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08 対人戦


「今からこのコイン投げるから、地面に落ちたら対戦開始ね、勝利条件はこの中の2人が戦闘不能になること」

「了解だ」

「わかったから、さっさと始めようぜ」

「じゃあ投げるよ__」


 カンッ__と甲高い音がなってコインが飛んだ。少し力を入れすぎたか?ま、見えはするから大丈夫か。

 コインが落ちるまであと3__2__1__。

 カランッ。


「斧術・栗花落!」

「黒縄地獄!」


 コインが落ちたと同時に私に向かって攻撃を仕掛けてくる挑戦者(バカ)二人。


「ちょっと、ちょっと!2対1とかひどくない?」


 作戦でも立ててたかと思うほど息ぴったりでこっち攻めてくんじゃん。やっぱりバカップル__。


『守れ』


 防護壁張った瞬間、アリスとノエルの息の合った攻撃が私に直撃__だけど残念、無傷。


「チッ、お前の防御魔法どうなってんだよ。ゴブリンロード戦でチビが地面割った一撃だぞ?」

「え、まじ?地面割ったの?キモ」

「流石に言い過ぎではないか?」


 そんな悠長な会話をしながらでも攻撃を仕掛けてくる二人は流石戦士だ。

 しかもこの二人、特にアリス。

 重量系の武器を使っていると思えないほどの速さ。しかも一撃一撃が、すごく重い。

 ピシッ__。


「ありゃ__」

「おいチビ!防護壁にヒビ入ったぞ、叩き込めぇ!」

「うるさいぞナルシ!言われなくてもそうする」


 パリン__。耳を劈く様な高い音を立てたかも思うと、バリアが割れた。


「斧術・桜舞!」

「衆合地獄」


 うん、防護壁が壊れて武器を振りかざされたら、魔術師は詠唱も間に合わないし、焦って行動が止まるから、一気に攻める二人の判断は正しい。

 でもさ、それは"普通の"魔術師バージョンだ。


「残念、私は近距離戦闘大好き魔術師だよ」


 時空魔術発動。二人の動きを0.6倍にして動きを遅く、さらに二人の空ききった腹に身体強化増々の私の回し蹴りをぶち込む!


「カハッ__」

「ッ__」


 良いのが入った。


「おい、てめぇ今何した」

「魔術で時間遅くして回し蹴りした」

「は……?詠唱はどうした?いつも一言いれるじゃねぇか」

「あぁ、あれはかっこいいから入れてるだけ。意味は無い」

「……は?」


 詠唱って、天から見守りし我が神よーってやつでしょ。あれ長いし、面倒いし、すぐ殺られるから需要が分からん。

 だから普段から無詠唱なんだけど、それはそれでなんか地味だから、かっこいい感じの一言入れてるだけ。


「さて、どうする?降参する?」


 右手を上に伸ばして、私よりも何倍も大きいファイアーボールをだす。


「私が知っているファイアーボールの大きさじゃないのだが__」

「そんなの知らん」


「ははっ、カノンは強いな。私は降参だ、今から起き上がったとしてもあの球は避けきれん」

「俺もだ。こいつに降参とか癪でしかねぇけどな」

「物わかりが良くて助かりますよー、じゃあもうこれ要らないか」


 水魔術を使って手の上にあるこの、どでかい炎を消火していく。


「……は?魔術の同時発動?てめぇ、一体どんだけの力を持ってやがる」

「そんなに凄いのか?」

「あ?お前、どんだけバカなんだよ。簡単に言うと片目で本読みながら、もう片方で別の本読むぐらいの難易度だ」


「__めっちゃ難しくないか?」

「めっちゃ難しいんだよ、今まで同時発動してる魔術師見たことあるか?」

「ないな。今回を除いて」

「だろ?できるやつがいねぇんだよ」


 今日その常識が覆ったけどな、とジト目でこっちを見てくる。やめてほしい。


「じゃあ決着もついたし、帰りますか」


 リーダーも決まったことだし。


「いやいやいやいや、このパーティーレベチすぎんか?」


 あ、村長のこと忘れてた。そういえばいたね。

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