表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我らは生徒会!  作者: イチバ
第1年後編 嘆きの生徒
18/20

第1年後編 第Ⅸ話 勝負の日

高校入試。

人生を分ける重大イベントである。

高校入試は2種類であり、推薦入試と一般入試の2択。私立は1月、公立や県立は2月に開催され、合格難易度は倍率によって変わる。だが、これは単願と併願でも左右される場合がある。

合格率としては、推薦の一種である校長推薦が合格しやすい。これはいわゆる"確約"と呼ばれるものであり、一番合格しやすいのはこの確約+単願である。裏事情を含めると、確約+単願+定員割れが最も合格率が高い。

年ごとに稀に担当は変わるが、大体は生徒会は入試にて案内、トイレ誘導、注意喚起などを担当する。先生全員は入試に駆り出されるため生徒会に常駐する先生もおらず、入試中は生徒会はほぼ自由時間。教室の近くに生徒会室がなければ、騒ぎ放題でもある。

だが、生徒会の集合はどのイベントの中でも最速で、朝7時集合である。遠方から通う生徒会役員は朝4時起きというイかれた数字を叩き出し、まだ日が出ない頃に出発する事例もある。

正直なところ、入試を午後にすれば良いのでは?と思う。まぁ、何かしら事情があるのだろう。


「僕らが入試してから1年経過したのか…」

「懐かしいな。確約もあったし単願だったが、めちゃくちゃ緊張した覚えがある」

「私は併願で落ちてこっちに来たなぁ…もっと勉強しとけば良かった。愛媛ちゃんは?」

「私は単願しかなかったね。ギリギリ内申点が足りて確約もギリギリで貰えた」

「うぇぇ?でも愛媛ちゃん今学年トップじゃん」


実は、中学時代頭は悪かったのに高校に入ってから頭が良くなる事例はある。(イチバ)自身も、私の友達もそうだった。

私は中学の頃、常に下であり、一桁は取ったことはなかったが、11点やら14点やら20点代やら取りまくり親に叱られていた。しかし、高校に入ってから60点や70点を取り始め、さらには90点代まで届いたのだ。流石に100点はなかったが…。

このように、突然と頭が良くなる場合がある。

とはいえ1つ、これには条件がある。

"努力"である。

授業を聞く努力、理解する努力、覚える努力。これが紡がれてこそ開花するのだ。

決して運だけではない。


「川門先輩はどうだったんです?」

「俺は併願で落ちてこの学校入った」

「安芸先輩にも聞きたかったね。風邪だってさ」


高峰と朝山が目を合わせた。察したのである。


「それにしても入試は生徒会にとっちゃ楽だな。面接まで暇を持て余してる」


生徒会は面接時に案内を行う。しかし、この面接時の対応が一番の難関というべき部分。

声をかけるか、かけないか。

学校によるが、"頑張って"といった応援をする所もある。だが、この声かけが受験生にとってどう受け取られるかが肝。質疑応答について頭がいっぱいの最中、声かけをされれば落ち着く者もいれば、混乱する者、本当は嫌な気分になる者もいるはず。果たして、声かけをすべきか、否か。この問題は心を読み取る何かがなければ解決はしない。


「今年は声かけなしで行くんですよね?」

「うん。正直、2年目の俺でも正解かわからない。個人的にはなしの方がいいと思う。受験会場は秩序があって厳粛な場ではあるから、その雰囲気とか空気を壊すのは受験生にとっても迷惑な気がする。俺も突然言われたらちょっとヤダ」


ペン回しをしながら川門はそう言う。


「まぁ、賛否両論といったところじゃない?」

「石川会長時代もこれで言い争ったし、一生解決しない」


授業終了のチャイムが校内に鳴り響く。


「よし。面接に備えよう。各自持ち場に着いて」

「「了解」」



面接。

高校受験生にとって最後の壁である。

見られる基準は以下の通り。

・礼儀正しいか

・声は小さくないか

・落ち着いているか

・内容がしっかりしているか

・支離滅裂ではないか

・目線は前を見ているか

・質問に応えられるか

主にこれらが重要であり、鍵でもある。

面接が始まるのはいつか、扉をノックする時?答えはNo。始まりは待機場所着席時である。

なぜなら、頭の中で何を言われるか、落ち着けているか、マナーは大丈夫かといった復習をしなければならない。つまり身構えなくてはならない。無防備では面接官の鋭い槍(質問)に射抜かれかねない。重要なのは"予測"でもある。

生徒会からの視点は実に面白いものだ。

落ち着いている者もいれば、紙を見て復習する者もいるが、中には緊張で石のように固まってしまっている者も、体調を崩す者もいる。

だが、これを生徒会は見過ぎてはいけない。これはプレッシャーを与えかねないためであり、時には同じ階で対応をする生徒会役員と話し場を和ませるのがベスト…だろう。入試での仕事の難しさ、それは正解は無いが間違いはあることだ。常に正しいと思う対応をしなくてはならない。


「高峰君…忘れ者だけどどうしよう…」


愛媛がヒソヒソ声で話しかける。


「まじか…うーん…あとで職員室に持ってこう。今は壁とかに立て掛けといて」

「はーい」


このように、日常的な会話が必要ではなかろうか。

少し話は逸れるが、入試は生徒会にとって宣伝ができる。高校の生徒会はどのような雰囲気なのか、どのような存在なのかを示す。おふざけは生徒会室の中だけに限定されるのだ。

生徒会って面接終わったら何かするの?という疑問を問う読者もいるだろう。

正直に言おう。無い。

顧問含め先生方は採点に忙しく面接終了後も帰って来ない。生徒会は終わり次第、各自帰宅になる。

※学校によります。



「なんか、以外とあっけなく終わったね」

「そうだね」

「今年は問題が少なかった上に1年がよく対応できてた。文句なしかな」


そう言って川門は帰って行った。

1年生は皆、ポーっとしていた。


「…あの川門先輩が私達を褒めた…?」

「明日は雨が降るな」

「…んまぁ、今日は超良かったってことで、解散!」

「「やったー!」」


こうして入試は無事、終了したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ