第54話~不死身って怖いよね~
「ぜぇ・・・・・・はぁ・・・・・・やったか?」
もくもくと煙が辺りに立ち込める中、ミノタウロスを倒したかどうかを確認する。
ミノタウロスが倒れていたであろうクレーターの中心部には、ミノタウロスはいなかった。まさか原形すら残さないで殺ってしまったのだろうか。
○ナルドは嬉しくなるとつい殺っちゃうんだ☆
そんな台詞が某教祖様の声と共に脳内再生されたが、俺はそこまで非人道的ではない・・・・・・と思う。
しかし、近くにミノタウロスは見当たらない。まさか本当に殺っ・・・・・・いやいや、そんな事はないだろう。多分。
そんな事を考えていると、空が曇ってきたのか、辺りが急に暗くなった。このまま雨が降るオチではなかろうな。
そんな事を思いつつ、空を見上げてみると、
アッ―――――な人もびっくりな巨大な斧を振りかぶり、今にも俺目掛けて振り落とさんとするミノタウロスがそこにいた。
「・・・・・・なん、だと」
斧が振り落とされ、地面に巨大なクレーターができ、それと合わせて粉塵が周りに広がった。
一方その頃、取り残されたリリア氏はというと。
「・・・・・・」
何やら考え込んでいる様子。あ、ここは三人称視点・・・・・・つまり、誰からの視点でもないという描写になっております。
じゃあお前誰だよって?こまけぇこたぁいんだよ!
「・・・・・・よし」
っとと、漫才している場合じゃありませんね。リリア氏が動き出しました。1カメ!顔をズームで撮って!
「やはりリュウキさんが心配です・・・・・・急いで追いかけなければ」
なるほどー。将来勇者を目指すだけはあって、正義感はバッチリ持ってますね。
でも大体こういう人って気合が空回りしてトラブルを起こすという法則がゲフンゲフン。
おっと、リリアさん走りだしまs・・・・・・ちょっ速い!速いって貴女!カメラ追いつかないから!
「・・・・・・っぶねぇ。危うく潰れたトマトになる所だった・・・・・・」
先ほどの兜割り(当たったら本当に頭が砕けそうな威力なため)をギリギリで横っ飛び回避し、見つかりづらい建物の隙間に隠れ、様子を窺う。
先ほどフルボッコされた怒りか、攻撃が当たらなかった事へのイライラかは分からないが、そこら中の建物という建物を片っ端から壊していくミノタウロス。まさに無双。いや、建物相手に無双されても・・・・・・。
『あんなに滅茶苦茶に武器を振り回されては近づけませんよ・・・・・・どうしましょう、主』
『ハッ!ビビッってんじゃねェぞ。あんな大振りな攻撃、パターンさえ見極めれば簡単に避けれるじゃねェか』
銀が滅茶苦茶な攻撃だって言ってんのにパターンなんてあるか!この鬼!
とは言いつつも、魔法を使うならバレないよう一撃で倒さないといけない。ここがバレたら今粉々に砕け散った建物のようになるのは俺だし。
ちなみに豆知識として、魔法は使う者の魔力によって威力が上下する。これは以前も言ったような記憶あり。無ければスマソ。
さらに最近分かった事として、これに更に魔力を加える事が出来るという事がわかった。
かなり前の話になるが、俺の魔力は神とやらを越えるらしい。そんな魔力で魔法を放てば人なんて木っ端微塵だろうが、このミノタウロスは身体が頑丈らしく、ちょっとやそっとでは倒れてくれない。
自分の魔力だけじゃ足りない。ならどうすればいいか?
答えは簡単。周りの魔力を足せばいい。
この世界は魔力が空気みたいなものらしいので、それを魔法に加える事が出来れば威力は激増するだろう。
ただ、この空気から魔力を取り込む技術はかなり難しいらしく、まだ二、三人しか完成できてないとの事。
まあ、そんな難しいならやらなければいいだけで。
結局、頼れるのは己の腕と銀・・・・・・もとい、一振りの刀だけである。
刀と言っているんだから接近しなくては効果がない。かといって少しでも近づけばこちらがデストロイされる。さてどうしたものか。
俺があーでもないこーでもないと色々考えていると、
『――――――!誰か来るぞ』
白俺が突然そんな事を言い出した。お前はニュー○イプか何かか。
こんな危険地帯に来る人なんて・・・・・・なんだ、ただの自殺志願者か。
そんな事を考えていたが、
その自殺志願者が知っている顔だったので、俺は思いっきり目を見開いてしまった。
「本日二度目のなん・・・・・・だと」
そう。
その自殺志願者とは。
「リュウキさーん!どこですかー!・・・・・・おかしいなぁ、確かにここら辺からリュウキさんの魔力が感知できたんですが・・・・・・」
自称俺のご主人様にして俺よりも弱いという哀れなツッコミ常識人。
リリアであった。
感想で「元ネタがわからない」という言葉を数多く(元々感想少ないから多くではないですが・・・・・・)頂きました。
これはまずい。何とかしなくては。とりあえずあとがきに今回使ったネタの元を載せるということを思いつきました。ちょっとやってみるテスト。
「なん・・・・・・だと」
ブ○ーチの某ちびっ子隊長。あのキツい目つき嫌い。あ、関係ないですね。
「嬉しくなると、ついやっちゃうんだ☆」
某ファーストフード店の黄色いピエロ。一部の人からは「教祖様」と言われているが、私には理解できない。
「アッ――――――」
やらないか。ウホッ、良い男!・・・・・・元ネタ解説になってないorz
「○ュータイプ」
頭にキラーンと一筋の光が走るアレ。赤くて通常の三倍のやつだったり、親父にもぶたれた事のないやつだったりが習得しています。
いかがでしたでしょうか?
もし不具合などがあれば即座に編集する予定であります。