024 対決
最初の一撃を双方防いだらしく、どちらもピンピンしている。
「ねぇ、舐めてるの?」
「あ?」
「せっかく戦うんだから本気てきてよ」
その言葉は何か意味深だ。
「……そういうことか」
なにかわかったらしいノエルは不敵に笑い、つぶやいた。
「ユニークスキル 覚醒 発動」
途端、あたりは眩い光に閉じ込められる。
人が視認できる程光が弱まったときにはノエルの姿は大きく変化していた。
「俺様に覚醒を促すなんていい度胸だ」
ノエルが大鎌を構える。
それに応えるようにサーナも魔法を複数展開させる。
『黒縄地獄!』
ノエルが地面を抉りながら飛び込み、振り被った大鎌を振り下ろす。
空気が悲鳴をあげ、圧力だけで地面が割れる。
『護れ』
瞬間、半透明の壁が衝撃を受け止め、火花のように魔力の欠片が散る。
「まだまだ行くぜェ!」
『大叫喚地獄!』
「そういう強い攻撃、大好き!『反射護壁』!」
さっき展開させた護壁を前に出す。
大鎌がぶつかった瞬間、逆方向に衝撃をはね返す。
思わぬ反動にノエルはよろめく。その隙をサーナは見逃さない。
「炎よ、力を貸し給え。『炎球』」
「くッ__」
ギリギリのところで防いだノエルだが、そのまま勢いに負け吹き飛ばされる。
「痛ッ」
「降参する?」
「はっ、たわけ!」
ノエルが手のひらをを天に掲げる。
瞬きをする間よりも早く光の槍が12本出現する。
「自動追跡機能だ。全部防げるか?」
「私に防げないものなんてないから」
最初に2本の光の槍が飛んでいく。
『反射護壁』
跳ね返された2本の槍は別方向から飛んできたもう2本の槍とあたり、爆発が起こる。
爆発で起こった土煙で視界が悪い。それを利用しノエルとの距離を縮めるサーナ。
しかし__。
「残念。丸見えだ」
予想外の事に対応できなかったサーナの頬を光の槍がかする。
慌てたサーナは急いでバックステップで距離をとる。
この一連の戦いでさっきの土煙は晴れていた。
『護れ』
途端、数えるのも面倒くさい程の防護壁が出現する。
「へぇ……数で押すってか?」
「君の攻撃は一撃一撃が重いからね、受けきれるまで厚くしていくよ」
「じゃあ割るだけだなァ!」
ノエルが構える。よく見れば槍の数も増えている。
「全部守る、この状況でそんな器用なことできるか?」
「魔術師なめんなよ♪」
サーナの目には、疲れの色は見えない。見えるのは好奇心と挑発の色だけだった。
「飛ばすぜェ!」
ノエルが踏み出した瞬間、光の槍が一斉にサーナにむかって飛んでいく。
「臨むところ!」
冷静に1つの槍に1つの防護壁を当てて相殺していく。そんな中、ノエルは混乱させるように"威力よりも速度"を意識した攻撃を仕掛けた。
「黒縄地獄!大叫喚地獄!灼熱地獄!」
サーナは1つの防護壁で全部防ぎ切る。
攻撃を受けるたび防護壁は虹色に輝き圧力を溜め込んでいく。
『開放!』
今まで溜めた攻撃の威力が跳ね返ってノエルを襲う。
しかし、当たったと認識した瞬間ノエルは光の粒となって消えた。
「囮……!」
「正解ッ!『衆合地獄』!」
さっき吹き飛ばしたお返しだと言わんばかりの威力で、後ろから今度はノエルがサーナを吹き飛ばす。
「溜めて返す、か。面白ぇ!」
「ッ__君の攻撃、全部返すから!」
「やってみろやァ!」
今の一撃で結構体力が削られたらしいサーナは肩で息をしていた。
対するノエルも、隠してはいるが疲れているのがバレバレだ。
ノエルの体表に赤黒い光が走る。
大鎌の底面な灼熱に染まり、熱波が空間を歪めた。
『大灼熱地獄』
大鎌がサーナに向かって振るわれる。噴火のような爆風が刃となり、サーナの防護壁を次々と割っていく。
「その攻撃……強いけど使用者にもダメージ来るんじゃない?」
実際、ノエルは大量に汗をかき、服はところどころ焦げている。
「よく考えれば、陽炎ができるほど熱い武器を持っていて使用者が熱くないわけないよ、ねッ!」
さっきの攻撃を吸収していたらしい魔法陣から倍の威力が返ってくる。
「舐めんなよ、俺は親の片方が悪魔族なんだ。物心ついた時から熱い場所に居たわァ!」
余裕を持って避けた先には、拳を振り被ったサーナがいた。
「何ッ__?!」
「サーナ流!グーパン!」
「痛ってェ、てめぇ何しやがる……?!」
「立てないでしょ?顎にモロ入ったからね」
立とうとすると視界が回るノエルは顎がひどく痛む事にきずいた。
「で、どうする?」
「……降参だ、流石に立てなきゃ勝てねェわ」
そうして、ノエルは覚醒を解き、サーナはまだ展開させていた防護壁を解除した。
ちなみにサーナは、攻撃魔術がダメダメなのでその分野だけは詠唱が必要です。




