかった。舞台袖で幸也先輩が、
『美桜 良かったよ。ありがとう 今までで一番良い合唱ができたのも美桜の伴奏がそうさせたんだよ。感謝してる 本当にありがとう』
なんて言葉をくれるのでますます泣けてきた。
美桜・・・抱きしめてあげたいけど、全校生徒いるから
少し我慢。後から、いっぱい褒めてやろう。
甘やかせてやろう。 心のなかでつぶやく俺。
『美桜ちゃん 泣いてるの? もう 可愛い』
と、クラスの中で頼りになる楓先輩が抱きしめてくれた。
『楓 なに独り占めしているの。私達にも美桜ちゃん ちょうだい』
と言ってくださる先輩達。クラスの控え席に戻ると、池田先生は
『美桜ちゃん、最高の伴奏だったよ ご苦労様』
と、褒めてくれた。せっかく止まっていた涙が
溢れだした。
『も~~ せっかく泣き止んだのに 池田先生泣かさないでくださいよぉ』
と、楓先輩が言う。
『仕方ない、責任取るぞ』
と、笑う池田先生。