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病院 2
『どうせ美桜ん家、誰も居ないでしょ。今堀のお父さんが、迎えに来るって言ってくれてるなら素直に診察してもらいなよ』
いつになく真剣な彩花。
『でも・・申し訳ないもん』
躊躇う私
そんな話をしていると校門付近から1人の男性が、こちらに向かって歩いてくる。
『あっ、親父きた』
今堀くんが、教えてくれた。
『藤堂美桜さんは、どのお嬢さんかな?』
微笑みながら優しい声で、私を探している。
『はい。私です』
返事をすると
『この度は、息子が悪いことをしたね。怪我をされたんだね。申し訳なかったね。診察させてもらえないかな?完治するまで、私に任せてもらえないかな?』
と言ってくださった。