第57話~最終鬼畜勇者育成計画~
さあ前話までのしんみりな雰囲気をぶっ壊せ!
ギャグがかけると思うと み な ぎ っ て く る !!
「私と、もう一度勝負してください」
リリアが真剣な眼差しでこちらを見る。
どうやら、遊びとかじゃなく本気でやりあいたいそうだ。
リリアと勝負しますか?
→はい
いいえ
さてどちらを選ぼうか。リリアの意見を尊重してはいにすべきか?それとも面倒だからいいえにすべきか。
・・・・・・。
リリアと勝負しますか?
はい
→いいえ
座っていたソファからゆっくりと立ち上がり、リリアの目を見て言う。
「だが断わ「断ります」・・・・・・」
笑顔で断ろうとしたが、逆に断られた。あるぇー?
「だがこと「断ります」」
・・・・・・。
「だがこ「断ります」」
「だが「断ります」」
「だ「断ります」」
「d「断ります」」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「だが「断ります」
・・・・・・神よ、お前はよっぽど俺が嫌いらしいな。まさか強制イベントとは思わなかった。
しかしリリアよ、そこまで強く否定しなくてもいいだろ?心のライフはもう0だぜ・・・・・・くすん。
べっ、別に泣いてなんかいないんだからねっ!視界がぼやけてるのは多分目の使いすぎなだけなんだからっ!
・・・・・・欝だ。まさかセルフツンデレがここまでキモいとは。
立ち上がってすぐorzの姿勢になった俺にリリアが疑問の眼差しを向けてきた・・・・・・気がした。
「で。結局俺はどうすればいいんだ?」
「だから私と勝負してくださいと言ってるじゃないでs「だが断る」断ります」
ようやく立ち直れたと思った矢先にそれか!容赦ないな。
「・・・・・・やりゃあいいんだろやりゃあ!・・・・・・くすん」
あ、また視界がぼやけて・・・・・・ないんだからねっ!
「所でリリア」
「何ですか?」
結局勝負する事になってしまったらしいので、仕方なく広い場所へ移動する。
俺はいつも通り銀を刀へ変化させ、リリアは自分の身長の半分ほどの両刃の剣を持っている。
「――――――そんな装備で大丈夫か?」
「――――――ふっ。大丈夫です、問題ありません」
おい。そこは『一番いいのを頼む』だろ?それじゃ死亡フラグだ。
「まあいいや。地上に降りて即座にコンティニューにはなるなよ?」
「はい?」
おっと。流石に分からんか。
今の言葉の意味を考えているリリアだが、それは俺にとって隙でしかないぞ?
「いい事を教えてやろうリリア」
「っ!」
リリアには見えないであろう速度で近づき、無防備な腹へ拳を突き出すが、咄嗟に反応したリリアが剣でガードする。
「勝負とは、例え卑怯な手を使ってでも勝つのが俺のスタイルだ」
次の瞬間、リリアがふっ飛んだ。
いや誇張とかじゃなくてマジで。本気と書いてマジで。
何が起きたか分からないだろう?いやあの一瞬で分かられたらこっちは若干凹むんだけどね。
「今のは一体・・・・・・!?」
「おらぁもういっちょ行くぞ!」
今度はジグザグに、尚且つ反応出来ない速度で近づく。ちらりと後ろを見ると、あまりの速さに残像が出来ていた。俺すげえ。
「フタエノキワミ、アッ――――――!」
再び拳を腹へ突き出し、リリアがそれを剣で防御。しかし弾き飛ばされる。
これぞ奥義『二重の極み』。
二重の衝撃波によって敵を吹き飛ばす技。ダメージはそこまである訳ではないが、怯ませる事は出来る。
拳が剣に当たった瞬間に最初の衝撃波が。ただしこれは剣で防がれる。が、剣を通り越してさらにもう一つの衝撃波が発生したので、結果リリアは吹き飛んだという事になる。ね?簡単でしょう?
「『ファイアーランス』!」
未だ空中にいるリリアに対して、炎で出来た槍を創り出し、それを投げる。
「っ!はっ!!」
飛んでくる炎の槍に対し、リリアは手に持った剣で一閃。すると、炎の槍が真っ二つに裂けた。うわすげえ。
空中で回転しつつ両足から着地し、こちらに向かって走ってくるリリア。
「面白い。迎え撃つ!」
「はあっ!!」
剣を頭上に振りかぶり、そのままこちらに向けて振り下ろすリリア。
それを刀で受け止める。
「ふぅん、少しは出来るようだな。だが――――――」
余った手に魔力を込める。と、手に炎が纏わりつく。
「かわせるか?『火龍拳』!」
「うわったっ!?」
刀を両足で押し、その反動で後方へ下がるリリア。惜しくも放った拳は空を切っただけに留まった。
「さって。こちらもそろそろ本気を出させてもらおう」
ただし、出せる限りの本気である。
『全力』なんてやってみろ、この学園がただの盆地になるぞ?
透明なオーラのような魔力を身体に纏わせる。最近あまり練習してないので上手く扱えるか結構心配だが、まあ短時間なら大丈夫だろう。
実はこの魔力を纏わせるのはとても難しかったりする。
集中していないとすぐに魔力が空気と混ざり合ってしまうためだ。理由は分からん。
が、これが成功すると身体能力が格段に上がる。
具体的に言えば、1トンまでの物しか持ち上げられなかったのが、5トンまでの物を持ち上げられるようになったり。
「空気が・・・・・・変わった?」
リリアがそんな事を呟く。
そういえば、さっきから空気がビリビリと振動している気がする。恐らく俺の魔力のせいだろう。
「これが見切れたら『見切った!』と言ってくれ」
言葉を発すると同時に、リリアの後ろへ瞬時に移動する。
「いつの間に・・・・・・!?」
リリアが慌てて振り返ろうとするが、もう遅い。
「てゐっ!」
「あうっ」
リリアの持っていた剣を刀で遠くまで飛ばし、額にチョップを食らわす。
「ふっ。まだまだ甘いのう?」
「この終わり方は納得がいきません・・・・・・!」
額を両手で押さえてしゃがみ、若干涙目でこちらを見てくるリリア。
あのさ、俺だって男だし、いくらいじられ役・・・・・・ゲフンゲフン。女の子を殴るのは心が痛いんだぜ?
「納得がいかないのなら、もう一回やるか?」
「あなたに勝てるまでは何度でも」
やれやれ。随分と気長な人だ事。
そう思っていると、
「・・・・・・ありゃ。魔力飛んでっちまった」
集中が切れたからだろうか、身体に纏わせていた魔力がなくなっていったのが分かった。
「・・・・・・ん?」
それと同時に、大きな喪失感と倦怠感。さらに眠気がプラスされて襲い掛かってきた。
「・・・・・・あっらー?」
世界が傾き、半身に硬い何かが当たった感覚がしたので、地面に倒れたのだろうと理解する。
『ちょっ・・・・・・リュ・・・・・さ・・・・・・!』
リリアが何か叫んでいる。うまく聞き取れない。
やがて瞼ががゆっくりと落ち、意識が闇の底へ沈んでいった。
あとがき&元ネタ解説!
あとがきに特記事項はなし。じゃあ元ネタ解説いきませうか。
「そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
ようやく元ネタが分かったもの。『エルシャダイ』で検索すれば出ます。
PS3のゲームなのですが、発売前なのにかなりの量のMADがありました。どんだけ人気なんだ。
「フタエノキワミ、アッ――――――」
るろ○に剣心より。海外版のアニメか何かでしょうかね。
他に代表的なのと言えばヒテンミツルギスタイル!からのお取り寄せええええええ!!でしょうかね。