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 「カノン、お前もう要らないわ。」



「……は?」

「今日で脱退してもらうから、荷物をまとめて出て行け」


 目の前のリーダーは、何を言っているんだろう?ダッタイ?この私が?

 元々、頭は悪いと思っていたがこれほどまでとは思わなかった。


「ちょ、どういうこと?リーダー、ついに狂った?」

「俺をリーダーと呼ぶな、もうお前はメンバーではないだろう?」


 嘘の日(エイプリルフール)はとうに過ぎ去ったので、冗談ではないだろう。

 嫌、冗談にしても悪質すぎるのだが。


「じゃあ元リーダー、理由を聞いても?」

「……まず、お前はケガをしたメンバーの治癒もしないで後衛で突っ立っているだろう」


 魔術で相手のモンスターの一番得意な魔術属性を封じていたから動けないだけでしたが?


「まぁ、最近は普段の鍛錬のおかげで怪我をしなくなったがな」


 私が強化魔術かけたから、いつもより速く動けて回避できてるだけでしょ。

 当たっても、そっとやちょっとじゃ怪我しないって。

 なぜなら"この私が"掛けた強化魔術なんだから。


「それに、パーティーの金を好き勝手使っていただろう」

「許可はもらったはずだけど?」

「何もしないくせに魔力回復ポーションなど要らないだろう?無駄遣いだ」


 いやいやいやいや。

 最高峰の身体強化(バフ)でしょ?

 それでも怪我しちゃった時の治癒(ヒール)でしょ?

 追加のモンスターを警戒しての索敵(サーチ)魔術でしょ?

 相手の動きを悪くする身体弱化(デバフ)でしょ?

 極めつけに、相手の一番得意な魔術を封じるチート魔術まで使って、ポーション1日1本だよ?

 普通の魔術師だったら魔力切れで倒れてるよ?


「このパーティーがAランクになれたのもお前を除いた俺たちの実力だ」

「……へぇ、ちなみに私の使える魔術適性覚えてる?」

「……あぁ、そう言えばお前は魔術師だったな。使っているところをみたことがないが__使える魔術なんてあるのか(笑)?」


 そう、それが答えね。

 後ろで、メン__元メンバーがクスクス笑ってやがる。

 一人だけ焦っている女の子は見ない顔だ。私の抜けた穴を塞ぐ役割を担うのだろう。

 まぁ、軽く見積もっても私のほうが圧っ倒的に上かな。


 ……もういいや、その程度の実力で私の抜けた穴塞げると思われるほど、こいつらは、私の事を侮っているらしい。


 いいだろう。……こんなクソパーティー抜けてやる。


「後悔すんなよ」


 それだけ言い残して私はパーティーホームをでた。





***




 正直、私は魔術に人生かけてきたのでそれ以外は全部からっきしだ。

 冒険者をやめたら食べて行けないだろう。

 なので、ソロで冒険者をすることにした、のだが__。


「……暇だ」


 別にクエストを受けようと思えば受けれるし、出かけようと思えば出かけることができる。

 でも違う、違うのだ。

 私が求めているのは、暇な時間を簡単に埋め尽くせるほどの馬鹿騒ぎがしたいのだ。


 元々、根っからの大騒ぎ大好きマンの私が、ここまで我慢できた事に拍手だ。


「よし、メンバー募集しよう。この私がリーダーなんだ、人が来すぎて逆に困っちゃうかもしれないな」


 なんて想像も虚しく、集まったのは二人だった。


 1人は桜色の髪を高い位置でひとくくりにし、下から私を上目遣いで見てくる。

 本人に自覚はないのだろうが__身長が小さすぎて上目遣いにしか見えない。

 種族はドワーフだろうか?それにしては華奢だ。


 もう一人はさっきの低身長とは対照に、高身長でいかにも紳士って感じだ。髪は金髪でサラッサラ。

 口元には薄い笑みを浮かべていて逆に胡散臭い。

 種族は__天使族?それとも顔面が良いただのヒューマン?

 わからないが、女には困らなさそうな顔している。


 ちなみに私はヒューマンだ。


「えー、じゃあ面接をしていこうと思います」


「了解だ。なんでも聞いてくれ。答えられることは全て答えよう!」


「チッ、面接があるのかよ。それならそうとちゃんと書いとけや。楽に入れると思ったのによ」


 ……え?

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