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あなたに読まれたい  作者: 三軒長屋 与太郎


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26/38

~繋~


きみは不完全だ。

それは、きみ〝が〟ではなく、

この世界を完全と想定した場合に、

不完全だ。


ぼくは完全だ。

それは、ぼく〝が〟ではなく、

この世界を不完全と想定した場合に、

完全だ。


このふたつの隔たりとはなにか?

簡単だ。

きみは、世界を愛し、

ぼくは、自身を愛している。


きみには、世界を想う理由がある。

世界を悲しむ権利がある。

怒りの油田も、慈しみの源泉も、持ち合わせている。

残念ながら、ぼくにはそれが無い。

ぼくは、ぼくで在れば良い。

最たる思想も、革命の息吹も、持ち合わせていない。

どんなに需要がなくたって、ぼくで在り続けられればそれで良い――


きみが、どんなにぼくを望んだって、

それは叶わない。

世界の不完全を憂うきみと、

完全を良しとしない、ぼくなのだから。

きみは、世界のためのきみであれ。

ぼくは、きみのためのぼくであれ――


支えるよ! まっすぐに! なんて、言えれば良いさ。

でも、ぼくは卑怯だから、

世界に嫌われたくはないんだ。

例え、きみに嫌われたとしても。


 ――きみは、遠いの地の命を想う。


 ぼくは、自分の人生を惜しむ――


絡み合うわけがない。

きみは世界を抱きしめようとしている。

ぼくは、ぼくは……


ぼくは、決して届かないと知りながら、

自分自身を強く抱きしめようと、

背中の後ろに回した右手と左手を、

一生懸命に、繋ごうとしているだけだ――



お読みいただき、ありがとうございました。

誤字・脱字に関すること、細やかな評価や感想をいただけますと、励みになります。


【※この先は、作者による作品解説です。

自己解析・自己考察を含みます。

読後の余韻を大切にされたい方は、ここで読むのをお止めください】











——————————


今日も世界のどこかで戦争が続き、よからぬ組織が暗躍している。

人類に平等などと言う言葉は存在せず、産まれた場所によってそのほとんどが決まる。

朝からこんな作品を書き上げる私みたいな暇人もいれば、直接的な行動を起こしている人もいらっしゃるだろう。

しかし、世界の大半は無関心だ。

無関心こそが、日本の民主主義における絶対的多数なのだ。

それでは、抗いようもない。


結局、私だってそうだ。

ニュースを見て情報を得るだけ。

画面越しに悲しむだけ。

届かぬ想いを馳せるだけ。

不条理に見て見ぬふりを決め込むだけ。

だって、仕方ないじゃないか。

学校に行かなければならない。

仕事に行かなければならない。

家事・育児・就活・終活・介護・納税……

私たちは忙しいんだ。

せめて、自分自身を愛そうと、

独りよがりに抱きしめるだけ。


そんな、作品です。


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