第35話~潜入~
このサブタイトルで某蛇がかくれんぼするゲームが思い浮かんだ人、私と気が合います。多分。
「さって・・・・・・これで何度目かな。ここに来るのは」
『そうですね。だいたい4度目になります』
結局報酬は銀貨20枚で手を打った。これでもけっこうな大金だ。
「いい加減見つけないとなー。ルイーダさんに怒られるかもなー」
期限は一週間。あれから三日くらいたったから、後四日である。
「見つかるといいなー手がかり」
「・・・・・・・・・・・・ん?これ何ぞ」
再び家捜しをしていた時の事である。
何かキラキラ光る石を見つけた。
『うーん・・・・・・それは転移石ですね』
この石に魔力を込めると、石が長く置いてあった場所に移動できる、というものらしい。
『もしかしたら例の失踪者が関係してるかもしれませんね』
「まあ、他に手がかりもないし。使ってみるか」
『もしかしたら世界の裏側につながってるかもしれませんよ?』
「裏側くらいなら一日で戻ってこれるぞ?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
黙りこむ銀。え、俺何か変なこと言った?
「まあいいや。使ってみる。・・・・・・石よ、我を導け!!」
ちょっと言ってみたかっただけなんだ。誰だ中二病とか言った奴。
カッ!!
「ぬおっ」
突然石が輝きだす。
『主が変なこと言うから石が怒ったじゃないですか!!』
「何が変なことだ!!俺だって言ってから後悔したわ!!大体――――――」
視界がブレる。部屋がぐにゃりと曲がる。
「――――――お?」
次の瞬間。
視界ががらりと変わった。
「・・・・・・・・・・・・おお」
見渡す限り岩、岩、岩。たまに石。あと水。ついでにコウモリ。
いつの間にか、よくある洞窟のような所に来てしまった。
「・・・・・・お、看板がある。
近くに看板があった。が、文字がうすれていて読みづらい。
「んっと、『はや・・・・・・る・・・・・・な』。はやるな?」
『主。早まるな、とは読めませんか?』
「ははは・・・・・・まさかね」
どうしてこんな所に樹海の前にあるような看板があるんだ。
「まあ、進むしかないか」