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我らは生徒会!  作者: イチバ
第1年後編 嘆きの生徒
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第1年後編 最終話 卒業式の戦い 後編

「卒業生、答辞。卒業生代表、石井 焔」


かつての生徒会会長、石井 焔。高峰の意思を受け取った彼女に、もうやり残したことはないのだ。


「答辞。在校生、そして保護者の皆様。本日はお忙しい中、私たちのためにご臨席していただきまして、誠にありがとうございます。壁、坂を登り、数々の苦難を乗り越えた私たちはついに、このパトリオット高校を卒業することとなりました。この3年間は、まるで瞬きと思えるほどにあっという間に終わり、沢山の思い出を作ることができました。体育祭、文化祭、修学旅行といった学校行事、友達、先輩、後輩、先生と過ごした学校生活。この思い出は、一生忘れられない貴重な体験になりました。私は生徒会に所属し、会長を務め、毎日責務や指示を行う立場でした。今も思うと、後輩、先輩、同じ学年の生徒会役員たちが居なければ、私は勤め上げることができなかったかもしれません。本当に、ありがとうございました。在校生、保護者、職員の皆様含め様々な方々に支えられ、お世話になり、私たちは本当に幸せでした。これから私たちは、自分の道を歩むために新たに進み始めます。ここまで育んでくださった皆様に深く感謝を申し上げます。このパトリオット高校のさらなる活躍とご発展を祈念し、答辞とさせていただきます。卒業生代表、石井 焔」


石井は涙を流していた。今までの思い出がブワッと頭に流れ込んできたのだ。

石井が壇上から降り着席。全てのプログラムが終了し、卒業式が幕を閉じる。これは、かつての時代の終わりでもあり、新たな時代の幕を開ける鐘でもあった。


「卒業生、退場。大きな拍手でお見送りください」


吹奏楽部がルイ・プリマ作『Sing Sing Sing』を演奏する。

その音楽は外にまで響いていた。


「加藤!撃ってくれ!」

<了解!隠れといて!>


音楽が盛り上がる頃を狙い、迫撃砲を発射。ポンッポンッと軽い音と共に砲弾はバイクに向かっていく。

サイドカーの1輌は吹き飛んだが、もの1輌は生き残り逃走する。


「クソ!逃げるつもりか!」


キキィッ!

現れたのはゼーレヴェのサイドカーとは違う、水冷式の機関銃を乗せたサイドカー。運転手は見覚えのない、全く知らない人物だった…。


「急いでいるなら乗るかい?」

「え、あ、ああ!頼む!」

「誰なんだそいつは」

「そいつとは失礼だね。とりあえず、彼を追えば良いのだろう?」

「お願いします!」


タイヤ痕を残し急発進。ゼーレヴェを追い機関銃を発射。水冷式であるヴィッカース重機関銃の重い1発1発が響く。

1発がゼーレヴェの機関銃手に命中。気絶しもたれかかった。


「…何をしようとしている?」


ゼーレヴェのライダーは座席に横たわりペンチを取り出すと、サイドカーの副座席の連結部を分解。なんと機関銃手と副座席を放置し自分だけ逃げようというのだ。


「あの野朗!」


さらにヴィッカース重機関銃を放つ。


「撃ちすぎには気をつけたまえ!水冷式といえども熱で暴発もするし弾も無駄になる!」


相手はバイクになったことで狭い路を余裕で通過したり、圧倒的な機動性でサイドカーを振り切るのが素早くなった。見えなくなるのも時間の問題だった。

パキンッと、ヴィッカース重機関銃のトリガーが引っかかる。


「弾詰まり(ジャムった)か!」

「もういい!1発に賭けろ!」


スコープを取り付けたM1ガーランドを持ち構え、動く車体の最中ゆっくりと狙う。ゼーレヴェのライダーも日光の反射で気づいたのか、蛇行運転で交わそうと必死だ。

心の中で、冷静に、確実に。そう唱え、深く深呼吸。目を瞑り、運転手の動きをイメージし、捕捉する。


「そこだ!」


朝山のガーランドから放たれた1発の弾丸はライダーの腕に直撃。手を離した途端、バイクはシミー現象を引き起こしバイクの前部がぐわんぐわん左右に曲がり、そのままライダーを突き放して交差点のガードレールに衝突した。


「ナイスショット」

「どうもありがとう」


ライダーは気絶しておらず、這いながら交差点を曲がる。


「どこまで必死なんだ…」


朝山が降車しライダーを捕まえようとした時だった。

交差点からキュルキュルキュルキュルと履帯の音を立てながら、鉄の塊が姿を現した。それはただの戦車ではない。2つ以上の砲塔を載せた多砲塔戦車。


「…なんてこった…」

「逃げろ生徒会!NbFz(トラクター)だ!」


ズドォン!っと、戦車砲から放たれた榴弾がサイドカーを木っ端微塵に破壊し、あの運転手は姿を消していた。


「パトリオットの生徒会役員、朝山 隆介」


NbFzの上面に立つゼーレヴェの制服を着た人物…見た目から見えるカリスマ性。間違いない。ホームページでも見たことのある顔であり、学校博覧大会の際にも俺らを監視していた。ゼーレヴェ現生徒会長、楠本 絵理花…!


「…何をしにきた」

「もちろんあのライダーの回収だ。そして、もう1つ伝えたいことがある」

「伝えたいことだと?」

「今回限り、お前は見逃してやる。だが、生徒会と学校に伝えろ。"我がゼーレヴェ高等学校は、パトリオット高等学校に宣戦布告を申し上げる!"とな!」







第2年編に続く…

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