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我らは生徒会!  作者: イチバ
第1年前編 全員停学
9/9

第1年前編 最終話 我らは生徒会!

抜刀高校の件で職員間でも軍拡の声が広がった。ついに抜刀高校も本格的な兵器所有が決まったのである。

M1軽戦車、サン・シャモン突撃戦車の他、生徒会にあったパントガン、旧型の大砲など、既に実用的ではない兵器を売却。その資金で様々な兵器購入が行われた。

一番の買い物は戦車だった。

M3リー、M4シャーマン、M3スチュアートを大量購入。戦車訓練も必須課程となり、より実戦を意識したものになった。

さらに軍用車も大量に購入。一気にパトリオットは軍事の世界へ突入した。

だが、生徒会は恐れていた。

ここまで資金を使うとなると、パトリオット・シンジケートがさらに有利になる。資金はほとんど彼らの管轄、もし経済的なストップがかかれば、パトリオット存続自体が危うくなる。


「奴らが次動くのはきっと文化祭…」

「それまでに決着つけなきゃ戦闘すらできなくなるぞ」


今日は1年生しかいないが、今俺達が動き始めなきゃ、来期も危険だ。


「…いっそのことエトナに行ってみる?」


愛媛がそう提案したが、皆がダメ出しをする。


「エトナは抜刀とゼーレヴェ寄りだ。パトリオットと貿易関係にあるとはいえ、この時期はダメだ」

「仕方ないけど…各部活に拠点聞いてみる?危ないけど一番手取り早い」

「その必要はない」


扉を開けてやってきたのは会計の古賀先輩。最近生徒会に顔を出してはいなかった。何か様子がおかしい…。


「古賀先輩…?」

「動くな」


ハンドガンを構えた古賀先輩の目つきは変わっていた。そして古賀先輩の後ろにいたのは謎の生徒達。トンプソンを構えていた。


「お前らを連行する」


今抵抗すれば騒ぎになる。俺らは大人しく従った。

体育館裏に連れて行かれると、砂利を退かし現れたハッチを開けた。そのハッチ先には階段があり、地下に向かう。


「よくぞ来たパトリオット生徒会」


この生徒こそが…パトリオット・シンジケートのボスってところか。


「パトリオット・シンジケートの事を君らは知りすぎた。だが、まだ君らは1年生だ。今回はパトリオット・シンジケートのことをこれからも見逃すと誓ってくれれば解放しよう。私も鬼ではないからな」


だが、1年生の考えていることは同じだった。誤ち1つなく正確に、同じ気持ちだったのだ。ボスはそれを踏まえておらず、弱者だと見ていた。

高峰が口を開く。


「…お前らパトリオット・シンジケートは、パトリオット(愛高心)なんて欠片もないクズ野朗共だ…!これからの生徒会のためにも、今の生徒会のためにもお前らを今ここで片付けてやる!」


朝山が隣のシンジケート生徒を殴りナイフを口で奪う。ナイフを俺に渡し縛られていたロープを切る。


「こいつ!」

「待て撃つな」


ボスが発砲しそうになるシンジケート生徒を止める。

次々ロープを切って解放した。


「愛媛、加藤。先輩に現状を知らせろ。ここは俺と高峰が相手する」

「…いいの?」

「心配するならさっさと呼んでこい」

「…わかった」


俺はナイフを捨てた。


「拳で勝負だ。パトリオット・シンジケート」

「ボス、どうします?」

「相手はマジだ。漢の勝負だというのならトミーガン(こいつ)は要らねぇ。俺も拳で勝負するぞ」


しばらく静寂が流れた後、蛇口から水滴が垂れた。

水滴が落ちた時、両方、一斉に殴りかかる。俺は机の上に乗りダイブしてボスを襲った。机に置かれていたラジオからレッド・ホット・ペッパーズの『Black Bottom Stomp』が流れ、物騒な事をしている最中、ジャズが聞こえていた。

朝山がシンジケート生徒の手を肩で固定し捻る。そのまま腰を落とすとシンジケート生徒が悶絶しそのまま倒れた。


「こ、こいつ…!」

「俺は合気道経験者だぞ!なめるんじゃねぇ!次は誰が相手だ!」


俺はシンジケート生徒をアッパーし倒す。そのままボスに向かってタックルをするが倒れない。


「1年ごときが!」


やはりボス…一筋縄では行かないか!

突然と背後にシンジケート生徒が現れ拳を出してきていた。

しまった…やられる!


「「おらぁぁぁぁぉっ!」」


入り口から村瀬先輩と川門先輩が現れ俺の背後にいたシンジケート生徒を押し倒しぶん殴った。


「大丈夫か1年!」

「川門先輩!村瀬先輩!」

「来やがれパトリオット・シンジケート!俺らが相手じゃーッ!」


そのまま朝山を囲んでいたパトリオット・シンジケートを相手にし次々殴り倒していく。

そんな中、安芸先輩も登場。蹴りでシンジケート生徒をノックダウンした。


「庶務なめんな!」

「高峰君!朝山君!大丈夫!?」

「会長!」


シンジケート生徒が一掃されていく中、ボスだけが孤立していく。ついには禁断のトンプソンを手に取り発砲しようとした。

咄嗟に俺の手が出た。その一撃は強くヒット。ボスは気を失った。


地下室は静かになった。シンジケート生徒が倒れている中、唯一立っていたのは古賀先輩。


「古賀。なんでこんなことを…」

「…パトリオットのためだ。理不尽ないじめに、先生による隠蔽工作。気に入らない奴は成績を下げるだのうんざりだった。でも、生徒会だけが僕の居場所だったし…この高校も大好き。でも、そんな裏の事で苦しんでる生徒を見逃せなかった。いろんな人と相談したのに、解決することはできない。苦しみながら不登校になった友達もいたし、自主退学した子もいた。そこで、エトナから追放されたエトナ・オメルタを入れて、学校に権力という恐怖を教えさせた。計画通りだった。でも、1年生が入ってきて、改めて考えた。パトリオット・シンジケートは存在しちゃいけない組織で、やってることはかつてのいじめっ子や教師陣と同じ…。だから、どうにかしようと説得してた…」

「…もしかして、塾も嘘…?最近いなかったのもずっと…」

「うん。ボスと話して、結果的に1年を連れてパトリオット・シンジケートの存続を認めてくれたら、出て行くって形で決定してた…」


桜が咲き、輝く1年生は学校の歴史を知らない。これは生徒会に所属していない人も多い。

生徒会は嫌というほど過去の資料を見る。同時に、学校の歴史を知る。それは光もあるが闇もあり、不審者が入ったり、火災になりそうだったり、いじめが問題になっていた時期もあるだろう。それを知った人は理解してしまう。この学校の黒い部分を。この黒い歴史が生徒会も先生もおかしくさせてしまうほど恐ろしいものなのだ。気をつけなくてはいけないのは、過去に囚われすぎないこと。過去から反省するのはいいが、囚われすぎると躓くことになる。何かしら新しくしなければ、始めなくてはならないのだ。


「…古賀。そんなに1人で抱え込んでたらさ、これから先大変だよ?」


会長が優しく語りかけた。


「1人で抱え込んでたら絶対どこかで転ぶし、それに耐えられない。それに、1年生も入ってきて8人もいるのにさ、いつだって助けを呼んでいいんだよ。その時は私達も手伝うもん」

「…なんで?なんでそんなに優しく…」

「だって、我らは生徒会なんだから」


最後に放った会長の笑顔は優しさだけでなく、希望の光も溢れていた。


「会長かっこい〜」

「や、やめてよ〜…恥ずかしい…」


会長は恥ずかしがって、顔を赤らめた。

古賀先輩もそれに合わせて笑い、泣いた。

突然ですが、ここで急遽切らせていただきます。9月上旬には第1学年後半編を書いていく所存ですので、しばらくお待ちください…。

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