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我らは生徒会!  作者: イチバ
第1年 全員停学
2/3

第Ⅱ話 生徒会のお仕事

「乗って」


揃ってM3斥候車に乗る。


グラウンドでは不良達が発砲し暴れ回っていた。色付きのスモークグレネードが煙を立ち昇らせ、サッカー部達が対応に困り果てている。

学校の規則上、銃器の扱いは厳しく、常に発砲ができる状態なのは生徒会のみ。だから学校内でこんな問題が起きると生徒会が出動しなくてはならないという。こんなことから生徒会の愛称はMP(憲兵)だ。


「高峰君は車両で待って見といて!」


会長達が走って行く。


「銃を捨てろ!」


会長が叫んだ。


「MPだ!撃ち返せ!」


トンプソンM1928で対抗して来る。

1年生はM1ガーランドやグレネードのみだが、2年生からはトンプソンや重機関銃、狙撃銃の訓練もする。3年にもなると、受験で忙しくなるため、自主性でラペリングや玉掛け作業を行う。

文理選択でも分かれていて、理系では大砲などの弾道学を学び、砲兵になる生徒が多い。


「村瀬!援護!挟み込むよ!」

「はいよ!」


会長が素早く命令し次々不良達に弾を当てる。

最後の1人になると、銃を落とし降参した。

気絶した不良達を衛生兵担当の生徒達が保健室まで運んで行く。


「手後ろで組んで。このまま生徒指導担当に連行する」


手錠を会長がかけた。


「手が空いてる生徒は手伝って!」


不良達がひっくり返した車やドラム缶らを他の生徒達がテキパキと片付けていく。

俺の目には憧れの姿が映り、太陽のように輝いていた。

夢にまで見た生徒会…カッコいい!


あれから2週間後、部活体験も終了を迎え、俺以外にも3人の1年が生徒会に入ってきた。

愛媛(えひめ) (めい)、加藤 める(かとう める)朝山(あさやま) 隆介(りゅうすけ)。女子2人俺含め男子2人だ。

広報と庶務にも顔を合わせた。3年広報の川門(かわかど) (しゅん)。2年庶務の安芸(あき) 雫石(しずく)

思った以上に多い…名前を覚えられるだろうか…。


「おはようございます。定例会を始めまーす」

「「「よろしくお願いします」」」

「安芸、メモよろしく」

「はーい」

「最近忙しくてなかなか生徒会に来れなくてすみません。申し遅れました、生徒会顧問の新渡戸 拓間です。今学期もよろしくお願いします」


生徒会の顧問は僕の担任だ。


「1年生がまさか4人も入ってくれるとは思ってもなかったなぁ」

「女子もちゃんと入ってきて安心だな会長」

「男子しかいない代あったからねぇ…」


定例会というか…雑談というか…なんか、随分と気楽な感じ。これも生徒会の醍醐味なのか?

会長が苦笑いしながら謝った。


「ごめんね。いつもこんな感じなんだ」

「いえいえ大丈夫ですよ。賑やかで楽しいですし…」


顧問も平和そうな顔で見守りながらはいはいと落ち着かせる。


「話すことは?」

「やっぱ第四号議案っしょ」


説明しよう!第四号議案とは?

率直に言う。校則について話す特別な資料のこと。

読者の皆様が学生時代、全学年が体育館に集まって生徒会が何かしらの発表をしている、なんて事があったと思う。まぁ、大抵は寝ているが。この時、生徒会が話しているのが第四号議案である。校則変更点や今後の対応、なぜその校則があるのかという意義も話している。生徒総会と呼ばれるこの集会で話せられるのは第一号議案〜第四号議案。だいたい第三号議案までみんな寝てる。なんなら私はボーっとしてた。

※学校で異なる場合があります。


「とりあえず今のところは以上。次なんかある?」

「あ、じゃあ私から」


顧問が手をあげ話始める。


「体育祭実行委員から連絡で、実況はあっちがやるそうです。あと、去年は乱射した生徒がいたので生徒会は巡回をメインに当日は動いてください。最後に、最近、かなり学校内が混沌化しているので鎮圧が忙しくなると思います。素早く戦闘準備に入れるようお願いします」

「なんでこんなに落ち着かないかなぁ」

「さぁ?」


こうして、残りの連絡はなく定例会が終了。生徒会1日目も同時に終了した。

しかし、ここからが問題だ。

部活動体験会やオープンキャンパスで生徒会を体験した同士、1年生は全員友達だ。だが、先輩とはどう関わればいいんだ…?



「ボス。生徒会の奴ら、動きましたよ」

「よくやった。最近は対応が厳しくなってきたからな。少しは、我々、"パトリオット・シンジケート"が動かねばならない」

「つまり…!」

「生徒会に宣戦布告だ!奴らを潰す!」



ある日、学校新聞が配られ生徒会でも話題になっていた。

学校新聞とは、撮影を行い出展や広報活動の手助けを目的とする写真部、コンピュータやプログラミングなどを行う情報部のコラボで作られている新聞だ。2週間に1巻のペースで作っている。


「眞木。読んだか今回の学校新聞?」

「読んでない」

「見ろよこの記事」

「どれどれ?パトリオット・シンジケート…生徒会に宣戦布告か!?何コレ!?」


驚愕だ。なんだこの新聞…。てかパトリオット・シンジケートって何!部活でも委員会でもないんだけど!?


「パトリオット・シンジケート。数年前から裏で暴れてる非正規の委員会だよ」


会長がM1919機関銃を解体し拭きながら答えた。非正規の委員会…?

この委員会…一体何者なんだ…。

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