ちょっと苦い一石二鳥
「文句あるか。お前みたいに女子に頼んだりしないだけ、ましだと思うがな。」
負けじと祐樹が言い返す。
まぁ、そう来るから、わたしはこんなに苦労しているのだが。
「さて。教科書つめ終った、と。」
「それは、女の子が進んでやってくれるんだよ~。きみと違って、モテるからさ。」
世の男子諸君がきいたら、光也は確実に絞殺されるな。
「明日提出のものは…入っているね。」
「女にモテる?そんなことにかまけているから、簡単な試験も赤点なんだろ。」
「残念ながら、赤点はとったことないな~。その女友達のおかげで。」
光也…いつか刺されるよ。祐樹もそんなことなんて言わないの。
「机の中に忘れ物は~、ない。よし、帰るか。」
「試験なんて、通ればいいんだよ~。
そんな完璧主義だから、ストレス抱えるんじゃない?将来ハゲるよ。」
「は?それならお前は」
カメラのシャッター音がして、2人の口論が止まる。
音のしたほうを見ると
「胡桃。」
「何してんのかな~?」
はい、撮ったのはわたしですね。
「ん?久しぶりに龍と虎を撮りたくなって。」
本当は、シャッター音を出して口論を止めるためだ。
聞いているこっちがやるせない気分になりそうだったから、
わたしの精神状態を維持するために止めさせてもらった。
ついでに言っておくなら。久しぶりでは、ない。
シャッター音を消して2人を隠し撮りしていたのがある。
枚数にして、100こえるくらい。
わたしがコレクターの趣味を持ち合わせているのではなく、
それをまとめて、こっそり2人のファンに売るのだ。
こんな馬と鹿の争いでも飛ぶように売れるのだから、
世の中の不思議を考えずにはいられない。
2人がイケメンと言うのもあるのだろうが。
とりあえずわたしが
『嬉しいよ、美しく成長してくれて』
と、むせび泣きそうなくらい感謝していることは強調しておくべきか。
まさに、売れに売れているアイドルの親気分。
写真をきっかけにして、コイツらのせいでずっとできなかった友達ができたし。
わずかばかりのおこづかいにもなるし、一石二鳥というやつだ。
犯罪のにおいがする上に、友だちは腐女子多いけど。




