第45話~語るも恐ろしいアイツが異世界にやってきたそうです~
「いいお湯でした、と」
いやあ、ここはとても素晴らしい場所だ。
おっと。急にこんな事言われても分からんか。
この学園、何とお風呂があるのだ。朝早い時間だったので誰もいなかったが。
「・・・・・・お?髪戻ってる」
ふと見ると、髪が白から黒に戻っていた。やっとか。
「・・・・・・?」
不穏な気配。まるで誰かがこちらを見ているような・・・・・・。
コッソリとカノン(弾はゴム弾)を取り出し、視線を感じる方向へ向けて撃つ。
「いだっ!?」
命中。誰かの声。
「・・・・・・今なら半殺しで済ませてやろう。正体を現せ」
観念したような顔で出てくる一人の少年。
手にはとても古くさいカメラ。
「えっと・・・・・・」
この世に絶望したような表情で何か言おうとしたが、すぐに口を閉ざす。コイツは何がしたいんだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・よし。死ぬ覚悟は出来たな?」
「ちょっ、ちょっと待ってくださいって!!別にやましい気持ちがあった訳じゃ・・・・・・!!」
だろうな。野郎が野郎の裸見て何が面白いんだ。
ちなみにさっき視線を感じたあたりで0.01秒くらいで着替えておいた。幸い手に持っているカメラで撮られた訳ではないみたいだ。
「・・・・・・で。お前は何がしたかったんだ?」
「・・・・・・」
黙秘。
「・・・・・・分かった。俺を撮らせようとした奴は誰だ」
「・・・・・・!!」
黙秘。
「・・・・・・よし分かった。ならばお前の身体に直接聞くとしよう」
四次元ポケットから妖しい色をした鞭を取り――――――
「筋骨隆々のカメラを持ったメガネの男性に脅されました」
――――――出す前に白状されてしまった。何だつまらない。
「・・・・・・チッ」
「ちょっ、今舌打ちしませんでした!?しましたよねぇ!?」
「コイツ使った事なかったし、試し斬りでもしようかと・・・・・・ゲフンゲフン」
「試し斬り!!?え、それ刃物なんですか!?」
わーわーと喚く少年。いいじゃない別に。
「とりあえず、お前を脅した奴と最後に会った場所を教えろ」
「なるほど。お前か、アイツを脅したと言うのは」
「やあ!僕は富○。フリーのカメラm「さっさと元の世界へ返れ(ゴスッ)」アッ――――――!!」
後に見つかった○竹の死体は、それはとても無惨だったという。