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我らは生徒会!  作者: イチバ
第1年 全員停学
5/7

第Ⅴ話 戦いへ

中間テストが終わると何があるか。学校説明会、略して学説があるのだ。

学校説明会とは、学科(コース)の説明、入学に必要なステータス、本校の進路はどんな大学に行けるのかなど。対象は中学生と保護者で、分かりやすく、そして興味を持ってもらうようにしなくてはならない。

では、どのように興味を持ってもらえるのか。

一番のポイントは笑顔と挨拶である。これは(イチバ)の母校にて保護者から聞いた言葉だが、「みんな楽しそう」や「みんな挨拶して礼儀正しい」と言っていた。この2つだけで印象は昇竜拳のように跳ね上がるのだ。だが、1年生にとって、これは難しい。


「おはようございます♪」

「こんにちはー!」

「ありがとうございましたーっ」

「お出口はあちらでーす」


先輩が明るくやってるのに対し、


「おはようございます」

「こんにちは」

「ありがとうございました」

「ご来校ありがとうございました」


皆、堅い表情をしていた。

そう。実は笑顔をキープしながら元気よく挨拶することは慣れていないとかなり難しい。常に意識しなくては不可能。ホントに?と思うかもしれないが、1年生は実質これが初陣。緊張もしている。

こういう時はどうすればいいか。


「みんな。表情堅いからもっと笑顔ではっきり言ってごらん」


先輩のアドバイスである。

生徒会にとって先輩は非常に重要な存在である。1年以上早く生徒会に参加しているため既に学んでおり、この学びを後輩に教えなくてはならない。そうすることで、1〜3年の全員の印象がアップし、学校にも貢献。中学生がこの学校に来たいと思ってくれるのだ。



「ふぅ…みんなお疲れ様〜」


正直、学校説明会では生徒会の役割は少ない。しかし、稀にやる事が増えたり、パンフレットが足りないなどの緊急事態に臨機応変に対応しなくてはならない。役割が少ないからといって油断してはいけないのである。



ある日、生徒会で再びアニメの話で盛り上がっていた時だ。何発もの銃声が響いた。


「久しぶりに来やがったか!」


この日は生徒会メンバーが全員揃っていた時だった。



銃声が聞こえた方に到着。体育館をヤンキーが占拠していた。皆、トンプソンを構えている。数は多く、中にはM1917軽戦車までいた。強力な防衛線までも作られている。

しかし、今回の生徒会は一味違う。

キュルキュルキュルと1機の戦車が進む。


「会長何ですかあれ!」


俺は思わず聞いてしまった。


「M1戦闘車!パトリオットが軍事力向上のために購入したの!」


現在、他校の軍拡にある。特にゼーレヴェ高校と呼ばれる高校は全体的に軍拡を行い、他校の中でもトップに君臨していた。いつ戦闘になっても対応できるよう、パトリオットも軍拡に手を出したのだ。

M2ブローニングがM1917に向かって連射されていく。M1戦闘車とM2ブローニングはどちらも最新鋭だ。


「反撃しろ!」


トンプソンで反撃するが全く歯が立たない。M1戦闘車の装甲は薄いが、このくらいどうってことない。

今回の戦闘は生徒会の大勝利だった。


一方、"彼ら"にとって、これは衝撃だった。


「ボス。奴ら、新型兵器を使用しました。M1戦闘車…現在、パトリオットが軍拡のために購入したものです」

「…派手に動きすぎたか。だがまだ終わらないぞ。学校より我々の方が上だとわからせてやる」



学校説明会が終わればすぎに期末テストである。だが、今年の期末テストは変わっていた。


「どうした?」

「こんな科目なかった…よね?」

「俺のテスト項目表にはないぞ?」


科目の中にあるのは戦車戦模擬訓練。10vs10の戦車線を行うというのだ。しかも勝手に選抜。

こうして、俺は戦車戦を受けることになった。搭乗する車両は訓練用に購入されたクリスティーM1928だ。相手はサン・シャモン突撃戦車。


<戦闘開始!>


監督官の声が鳴り響いた。俺は砲手だ。


「前進!」


戦車戦がついに幕を開けた…。ド素人で授業も受けていない戦車戦…こんなの、あまりにも無茶苦茶だ…!


戦車戦を開始したとはいえ、非常にこれは難題だった。

戦車をまともに保有していなかったパトリオットは急遽戦車を購入したはいいものの、その資金はパトリオット・シンジケートの金である。生徒会による鎮圧にて資金が減らされ、購入できたのは安い訓練用機数機だったのだ。サン・シャモン突撃戦車は過去に秋の歌女学園という高校から中古で購入したもので、銃以外は未改修。ここまで来ると、もはや貧乏としか言いようがない。

パトリオットは、闇が深いのだった。

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