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40/48

40:ルナのお尻。

「ルナは斥候、にゃびは……なんだこれ?」

「えっと……ロイドの従魔、斥候。ロイドの従魔、魔術師? そんな職業があるの?」

「おいにゃもこんなの知らないにゃあ」


 もしかして、冒険者に登録したことで変わったのか?

 ルナの方は、職業を選択する前にあった斥候が候補に入っている。

 にゃびは斥候と魔術師。だけど「ロイドの従魔」は固定のままなんだな。


「にゃび、二つもあるなんてずるい」

「ふにゃっはっは」

「ん? 転職するのには条件があるみたいだ」


 にゃびの転職候補に触れると、【スキルポイントを1消費します。よろしいですか?】という文字が浮かんだ。

 転職にスキルポイントが必要なのか。貴重なポイントなんだがなぁ。


「スキルポイントを消費して転職なんて……」

「にゃ~。でも1ポイントだけにゃよ。転職してレベル2以上あげれば元は取れるにゃ」

「確かに……そうね」

「どうする? 転職するかい?」


 二人は悩んだ末、ルナはインパクトアローをレベル5に斥候に転職した。

 にゃびは元々ポイントが1しかなかったので、転職して終了。




【名 前】ロイド

【年 齢】16歳

【種 族】人間

【職 業】見習い魔術師 レベル35 +


【筋 力】268+80

【体 力】268+80

【敏捷力】268+80

【集中力】268+80

【魔 力】268+80

【 運 】268+80


【ユニークスキル】

 平均化


【習得スキル】

『プチバッシュ レベル10』『プチ忍び足 レベル10』『プチ鷹の目 レベル1』

『プチ・ヒール レベル10』『プチ・ファイア レベル10』


【獲得可能スキル一覧】+


【獲得スキル】

『見習い職業時の獲得経験値増加 レベル1★』

『筋力プチ強化 レベル10』『魔力プチ強化 レベル10』『体力プチ強化 レベル10』

『敏捷力プチ強化 レベル10』


『プチ隠密 レベル10★』

『魔法操作 レベル3』


『プチ・スラッシュ レベル10』『プチ・バーストブレイク レベル10』

『プチ・アイス レベル1』『プチ・サンダー レベル1』『プチ・ロック レベル10』

『プチ・カッター レベル10』

『プリ・ファイアストーム レベル10上限★』『プチ・ロックウォール レベル10上限★』

『プチ・ブレッシング レベル10』


【ステータスポイント】0

【スキルポイント】19



*******●パーティーメンバー*******


【名 前】ルナリア

【年 齢】16歳

【種 族】兎人

【職 業】斥候 レベル1


【筋 力】41

【体 力】58

【敏捷力】216

【集中力】281+50

【魔 力】27

【 運 】33


【習得スキル】


【獲得可能スキル一覧】+


【獲得スキル】

『射速 レベル5』『標的認識 レベル5』『ツインアロー レベル10上限★』

『集中力強化 レベル10』『インパクトアロー レベル5』


【ステータスポイント】0

【スキルポイント】3


------------------------------


【名 前】にゃび

【年 齢】35歳

【種 族】ネコマタ

【職 業】ロイドの従魔・斥候レベル1


【筋 力】161

【体 力】89

【敏捷力】273

【集中力】57

【魔 力】249

【 運 】288


【習得スキル】

『月光の爪 レベル15★』『夜目 レベル10★』『忍び足 レベル10★』


【獲得可能スキル一覧】+


【獲得スキル】

『風のマント レベル10★』『紅い月 レベル10★』『鋭利な爪 レベル5』

『影 レベル10上限★』『肉球もみもみ レベル2』


【ステータスポイント】0

【スキルポイント】0




 俺のスキルが増えすぎたせいか、獲得スキル欄に整理機能が追加されていた。

 これで見やすくなる。

 職業はこのままで。

 転職可能一覧に、『見習い精霊使い』と『見習い召喚士』『見習い魔導師』が薄灰色の文字で出ているからだ。

 これもコポトから贈られた知識を、ステータスボードが解析して具体的な転職条件を表記したのだろう。

 その条件が、見習い魔術師のレベルが50に達すること──だった。


 たぶん他の職業でも同じ条件で、上位職に転職出来るはずだ。


「せっかく転職しても、暫くは街道を歩くしモンスターとの遭遇も滅多にないんだけどね」

「そうね。でも転職して困る訳でもないし」


 それもそうか。

 見習い戦士に転職しても、魔法スキルはいつも通り使える。

 ルナが斥候になっても、弓を扱えるだろう。

 斥候で弓を使っている人も、たまにだけどいるしね。


「それじゃ、ルナのお尻の具合も大丈夫そうなら、明日の朝出発でいいかな?」


 隣のベッドに視線を向けると、親指を立ててオッケーサインをするにゃびと、何故か顔を真っ赤にしたルナが──そっぽを向いた。


 ん?

 俺、なんかマズいことでも言ったかな?






 翌朝は早い時間から宿を出た。

 こんな時間でも町の露店通りは賑わっていて、昼に食べるものや水、遅くなった時のことも考えて夕食まで買い込む。


「空間収納袋だと、中で食べ物が腐らないってのが助かるね」

「美味しいお肉がずっと美味しいにゃんて、天国にゃ」


 食材だろうと調理済みの料理だろうと、袋に入れておけば腐らない。温かい状態で入れれば、それすら保たれているんだ。

 マジックアイテムって凄いな。


「ルナは何食べる? 好きなもの選んでよ」

「べ、別に……なんでもいいもん」

「なんでも? でも好き嫌いとかあるだろ? それにこんなに沢山店があるんだ。なんだって好きなもの選べるんだぞ?」


 彼女の顔を覗き込むと、一瞬目線が合って、それからプイっとそっぽを向かれた。

 顔が少し赤い気がする。昨晩のあの時のように。


 もしかして……


「ルナ、ちょっとごめん」


 二日間も馬車の中で、ずっと同じ姿勢。お尻が痛いだけじゃなく、体調が悪くなっていたって不思議じゃない。

 なんで俺はそんなことにも気づけなかったんだ。

 ごめん、ルナ。ごめん。


「熱は……」


 彼女のおデコに手を当ててみるけど、特に熱いとは感じないな。

 俺の手が温もってる?

 念のためおデコ同士をくっつける。


「うん、熱はないようだけど。具合が悪かったりしないか?」


 彼女を放してからもう一度顔を覗き込む。

 さっきより赤い!?


「な、なな、な、なん、なんでもないからっ。あ、あれ。私あれにするっ」


 何故か慌てた様子でルナは、超肉モリモリサンドと看板に描かれた露店へと駆けだした。

 そんなに肉、食べたかったのか。



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