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第34話~依頼~











 学園長の娘が消えた。



 学園内ではこの噂で持ちきりだった。


 ある者は悲しみ、ある者は喜び。中には捜索隊を出す者もいた。




 




 そんなこんなで、失踪してから2日程たった後。













「んー・・・・・・何もないなやっぱり」


『でも確かにアリスさんはここで消えました。やっぱり何か仕掛けがあるのでは?』


 現在、またもや学園長室にて銀と一緒に捜索中。



「あー・・・・・・ったく、俺は頭使うのはあんま好きじゃねーんだよ・・・・・・」



 ぐだぐだと言ってても何も始まらない。再び探す。


 ~しばらく音声だけでお楽しみください~


「ヴぁー・・・・・・ねーな・・・・・・」


『主、あちらはまだ探してないのでは?』


「あーそっちね・・・・・・はいはい」



 ~もうちょっとだけ音声で~



「こっ!これは・・・・・・!!」


『主?何かあったのですか?』


「お約束のエロ本だ!!」


『・・・・・・・・・・・・主』


「ごめん。まじめに探すわ」






 そんなこんなで1時間。





「あ゛あ゛あ゛あ゛!!何もねー!!」


 龍稀、半分発狂。


『う~ん・・・・・・無いですね。何も』


「イ゛エ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」


『その前に、主を何とかしないといけないですね・・・・・・』






















 


 諦めた。









 所変わって、ここは廊下である。


「結局何もねーじゃねーかー・・・・・・」


『やっぱり何かギミックのようなものがあるのでしょうか・・・・・・』


「○ミック?」


『主。それは聞き間違いでも辛いです』


 ごめん。今半分脳死んでんだ。



「あのー・・・・・・」


「あ゛あ゛ん?」


「ひうっ・・・・・・あの、リュウキ・カグラさんですか?」


 何か会って早々びっくりされた。何かしたかな俺。まあいいや。


 話しかけてきたのは、どこにでもいるようなちょっと気弱な女子高校生といったところか。まあ容姿とかはめんどいので割愛。


「あー・・・・・・一応俺がリュウキだけど。何か用?」


「えっと・・・・・・お願いがあるんです」


 そう言って頭を下げた・・・・・・名前とかめんどい。学園生Aでいいや。


学園生A「それは扱い酷すぎませんっ!?」



 もう遅い。























「で。何で私の部屋に連れてきたんですか?」


「気分に決まってるだろ!!」


「何故そこで逆ギレ!?」


「そんな大声出すなよ。ビビッるじゃないか」


「最初に大声出したのはあなたですよねえ!?」


 うるさい。現在進行形でお前が大声出してるじゃないか。


「さっさと本題入るぞ。用件をどーぞ」


「はいっ・・・・・・私の友達を助けてください!!」


 またもや頭を下げる学園生A。


「友達、ね。どうせ失踪したとかそこら辺だろ?」


「失踪!?」


 何故そこに突っ込むんだリリア。


「はい・・・・・・二日ほど前から姿が見えないんです。お願いします!助けてあげてください!!」


「報酬は?」


 これは俺だ。


「わかりました!ってリュウキさん!?」


 こちらはリリアだ。


「本当は隠しておきたかったんだけどなー・・・・・・。まあ、一応俺はギルドに入ってるんでね。正式な依頼としてなら助けに行こう。で、報酬は?」


「ちょっ・・・・・・リュウキさん!!」


「えっと・・・・・・これくらいなら」


 そして何か紙のようなものを渡してくる。恐らく報酬の額が書いてあるのだろう。


 一瞬、誰にも分からないようにリリアに目を向け、誰にも分からないようにため息をつく。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダメだな。少なすぎる」


「・・・・・・リュウキさん、あなたって人は!!」


「何だよ?だって大切な友達を救ってほしいんだろ?もしかしたら俺は死ぬかもしれない。だから金額を高くしたんだ。文句あるならどーぞ」


「・・・・・・・・・・・・私はあなたを見損ないました!!」


 そして出て行くリリア。やがて足音が聞こえなくなる。


「はぁ・・・・・・さて、商談の続きだ」


「えっ・・・・・・ダメだったのでは?」


「あんなもん、アイツを出ていかせるための嘘だよ。嘘」


「なんでそんな・・・・・・」


「さっき、お前が助けて欲しいと言った時アイツは何て言った?今すぐにでも行かんばかりの返事だったろ?何の準備もなしに行ってみろ、下手したら死ぬかもしれない」


「それは・・・・・・」


「それにさ。ああいう直情型に限って、突っ走って罠にかかって死んだりするわけよ。目の前で誰かが死体になるのはごめんだね。だから出て行ってもらった」


「そうですか・・・・・・」


「そう。さて、報酬の話をしようか」


「あなたは・・・・・・優しいんですね」


「ゲほっ」


 思いっきりむせた。


「・・・・・・俺は優しくなんかない」


「でも、さっきあの人を怒らせて出て行かせたのは、あの人を守るためだったんでしょ?なら、あなたは優しい人です」


「まあ、一応住む所もらってるし、まだそれの恩返してないしさ」


『素直じゃないですね、主』


「その銀の毛並みを全てピンク色にしてやろうか?銀」


『ごめんなさい。調子にのりました』


「・・・・・・まあ、いいや。でもな、これだけは言っておく」


 立ち上がり、言う。


「俺は、優しくなんかない。例え目の前で人が死にそうでも、俺に関係のない奴ならそのまま見捨てる」



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