026 アリスvsプラン
⚠流血表現
グロイのが苦手な方はお気をつけください。
「さて、準備はいいですか?」
「うむ!いつでもいけるぞ!」
今回の戦いは(私のコインがなくなりすぎたため)口頭で開始する。
「それじゃぁ、用意……」
「はじめ!」
合図と共に踏み込むアリス。
筋肉のしなりとともに、斧の刃が鈍く光る。重武装でありながらその足取りは驚くほど軽い。
小柄なアリスがこれを成せるのは普段の努力からだろう。
「力任せで私に勝てるとでも思っているのですか?」
プランが指を一振する。次の瞬間__。
「っ……」
あたりに轟音が響き、空間が震えた。
「へぇ……あれを避けれたのね」
辺りにはプランの声が響く。土煙が晴れた時にはアリスの真横に大きな穴ができていた。
「ちょっとプラン!さすがにやりすぎ!」
「魔界なんだからどうせまた後で元通りになるでしょ」
あまりの本気に野次がとぶが、本人は知ったこっちゃないと澄まし顔で、反省の色は見えない。
「大丈夫だ、カノン。それに__こちらの方が俄然燃えるっ!」
そう言い切ったアリスの目には、恐怖の色は一切なかった。
「やっぱり、そうこなくっちゃ!でも、あの程度を避けれたぐらいで、いい気にならないでくださいね」
「本番はここからですよ」
そう言い切ったプランの背後には、直後無数の魔法陣が展開される。
火炎、雷、氷結、風の魔法が同時に放たれる。
常人なら避けることなんて不可能。恐怖で動くことすら阻まれる。
「いいなっ!望むところだ」
アリスは地面を蹴り、真正面から突っ込む。
炎を斧で上から叩き割り、そのまま遠心力を利用して2個目の炎を横に振り切る。雷は身体で受け止めながら全身する。
氷の槍が肩や頬をかすめ血が飛び散るが、彼女は笑みを絶やさない。
その姿はまるで、赤い炎の中舞い踊る巫女の様だった。
「あはっ!効いてる、効いてるぞ!だから最高なんだ!」
アリスは恍惚とした表情でプランとの差を縮める。
『斧術・地裂花砕っ!』
斧を振り下ろす。
地面が割れ、その割れ目から花弁のように衝撃が吹き上がる。
『盾となり、私を護れ!防護壁』
プランは防護壁を展開するが、その衝撃は予想をはるかに超え、防護壁は悲鳴を上げて割れた。
防護壁で威力は軽減したものの、プランの肩から鮮やかな血が噴き出し、腕から地面に滴り落ちた。
「くっ……!」
だが、プランは膝をつかない。
「いい攻撃ですね……。それよりも、私の攻撃をあんな強行突破してくるとは思いませんでした」
手を正面に突き出す。
「なら、これならどうですか?」
純粋な魔力が凝縮し、1本の矢になったかと思えば、瞬きをした瞬間それは無数の槍になり矛先はアリスに向いていた。
攻撃の天才と呼ばれる所以__思考と同時に魔法が完成する。
アリスは斧を構え、飛んできた1本を真正面から受け止めた。
音と魔法がぶつかり合い、閃光が戦場を眩い光で包む。
斧を振り切り、1本の槍を突破するとアリスは膝をつきそうになる。
だが、すんでのところで踏みとどまる。
「まだ……まだだっ!」
咆哮と共に一歩、また一歩とプランに向かって進んでゆく。
プランも、肩の傷から来る痛みで歯を食いしばりながらも、向かい立つ。
「いくわよ!」
プランが光の矢を飛ばす。
アリスはそれをまた斧で迎え撃つ。
勝敗はまだ決まらない。
戦斧と魔法。
力と才覚。
__どちらかが倒れるまで、この熱は冷めない。




