第三章: 王家からの召喚と新しい道
イアンの病状はそれからもどんどんと進み、もうベッドから動けない状態になりつつあった。
俺はアリシアからもらった痛み止めを飲ませることしかできない。
けれどもイアンは聖女様の薬がよく効くと喜んでくれた。
ヘンリエッタにも他の治療法がないか聞いてみた。けれども、クーデルゲル病の痛みは普通の痛み止めなどでは効かないほど強い痛みなので自分には痛み止めすら処方できないというものであった。
知り合いの医師や薬師にも聞いてみたが残念ながら手の施しようはないという返事しか聞けなかったのである。
俺にとってはアリシアの護衛の時にイアンの薬をもらえるのが唯一の救いになってしまった。
護衛任務についているのにアリシアに慰められているようである。
アリシアは「ジャンが幸せな顔をしているのが私の幸せだから。」というのだが、どうしても公私混同気味になってしまう。
さすがの俺も神殿の聖女や聖女見習いは純潔を重んじることは知っているので、いくらアリシアが俺のことを「恋人よ」なんて言ったとしてもそれは冗談のうちにとどめておかなければならないという常識くらいある。
きっと孤児院のマセガキどもは「あーあ、だからジャンはヘタレなんだから」とか言いそうであるが、今回はヘタレであることが正解なんである。一線を越えるような愚か者はあの男爵みたいな変態しかいない。
そうこうしているうちに王宮から登城するようにという召喚状が届いた。
一週間後に王宮に行かなければならないらしい。
イアンに王宮からの知らせを持ってゆくと、その手紙を見てイアンはすうっと一筋の涙を流した。
指先はもう震えていたが、奥のクローゼットの方を指さした。そこには真新しい騎士服が飾られていた。
「イアン、これを着て王宮に行けばいいってことだよね。」
俺はその騎士服を着て、イアンの前に立ってしっかりとその姿を見せてやった。
服はあつらえたようにピッタリでたまたまやってきて部屋にいたシスターも「男前が一段上がったねえ、これならどこに行っても騎士として立派にやって行けるよ」とニコニコしていた。
俺もちょっと思春期だから反抗したいという気分がないわけではない。けれども空気が読める男でもある。だから「こんなすごい服を準備してくれてありがとう」という処世術くらいは発揮できるのである。
イアンに剣も新調した方がいいかと尋ねるとそれはそのままでいいということだったので他のものは代えずにゆくことにした。
♢♢♢
一週間が経って、予定の刻限に王家の紋章をつけた馬車が孤児院の門の前に止まった。
あれに乗ってゆかなければならないの?
アリシアが乗ってくる神殿の馬車には乗ったことがあるけれどそれより一回り大きな馬車である。
シスター・エレノアがすでに門のところに出てカーテシーをしていた。
俺もすぐに着替えてシスターの後ろに立つことにした。
女性のドレスの着脱には人手がいるが、男の服はサッと着替えられるのが利点の一つだろう。
馬車からは瀟洒な格好をしたイケメン男が出てきた。
彼はシスター・エレノアにお出迎えご苦労と手を振ると俺の方を向いた。
「はじめまして。君がエドワード・スペンサー・オブ・トゥーランでよいかな。」
そもそもイアンから言われたのはエドワードだけである。後ろの名前は聞いたこともない。けれども、ここで否定しても意味がないし知らないと言って恥をかくくらいなら黙って頷いていた方がいい。もし間違いだったとしても悪いのは向こうだ。
「私はマクシミリアン・ロイドという。この国の宰相をしているんだ。今日は国王陛下から君を王宮まで案内するように命じられたんだ。」
「よろしくお願いします」
「なかなか若者らしいよい返事だ。時に君がスペンサー家の嫡男であることを示すペンダントは持っているかい?」
俺は黙って首に下げていたあのペンダントを示した。
「ほう、これがそのペンダントなのか。私にはよくわからないが、王宮には君の叔父上も来ているからその真贋を見極めてくれると思う。」
俺は黙ってペンダントをしまった。
「イアン・マッカラム前騎士団長はお元気で?」
「いえ、クーデルゲル病のために伏せっております。」
「そうか。勇猛な騎士はあの病で命を落とすことが多い。マッカラム卿も国一番の騎士と言われていたからなあ。」
宰相閣下はやや嘆息した後、「では遅れても行けない。エドワード君、馬車に乗りたまえ。おうきゆ王宮に向かおう。」と俺を馬車に促した。
シスター・エレノアに「行ってきます」とご挨拶した後、俺は馬車に乗り込んだ。ロイド卿もその後に馬車に乗り込み、御者に「さあ、出してくれ。」と命じた。
馬車は走り出したが、普通の乗合馬車とは比べ物にならないほど快適な走り心地だった。
「時にエドワード君、君はあの勇者ケビンと共にイアン騎士団長の指導をされたのだって聞いているよ。」
「ええ。ケビンとはよく二人で打ち合っていました。」
「あの勇者の打ち込みに対応できるのかい?」
「そうですね。今はもう別行動になっているのでどうだかわかりませんが、子供の頃は二人で打ち合うことはできました。」
「君にはギフトはなかったんだよね。」
「ああ、私は過去の記憶がありませんから、ギフト検査の時には名前の欄が空白でギフトも読み取れなかったんだそうです。だからギフトは不明ということだったのですが、司教様が『ギフトなし』と宣言されたのです。」
「それでわかったよ。君のギフトについては「なし」という報告と「不明」という報告があってね。どちらが正しいのかわからなかったんだけれどやっと理解できた。」
「お手数をおかけしております。」
「いやいや。さあ、そろそろ王宮が見えてきたぞ。いた王今回は私的謁見なのでそんなに緊張する必要はないが、それでも王に謁見するのだ。王の機嫌を損ねると縛り首になるからな。注意するに越したことはない。」
思わず俺が「ウエエ」という表情をして脱出口を探そうとしたのが見えたのかもしれない。マクシミリアン宰相は笑顔になって「国王陛下は理性的な方だから非合理に国民を処罰される方ではない。だからと言って舐めるとキレることがある。普通に対応していれば大丈夫だよ。」
俺が少しほっとした顔をしたのを見て「まず謁見の間に入ったら頭を下げて王が頭を上げよというまではそのままでいなさい。また、王が御下問されたことだけに答えるように。いらないことをベラベラ喋ると王のご機嫌が悪くなる。」と宰相が忠告してくれた。
「あと、俺という言葉は下品だから使わないように。自分のことは私と言いなさい。」
流石に緊張しているのか自分ではコントロールできないくらいカッカとしている。
馬車を降りて宰相の案内で謁見の間に向かう。道は曲がりくねっていて迷路の中を歩いているようだった。
しまいに小さな扉の前に出てその扉を開けると小さいけれど豪華な調度品の置かれた部屋があった。正面には立派な椅子とカウチがある。
宰相はこの椅子の前、この辺りで跪いていなさいと細かく指示してくれた。跪いて頭を下げたので周りはよく見えない。
少しするとバタバタと足音が聞こえ、何人かの人間が部屋に入ってきたのがわかった。多分俺たちの入った扉とは別の扉に思われる。
少しすると部屋が落ち着いた雰囲気になり、正面から「エドワード・スペンサー・オブ・トゥーランよ、面をあげよ」という声が聞こえた。
ちらっと左右を見てぐっと顔を上げたら目の前の椅子に豪華な服を着たおじさんが座っている。比較的歳は若い感じだ。
「私はエドワード・スペンサー・オブ・トゥーランと申します。国王陛下、初めて御意を得ます。」と挨拶をすると国王陛下と思しき正面の椅子に座ったおじさんと宰相のロイド卿はにっこりとして頷いた。
国王陛下は「旧トゥラニア辺境伯領の前騎士団長イアン・マッカラムから其方がスペンサー家の嫡男であるという申し出が届いた。其方はその証を立てる必要がある。スペンサー家の嫡男である徴を余に示せ。」
俺は首にかけたペンダントを外し、進み出てきた宰相に手渡した。
宰相が王にそのペンダントを見せると王もそれを見て「ほほう」と反応した。
「今日はスペンサー家のヘンリーを呼んである。ヘンリーなら正しくその真贋を確認することができるであろう。」
横に立っていた痩せ型の男が進み出てきて「ヘンリー・スペンサー子爵にございます。失礼してペンダントを確認いたします。」と宰相からペンダントを受け取り繁々と眺め、やおら錐のような器具を取り出してペンダントに差し込んだ。するとペンダントが四つに開き、中にはライオンが向かい合っている紋章が現れた。国王陛下も宰相殿も感嘆している。
ヘンリー・スペンサー子爵は「これは我がスペンサー家の家紋にございます。つまりこのペンダントは真正のスペンサー家の嫡男の徴でございます。私もかつて兄のリチャードがこのペンダントをかけていたのを覚えております。」と言って涙を溢れさせた。
国王陛下も「そうか、それならばこの少年は正統なスペンサー家の嫡流であることを認めよう。まずは騎士として我が従者に任ずる。誰か、剣を持て!」
近侍の者が王の剣を持ってくると王は俺に跪くように言い、俺の背中をその剣の平で数回軽く叩いた。
「よし、これでエドワード、君はサー・エドワード・スペンサー。我が騎士だ。今後より忠義を求める。」
「はっ、国王陛下のために我が命、我が剣を捧げる所存です。」
「うむ、よろしい」
そこで国王陛下は緊張を解いて「まあ、儀式的なところはこれで終わりだ。で、エドワード君、君ももう直ぐ12歳だろう。その次の年には王立学園の入学年次になる。貴族の一員として君にも王立学園に入学してもらうことにした。」
「そんなお金はないのですが。」
「心配するな。そこのヘンリー卿は君のお父上の弟、つまり叔父さんだ。彼が君の学園生活の面倒を見ると言っている。」
俺は目を白黒しながら「あ、あの。王立学園は魔法教育で有名だと思いますが、私は魔法が使えません!」とつい言ってしまう。
国王陛下はニマニマしながら「そんなことは何の問題もない。貴族が学園に通う大きな意味は箔をつけることだ。これまで社交とは無縁だった君も学園に通えば同年代の貴族たちと人脈を作ることができる。トゥラニア辺境伯領の回復は一人ではできんぞ。多くの友人を使って力を合わせて旧領を回復して見せよ。あ、ワシの娘のテレジアも同じ学年で入学するから仲良くしてやってくれ。あはは」という。
「お父様!私は強さを体現している人がいいのです。たとえば勇者ケビン様のような。名前だけ貴族でも名前だけの弱っちい連中など不要ですわ!」
「あはは、テレジアは誰に似たのやら。まあ、エドワード君、君はそのケビンと同じくイアン・マッカラムの兄弟弟子だろう。うちの娘に強さというのを見せつけてやってくれ。」
国王陛下は楽しそうに笑っている。
テレジア王女は俺の方はプイと横を向いて目も合わせてくれないし、父親に向かってプンプン怒っている様子である。
どうすればいいんだ、俺はとハラハラしているとやっと国王陛下がこちらに気がついたようである。
「良い良い。エドワード君。今日はそこのヘンリーが君をもてなしてくれるそうだぞ。もう退出していいからご馳走でも食べてきなさい。」
俺はあっさりと退出させられ、初対面のヘンリースペンサー子爵のお家にお呼ばれすることになった。部屋の中ではまだ国王陛下とテレジア王女の掛け合いが続いている。
廊下を歩いていると後ろからロイド卿がやってきて俺の肩をポンと叩くと「よくやった。国王陛下もことのほかご機嫌のようだった。もう君は王の騎士なのだからこれからはきちんと励むように。」と謎のプレッシャーを与えて先を急ぐように俺たちを追い抜いていった。
ヘンリーさんは「お疲れ様。初めての王宮で緊張しただろう。けれども兄の血だろうね。普通ならばガチガチになるところをあんなに堂々と切り抜けてくれるとは思わなかったよ」と俺を褒めてくれたようだ。
そのまま王宮を出てヘンリーさんの馬車で移動することになった。
馬車に乗って少しゆくとこじんまりした瀟洒なタウンハウスが見えてきた。
ヘンリーさんに連れられて馬車を降りて玄関口に向かうと十人ばかりの使用人たちが集まってお辞儀をしてくれた。ヘンリーさんはその中で年嵩の男の人を俺に引き合わせてくれて、「ああこの人はベンジャミンだ。この屋敷の執事をしてくれている。何か困ったことがあったら遠慮なく相談してくれ」と言ってくれた。ベンジャミンも俺に挨拶してくれて「本家の坊ちゃんとお聞きしております。何かあれば遠慮なくお申し付けください」と言ってくれた。その次にもう一人ベンジャミンと同年代の女性を紹介してくれた。
「この人はメイド長のレベッカだ。この人にも相談してくれていい。」
「メイド長のレベッカです。メイドのことやお部屋のことで何かあれば遠慮なくおっしゃってください。」
こう言ってレベッカさんも俺に挨拶してくれた。
「さあ家の中に入ろう。」
玄関ホールに入るとブロンドの貴婦人と二人の子供がご挨拶してくれた。
「こちらが私の妻のディアナだ。上の子がランドール、今9歳だ。下の子がパトリシアで」
「お兄様、初めまして、ごきげんよう。私は今7歳よ。」
俺もちょっと嬉しくなって「上手にご挨拶できたね。」と褒めてあげる。
ランドールの方もライバル心を出したのか「僕はもっと賢いからお父上の喋っている間は黙っていたんだ。」と言い出した。奥さんのディアナさんは二人に「はい、お行儀はどうしたの?先生に教わらなかったの?」と言うと、2人は「はーい」と言って逃げ出してしまった。
ヘンリーさんは苦笑しながら「まだまだ子供でねえ。」と頭をかく。
「いえ、二人とも素直で明るくていい子だと思いますよ。」と俺が言うとヘンリーさんも「そう言ってくれて嬉しいよ」とにまっとする。ちょっと親バカなところがあるのかもしれない。
客室に案内されて一休みしたが、ヘンリーさんも家族も使用人もみんな気のいい感じで過ごしやすい家のようだった。
少しして夕食の案内が来たので着いてゆくと食堂に着いた。既にヘンリーさんの家族は着席していて、俺が来たのでさあ、みんな揃ったな。エドワード君はそこに触ってくれたまえ、と空いている席を指し示した。
俺がそこに座るとヘンリーさんは「天なる神よ。奇跡的にも我が兄リチャードの子エドワードをお示しくださってありがとうございます。死んでしまったと思っていた子供が生きていたという望むべくもない幸せに感謝の気持ちでいっぱいです。」とお祈りをして食事が始まった。
食事はまろやかな味付けで田舎風でもなく上品なものであった。
ヘンリーさんは「学園に通うならばウチから通ってもいいし、精一杯の援助はさせてもらうつもりだよ。」と言ってくれた。
もし俺がいなければヘンリーさんがスペンサー家の本家を継ぐわけだから俺がいない方がいいんじゃないかと思うのになぜ俺をこんなに歓待してくれるのだろう。
そう思った俺は「なぜ俺にこんなに良くしてくれるというのですか?まだまだお子さんを育てなければならないのに俺にそんなに財産を使うのはまずいんじゃないですか?」と直截的に聞いてみた。
ヘンリーさんはちょっと顔色を青くして言った。
「いくつか君に謝らなければならないことがある。一つはタウンハウスだ。」
どうやら本家のタウンハウスはここより何倍も大きいものだったらしい。辺境伯領でスタンピードがあった後、避難してきた元領民たちを支援するお金は当然足りなかった。国王は辺境伯のタウンハウスを売ることで領民の支援金を捻出しようとしたらしい。
タウンハウスを売ったことで元領民の生活が支援され、孤児院の子どもたちの生活も保障された。ギフト検査のお金もそこから出ているらしい。
ヘンリーさんの言うには俺が学園に行くお金も大部分はそこから出ることになるらしい。
「領民の生活を支えるために売ったのならタウンハウスも有効に活用できたと言うことじゃないですか。謝るところなどないでしょう。」
「いや、本来はあのタウンハウスは君のものだ。それをやむを得ない事情とはいえ、私が売って国王がそのお金を使っちゃったと言うことは間違い無いからね。本来の相続者にこそその権利があるべきなんだよ。」
「私がヘンリーさんと国王の決断を支持するとそういえば解決する問題ですね。」
「そう言ってくれると助かる。」
「他には何があるんですか?」
「いや、これはその、私は剣術がからっきしでねえ。けれども国王陛下はスペンサー家にあの魔獣に滅ぼされた領地を回復してもらいたいそうなんだ。で、私は国王陛下から逃げ回っていたというわけさ。国王陛下が諦めて別の人に魔獣退治を命令するまで逃げ回るつもりだった。」
「そこに私が現れたということですね。」
「ああ。イアンの手紙ではもう君はイアンの免許皆伝らしいじゃないか。僕にとっては天の恵みという他はない。」
ランドールが「イアンってだあれ?」と聞く。
ヘンリーさんは「我が父エラドールの騎士団長だった男だよ。国中で一番強い騎士だったんだ。」という。
「そんなすごい人だったんだ。」
「ああ。僕も小さい頃イアンに剣術を仕込まれたんだ。でも途中で挫折した。兄のリチャードは結構頑張っていたけれど、僕は剣術から逃げるために勉強して王宮で文官になることにした。僕は意気地なしの弱虫だったからあのスタンピードの時に王宮にいて助かっただけなんだよ。」
「私たちの中でもイアンの剣術に最後までついていったのは私とケビンだけでしたからね。他の人はみんな途中で挫折したんです。」
「え、ケビンってあの勇者ケビンのこと?」
パトリシアが聞く。
「そうだよ。ケビンと私はずっと二人で剣術の稽古をしていたんだ。」
「それってエドワード兄様も勇者みたいに強いってことなの?」
「それはわからないなあ。ケビンは魔物退治をどんどんこなしているけれど私は薬草採集の護衛ばかりだからねえ」
「ははは。パット、エドワード君は今日、王様から騎士の叙任式を受けたんだよ。実はエドワード君はもうサーなんだよ。」
「ああ、それってかっこいい。僕も早く強くなってエドワード兄様みたいに騎士になりたいな。」
「ランディ、それなら勉強と剣術の稽古だ。エドワード君は王様との謁見できちんとマナーに沿った振る舞いをしたよ。王様が彼を騎士に叙任した時に誰も反対しなかったんだ。歌詞とはそうあるべきなんだけれどね。」
「ほええ、僕、頑張るよ」
「ヘンリーさん、褒めすぎです。」
「いや、もう僕にとっては人生の一大事が解決したんだからね。エドワード君、君にはいくらでも協力させてもらうつもりだ。もうウチを我が家と思って住んでくれていいんだからね。」
「イアンが病気なのでその看病があるんです。その後でならお話ししましょう。」
「ランディ、わかるだろう。騎士とはこうあるべきなんだ。
「すごい。エドワード兄様こそが僕の理想だ。」
俺は一晩ヘンリーさんのタウンハウスに泊まって翌日帰宅した。