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我らは生徒会!  作者: イチバ
第1年 全員停学
7/9

第Ⅶ話 高校交流

生徒会は学校にもよるが、他校の生徒会との交流を交わすことがある。会談内容は様々だが、今回は戦闘にも関わる重要な話だった。

今回訪問しにいくメンバーは会長、村瀬先輩、俺、加藤だった。


「今日は抜刀高校に訪問しにいく」

「武道が強いところですよね。よく大会でも耳にします」


抜刀高校。パトリオット設立から交流関係にある高校だ。剣道部や柔道部などに強く、最近は軍拡が進んでいる。

M3に乗り抜刀高校に向かった。


抜刀高校…


到着後、明治時代の日本のような校舎に入った。出会う抜刀の生徒達は挨拶がよかった。

生徒会室がある2階に上り、窓を見ると訓練場が見えた。

訓練場では歩兵が市街地戦の訓練をしているのが見える。路中にはルノー乙型戦車が構えていた。


「会長…抜刀高校って初めて来ましたケド…こんな軍事力高いんですね」

「舐めちゃいけない。彼らはあのバグラチオンの前身であるドゥーマ大学附属中高一貫校を壊滅にまで追い込んでいる」


因むが、バグラチオンと呼ばれる高校は中高一貫のマンモス校で、軍事力、経済力も高い強力な高校だ。なお、今パトリオットとバグラチオンは競争状態にある。


「生徒会室はここか」


ノックをして入ると、そこには1人だけで、黒板を消している。


「失礼します。伊藤会長はいらっしゃいますか?」


その子は小柄な子だ。


「パトリオット高校の方?一応、私は副会長の千歳(ちとせ) 門院(もんいん)だが…」

「はい。会長さんにご用件があるんですけど…何時頃帰ってきますかね?」

「10分もせずに帰って来るはずです。職員室に行っただけだし、中で待っててください」

「すみません。お邪魔します」


会長に続き俺らも入ると、副会長はおしぼりと緑茶を出してくれた。


「まだまだ暑くなりそうですね」

「そうですねぇ…まさに真夏って感じで…」


会長が話している間、辺りを見ると、ガラス張りの箱には三八式歩兵銃や十一年式軽機関銃、軍刀が置かれていた。校章が描かれた旗には風林火山と書かれている。時計は旧漢字数字式で、部屋には畳と襖があり、今までにはない部屋だった。パソコンはなく、どうやらメモは鉛筆で書いてある…字が綺麗。

和式の生徒会室…めっさおされ…。


「洒落てるだろ。私達の生徒会室は」

「ふぇっ!そ、そうですね!」

「まだ1年生だな?和式の生徒会室は初めてだろ。私もここに来た時は感動した。今や正座をするのが普通になってしまった。洋式や他校の連中にはなかなか理解されないと思っていたが…私は君を気に入ったよ」

「あ、ありがとうございます」

「おや、お客さん?」


丁度そこに抜刀高校生徒会長の伊藤(いとう) (つぼね)会長が現れた。


「会長。パトリオット生徒会からのお客様だ」

「これはこれは…。申し訳ない。時間を忘れていた。千歳。すまないが少し席を外してくれ」

「承知」


千歳副会長が出ると、遂に本題に入った。


「ゼーレヴェ再軍備化の話を聞いたことはあるでしょうか?」

「ええ。Ⅱ号戦車の購入が目立った話ですね」

「バグラチオンと秋の歌女子にも敵対し、あなた方も最近軍事力を上げてきている。領土が欲しいのは私達パトリオットも同じです。あなた方が勝利するために、ゼーレヴェに協力するのではないかと思いまして」

「確かにゼーレヴェの兵器は優秀なものばかりです。参考にもさせてもらいました。しかし、自らの学校は自らの手で守らなければなりません。協力する噂はありますが、あくまで噂なのですよ」

「そうですか。それともう1つ。旗袍高校と既にあなた方は戦闘状態ですが…流れで他校に宣戦布告をいたしますか?」


その言葉に生徒会室は静寂が走った。

一番高校が恐れているのは負の連鎖。1つの火種が他に移り"戦闘"という空気を作ることで他校も戦闘を行うことなのだ。


「…我々から宣戦布告は行いませんが、他校が攻めてきたというのなら我々は断固戦います。それはパトリオットだって同じなはずです。あなた方はバグラチオンと技術競争中とはいえ、秋の歌女子や(セント)ジェームズ学園とはあまり関わりたくないはずですが、もし戦闘が始まったら戦うでしょう?」

「…そうですね。今日は以上です。わざわざお時間をいただきありがとうございました」


張り詰めた空気が少し溶けたような気がした。会談って…こんなに緊張するもんなのか…。


「せっかくの機会です。よければ、抜刀の中を見ていきますか?私がご案内いたしますよ」

「い、いいんですか!?」


会長の目が輝く。会長…凄いワクワクしてる。あんな姿見たことない。


「もちろん。それに、こんな空気は1年生にとって地獄でしょう。高校の交流に興味も持ってもらいたいのでね」

「1年生は大丈夫…?予定とかある?」

「私は大丈夫ですよ会長」

「俺も大丈夫です!」

「村瀬は?」

「大丈夫」

「…では、お願いしますっ…!」


俺らは抜刀高校のキャンパスツアーを受けることになった。きっと、これも会談ならではの貴重な体験だ…。こんなの逃すわけにはいかない!

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