09 兄登場
はぁー、疲れた。
転移って結構魔力使うんだよ。
だから、改造して元よりは消費量少なくしたけど__元々多いからあんま有難み感じないんだよな。
「……む?なんだか騒がしいな」
「……あっ!カノンさん!さっきゴブリンに襲われていたと叫ぶ辺境の村の人達が急にギルドの練習場に__!」
「あ、それ私」
「カノンさぁぁぁぁぁん!」
ごめーんね!だってあの人数転移できるとこなんてギルドの競技場しかないんだもーん。
「あとでギルド長から叱ってもらいますから!」
「えー」
「えー、じゃありません!反省してください!急に現れて沢山の冒険者さんがびっくりしたんですよ?」
「はーい、すいませーん」
もぅ__。とため息をつくお世話になってる受付嬢のお姉さん。なぜか分からないが名前は不明。
お姉さん今日も可愛いなー、とみていたら何か横からのものすごい視線を感じる。
「あのー、ノエルさん?そんなに見られると顔に穴が空きそうっす」
「……お前は何属性使えるんだ?」
「え?!あ、あ、ああああのノエルが他人に興味を持った?!……夢?」
「てめぇぶち殺すぞ」
さっき、私に負けたのは何処の誰かな?え?
魔術は火、水、風、土、草の基本属性と光、闇、無、の例外属性がある。
魔術を使えない者もいれば使えるものもいる。大半は使えるけど。
まぁ、多くて適正数3属性ぐらい?
王宮魔術師レベルで適正数が、大体4属性ある人がほとんどかな。
「私もそれは気になっていたんだ__2属性ぐらいか?」
「いや、無属性の転移魔法に、ゴブリンぶっ放した火属性、対人戦時に火を消化した水。最低でも3はあるだろ。バカかてめぇは」
「む、バカとはなんだバカとは」
やっぱこの二人はバカップルだね。
「で、どうなんだ?カノン」
「んーっとね、全属性」
「「……は?」」
「うん、全属性」
どうしたんだい。そんなに固まって。
「おい、嘘つくなや。そんなに俺がバカに見えるってのか?」
「全属性なんて聞いたことないぞ」
「そりゃそうだろ。全属性なんて世界に3人しかいねぇんだ」
「だから、そのうちの一人が私」
「いやだって、全属性適正の奴は国で保管されてるはずだろうが」
「冒険者やりたくて国脅した」
「俺こんなやばいやつとパーティー組んでたのか」
「おやぁ?これはこれは、役立たず魔術師様じゃないですか」
は?この私役立たずだなんで言う馬鹿はどこのどいつだ、って__。
「元リーダーじゃん久しぶりだね」
「良くそんなに気楽にしてるもんだな。ゴブリンのクエストに失敗したくせに」
ん?何の話?
「ていうか、ゴブリンのクエスト受けたのなんで知ってんの?ストーカー?うわ、ついに一線超えたね」
「風の噂で聞いたんだよ、……パーティーの内、2人はボロボロでお前だけ無傷、か」
どうせ高みの見物でもしてたんだろ、とかなんとかいちゃもんつけるバカリーダー。
「ぁ゙?なんだぁてめぇは。うちのリーダー馬鹿にしてんじゃねえぞ、クソが」
ノエル__!私のことをリーダーだなんて言ってくれて、もうリーダー超嬉しい!口は悪いけど。
「おい、そこの少年。ちゃんとものを見て発言するのだぞ?」
アリス__!普段からじゃ分からない殺気まで出してくれて超嬉しい。目が、目が怖いよ。
「ちょっと!勝手なことをされては困ります。カノンさんはゴブリンの村殲滅、罪人確保、村人保護。
どれも褒め称えられるべき功績です」
受付嬢のお姉さん__!元リーダーに立ち向かう姿も可愛い。
「はっ、どうせカノンじゃなくてそこの2人の功績だろ?どうだ?そんな奴ほっといて俺たちのパーティーにこないか?」
「誰がてめぇみたいな奴がいるパーティーに行くかよ__」
「あれ?ノエル?久しぶりだね」
「……は?」
ん?ノエルどうしたの?何か様子がおかしい__。
「おい、アレン。俺は今勧誘をしてるんだ。邪魔するな」
「え、そうなの?遮っちゃってごめんね」
「元リーダー、そちらは?」
「あぁ、役立たずのお前と違って優秀な魔術師のアレンだ」
へー、まぁ前の子よりかは実力がありそうだね。
「兄さん__」
え?……この人がノエルのお兄さん?




