012 ノエルとアリス
アリス目線
今日も今日とて平和な午後下がり。
「「「すいませんでしたぁぁ!」」」
__には相応しくない大声がギルドの中を埋め尽くす。
大声の原因は私達だ。ギルドの皆、すまない!
「もぅ、本当ですよ。特例なんですからね、資料を出す前に受けたギルド依頼の成績を反映するなんて」
「う〜、本当に神__ありがとう」
「さすがに不問にするには大きすぎる成績ですからね」
この方が話のわかる方でよかった!
でなければ、危うくパーティーランクが上がらないという事件に発達するところだったぞ。
「では読み上げます」
ん?何やら雰囲気が__あぁ、そうだった。
今からか、ランク昇進の宣言は。
毎回どの受付嬢もこの時に限って雰囲気が変わるので緊張してしまうな!
「この度、幾千ものパーティーの中から誕生すると共に昇進するパーティーの宣言を行います。
魔術師カノンをリーダーに鎌術士ノエル、斧術士アリス。パーティーの名は白昼夢。
GランクからDランクに昇進することを受付嬢プランが見届ける。おめでとうございます!」
ワッ__ギルド内が暖かい拍手と歓声に包まれる。
__が、良い反応だけではないな。
それもそうだろう、新人がパーティーを作ったばっかでDランクにいったんだ。
良くない思いをするものも多数いるだろう。
それよりもいつもお馴染みのこの方はプランというのか、覚えておこう!
「っはぁ〜、よかった!これで成績入れられないとか言われたらギルド吹き飛ばすとこだったよ」
「俺たちが10悪いのに吹き飛ばすんじゃねぇ、バカか」
「カノンは少し頭が悪いな!」
「そこまで言う?」
「じゃ!2人で楽しんでね」
「あ?何をだ」
「え?私これから王城行かなきゃならないからさ」
……聞いてないのだが。
なんでそんな、なんでこいつら知らないのみたいな顔ができるのだ、おかしいだろう。
私達は悪くないだろう!
「ほら、私全属性使えるから王城で保管されてたって行ったじゃん?で、国脅しててでてきたじゃん?そんな奴ら野放しにすんの超不安だから一ヶ月に一回、月の始めに行かなきゃならないの」
「なんっでんな大事なこと今言うんだ。もっと早く行っとけやぁ!」
「ごめんごめん忘れてた」
「忘れるのはよくないな!これからは私が覚えといてやろう」
「いや大丈夫」
即答されてしまった。心外だな!
「ちゃんと王城にいかないと首の後ろに埋められた超小型爆弾が爆発する仕組みだから忘れらんないの!あはは!」
「だからなんでそれを今それを言うんだよ、テメェ!超危ないもんを黙って持っておくんじゃねぇ!」
「持ってるっていうか、埋めてるんだけど」
「どっちでも良いわぁ!」
「よもや、そんな危険なものがあるとはな!初耳だ」
「なんでてめぇはそんな冷静でいられんだぁ?」
じゃっ!と言い残してカノンは王城に向かった。
「では、今から2人でクエストを受けないか?」
「あぁ」
無言でクエスト依頼のボードの前に二人で立つ。
終始無言。とても気まずいな!
好きな食べ物の話でもするか。
……ナルシの好きな食べ物を知らないのだった!
「ナルシ!」
「なんだ」
「君の好物はなんだ!」
「急にどうした」
「そこまで好き嫌いはねぇが、強いて言えば紅茶が好きだ」
「ふむ、ギャップだな」
「なんだ?喧嘩か?表でろやぁ!」
最近、ナルシの様子がおかしい。
極端に私と目を合わせないし、前と比べて話す量が減った気がする。気のせいかもしれぬがな!
「む、これなどはどうだ?」
「ダンジョンのモンスターの種類の調査か」
ダンジョンのモンスターの種類に変化がないかの依頼だな。
もし減っていたり増えていたりするとスタンピードの恐れがあるから重要な依頼だ。
だがその重要性と裏腹に探索するだけ、という楽な仕事なのだが、変化に気づけないとそれ相応の対応をされることになるので、する人は少ないがな!
しかもこれなら、調査だけなのでノエルと話せるだろう!
さすればきっとこの気まずい雰囲気もなんとかなるさ、多分。
「よし、じゃあ行くか」
「あぁ、立ち回りはどうする?」
「殺る気満々じゃねぇか、そうだな__」
クエスト依頼をしてギルドを後にする。
戦いのことになると途端に恐怖を抱くほど笑顔になるな__これが戦闘狂というやつか。
……なんだか、心が温かいな。こんな空間が長く続いて欲しいと思ってしまう。




