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ループ・繰り返し・過去改編な作品

ループ能力でエンディングを書き換えるに至る話

作者: 仲仁へび
掲載日:2025/06/14



 私は、ループ能力で助けられていたらしい。

 幼馴染の男の子が今まで、人知れず奮闘していたようだ。

 正直、最初は信じられなかったけれど、彼は何度も未来を言い当てた。

 だから信じるしかなかった。


 彼は今までに私のピンチを10回ほど助けてきたらしい。

 どうしてそこまでするのだろうか。

 きっと私にはその理由を教えてくれないだろう。

 その理由を教えたら、とても大切なものを蔑ろにしてしまうと言ったから。

 全てが終わるまでは、きっと何も言わないはずだ。

 彼は変なところで頑固だから、こうと決めたことを曲げたりはしないだろう。


 彼は器用で、とても強い人だ。

 色々な事をやり遂げて、多くの人から賞賛されている。

 だから、ループ能力を持っていても、活用できたし、いつも難なく乗り越えられた。


 7回目までは一人きりで頑張る事ができた。


 けれど、7回目から彼は躓くようになった。

 代償として、彼の力ーーステータスが低下するようになったからだ。

 この世には、無限に使える便利な力などない。


 彼が持つような特殊能力は、たまに歴史の中に、その存在が刻まれる事になる。

 けれど、そのどれもが使いすぎには代償があった。

 彼も例外ではなかったという事だろう。


 それでも、彼は頑張り続けた。


 そして、11回目で限界が来た。

 今まで黙っていたのに、突然私に自分の力を打ち明けたのだ。


 私は信じ、そして彼を責めた。


 どうして私に今まで教えてくれなかったのか、と。

 私は彼の力になれなかった事を悔いて、何も知らなかった自分に怒りを抱いた。


 頼ってくれたら良かったのにと、自分の不甲斐なさも呪った。


 けれど、彼にはそれをしてはいけない理由があったみたいだから。

 私はきっと、最後まで、彼が私を頼ってくれなかった理由を知る事ができないのだろう。


 そんな事は、今は後回し。


 ループする原因は私達の前に立ちはだかり、時間も容赦なく過ぎていくのだから。


 私は彼と共に立ち向かう事にした。

 11回目のループの原因となる惨劇に。

 たくさんの人の死に。

 未来の消滅に。

 私は、毎回その中の一人として死亡するようだ。


 だから彼は、私を助けるために11回目のループを何度も挑戦した。


 この惨劇を切り抜ける切り札は、同時攻略が必要らしい。

 今、私達がいる町にはたくさんの爆弾が仕掛けられていて、同時に二か所の地点で爆弾を解除しなくちゃいけない。

 そうしないと、連鎖的に爆発が起きて、街の隅々にあった爆薬が全て吹っ飛んでしまう。


 私は、彼の知識を頼りに、爆弾のある場所へ向かい、解除を行った。

 そのループの中、私は彼を信じて、いつも行動していた。


 疑うなんてできるわけがない。

 幼い頃から彼の事をずっと見てきたのだから、彼の事は知っている。

 疑いたくないという思い以上に、彼が誰かを貶める事などありえないと知っていたからだ。


 そうして乗り越えた11回目の惨劇。彼のループ。

 そこで全てが終わるはずだった。


 私はもう、彼に助けられる存在ではなくなるはずだったらしい。


 死の運命から解放されたらしい。

 私には分からない事だけれど、彼は私の詩の運命を知っていたようだ。


 これで私は死なない。

 けれどその事実も、彼が楽になる事が嬉しかった。


 なのに、色々な者達が彼を放っておかなかった。


 彼にその力を与えた、5つの傷害が、彼を縛り付ける。


 歴史書の中では、特殊能力は自然に預かるものだとかかれていた。


 しかし真実は違った。

 誰かの欲望が形になり、誰かに押し付けられたのがその特殊能力だった。

 普通は欲望の主は、特殊能力が誰の手に渡ったか分からないらしい。


 しかし彼は、1回から3回目のループの問題を解決するために、目立ち過ぎた。

 それで、欲望の主に、目をつけられてしまったのだ。


 例えばそれは、とある国の王様。

 国の危機を救う為に彼を利用し、どこかのループで私を死なせて、巻き込んだ。


 例えばそれは、とある美しい女神様。

 世界の危機を救う為に、どこかのループで私を死なせて、巻き込んだ。

 だから、彼は私を助けるために、世界も救った。


 例えばそれは、とある賢い魔法使い。

 死んだ者達を救う為に、この世界を覆う異常を正常に戻すために。

 どこかのループの私を死なせて、彼を巻き込んだ。

 彼は当然、人知を超えた戦いに挑まされた。


 例えばそれは、とある腹黒い妖精。

 本心を何も言わず、誰も信じない妖精。

 同族たちを覆う呪いを解除するために、彼の力を借りるために、どこかのループの私を巻き込んで死なせた。

 彼は怒って、ループの何度かの中、彼らを滅ぼそうとした。

 でも結局、私を助けるために、彼ら妖精も助けた。


 例えばそれはとある、過去の邪竜。

 次元を超えて現代に復活した悪しき竜。

 宇宙に存在するすべての時空を、生命を、世界を滅ぼすために彼の力を奪おうとした。

 その最中にどこかのループの私は巻き込まれて死んだ。

 だから彼は、瀕死の重傷になりながらも、邪竜を倒した。


 彼が乗り越えた、主要な五つの困難。

 それらは彼に呪いを残した。


 彼は幸せにはなれない。

 私は永遠に死の運命に取り込まれる。

 彼は私と幸福になれない。

 私はどんな人生をたどっても、長くは生きられない。

 私達は来世からは、永遠に出会えない。


 彼は私に関係する呪いだけ解いて、自分の生を終わらせた。


 彼は幸せにはなれないけれど、

 私は死の運命から解放される。

 彼は私と幸福にはなれないけれど、

 私は長く生きられる。


 けれど、彼はこれから先生まれ変わっても、決して私とは出会えない。


 正直に言うと、私は彼を好いていた。

 彼も同じ気持ちだったと思う。


 なのに、この呪いはあんまりだ。


 こんな結末になるから、彼は私に何も言わなかったのだろう。

 私は何も知らなかった事を激しく後悔した。


 私の人生は、助けられて、助けられるだけだった。

 私が彼を助けた事なんて、たった一度しかない。


 こんなので救ったつもりになるなんて、彼は。

 彼はなんて酷い人なのだろう。


 傷を負う彼に何もしてあげられなかった、傷を負わなかった私。


 そんな私の心の傷なんて、どうでも良いという事なのだろう。


 




 私は、だけど、あきらめない。

 彼のようには上手くやれないけれども、方法ならあるともう知っているから。





 誰かの欲望が、誰かに力を与えるのなら。

 多くの者達に、その欲望を抱いてもらえばよい。


 私は世界中の者達にお願いをした。


 酷い自己満足になるかもしれないけれど。

 彼を助けたいと言い、彼を助けたいと願ってほしいと。


 それはひどく分の悪い賭けで、願った通りの形になるかどうかわからない。


 けれど、やらなければ後悔すると思ったから。




 

 やがて、私の行いの結果が訪れる。


 欲望は力を生み、誰かの体に特殊能力として宿った。


 その人物は、力を行使する。


 たった一人が不幸になり、多くの者達が幸福になるビターエンドを、


 たった一人も不幸にならない、全ての人たちが幸福になるハッピーエンドに書き換えるために。



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