第102話~一周年記念!でもストーリーは続く~
ふと気づけば一年がたっていました。
一年前はただ勢いと中二病に任せて書いていただけのこの小説。
今となっちゃあちゃんとした読者様がついて、感想がついて、絵も描いてもらって。
なんだかしみじみとしてしまいますね。ああ、ここまでやってこれたんだなって。
その割にはネタとか全く考えていませんですがね。
誰だもう一年過ぎてるよとか言った奴。後で校舎裏へ来るように。
「・・・・・・あ」
「・・・・・・お」
朝。なんとなくリリアと顔を合わせづらい。
「・・・・・・え、と」
「・・・・・・おう」
それにプラスして、なんとなく会話しづらい。何この空気。
「リュウキさん」
「なんぞ」
「昨日のアレは・・・・・・そう・・・・・・私の意志じゃないんです。ガイアがささやいたんです」
「そうか。ガイアがささやいたんならしょうがないな」
「しょうがないですよね。あはははは・・・・・・」
「はははは・・・・・・」
そこまで会話してから、しばし沈黙。
「「・・・・・・oh」」
そんな朝の会話であった。
さて。一つ質問がある。
落ち着かない時や何か失敗した時どうする?
落ち込む?どこかへ逃げる?やり直す?まあ、色々あるか。
ちなみに俺の場合だが、
「ぐあああああああああ・・・・・・! なんだあの空気! 耐えられん! 誰か空気クラッシャー呼んで来いよおおおおお!!」
高い所で叫びながら悶える。この場合は時計塔の上だ。
変人とか言った奴、後で吊るしてカラスの餌にしてやろうか?
「ぐぬぬぬぬぬ・・・・・・ふう」
よし落ち着いた。ここから先は紳士モードで行くぜ。
『え、と・・・・・・お帰りなさい?』
銀から疑問交じりの声。
「ただいま。もう大丈夫だから。色々と」
そう応えると同時に、ポケットから素早くナイフを取り出し死角へ投げる。
ナイフは一直線に飛んで行き、途中で何かに遮られたかのように弾かれ地面へ落ちた。
「・・・・・・で。いつからそこにいた?」
振り返りながら、銀を刀へ変化させる。
ナイフが弾かれた場所から誰かが現れる。
まあ、言わずもがな悪魔なんだけどさ。また迎えに来たとか言うのか?
「無理な勧誘なら断るぞ。魔王同好会とか興味ないからな?」
「ならば力ずくでも連れて行くだけだ」
・・・・・・へえ。力ずく、ね。なんて手荒な奴だ。
悪魔が突然俺の目の前から消える。素早く辺りを見回すが、近くに悪魔の姿はない。
だったら――――――。
刀を居合いのように構え、目を閉じる。
瞬間、静寂。そして世界から色が消える。
俺を中心とした白い円が広がる。これが俺の居合いの範囲。
白い円に、黒い何かが入り込む。
黒い何かは素早くこちらの懐へ潜り込み、拳を顎に向けて真っ直ぐ打ち上げる。
しかし、それが届くことはない。
瞬時に刀を黒い何かへ向けて振る。
顎へ届くはずだった拳は空中をくるくると回転しながら、白い円の外へと出て行った。
音は聞こえないが、黒い何か――――――悪魔が、片腕を失くした痛みで苦しみに悶えている。
目を開け、ちゃんと世界に色が戻ったのを確認した後、その場から後ろへ下がる。
「――――――で? どこがどうやって力ずくだって?」
やや離れた位置で右腕を左手で抑えている悪魔に向けて質問。
「くっ・・・・・・!」
悪魔の唸る声。
「まだ死にたくないなら今すぐここから離れろ。そんでもう二度と来んな」
刀についた血を払って飛ばし、元の姿へと戻す。
「さあ選べ。今ここで死ぬか? それとも生き延びるか?」
地面に倒れている悪魔を見下ろしながら、そう問いかける。
「・・・・・・覚えていろ・・・・・・!」
恨みのこもった様な声でそう言った後、悪魔は地面にずぶずぶと沈んでいった。
「・・・・・・ふう」
その場に胡坐をかいて座り込む。
「・・・・・・めんどくせ」
わらわらと、そりゃもうゴキブリのごとく現れる悪魔達。
俺が行くと言わない限りは一生来るのだろうか。うざったい。
「だからって行ったらなあ・・・・・・」
ふと頭の中にリリアの顔が思い浮かぶ。
・・・・・・ただし、目が笑っていない。顔だけで笑っている。
瞬間、背筋に寒気。
「あの顔のリリアが待ってると思うと・・・・・・行けないよなあ」
どちらにせよ摘んだ気がするのは気のせいだ。うん。きっと。信じたい。
『主、目が泳いでますけど・・・・・・』
大丈夫。まだ大丈夫。
『大丈夫な人の顔してませんよ?』
・・・・・・アレだ。お前疲れてるんだよ、きっと。
「・・・・・・死にたい」
『主。顔が本当に危険な事になってるんですが・・・・・・』
時間は変わり夜。
今日だけで悪魔の襲撃が七回。どいつもこいつも撃退したけど、ね。ちなみにリリアには一度も会ってない。
現在ベンチに座って休憩中である。
「・・・・・・死にたい」
『主。その言葉、今ので十七回目です』
あ、数えてたんだ。そんな言ってんのか俺。
「ったく・・・・・・下っ端ばっかり送らないで少しは大将が出てきてもいいだろうに・・・・・・」
ため息混じりにそう呟く。
そして、瞬時に銀を刀へ変化させ、『誰もいなかったはず』のベンチの空いた場所へ突き出す。
「――――――あんたもそう思うだろ?」
そこにいたのは、黒い何か。
辺りが暗いせいでよく見えないが、人型であるのは分かった。
「・・・・・・また悪魔か」
しかしこの悪魔、いつの間に隣に座ったのだろうか?全然分からなかった。
「・・・・・・我を悪魔と勘違いしないでもらおうか?」
低い、男の声。
それが響くと同時に、俺はベンチから全速力で離れた。
瞬間、ベンチが弾ける。
「おいおいおいおい・・・・・・何ですかあんたは」
ベンチが、突如現れた黒い穴に吸い込まれていった。
「我か?」
その言葉は、背後から聞こえた。
咄嗟の判断で、振り向きながら刀を横に振る。
――――――しかし、そこには誰もいない。
「我は魔王――――――」
やや離れた位置に、あの男がいた。
「我は魔王。全てを統べる魔の王なり――――――」
魔王と名乗った男の周りに、いくつもの黒い剣が浮かび上がった。
様々な複線を回収もせず、ここからラストまで突っ走ります。
え?回収しろって?もうどんなフラグになるのかすら覚えていない複線を回収しろと?
・・・・・・ごめんなさい。本当にごめんなさい。更新サボってごめんなさい。あ、そっちじゃないのか。
どうしてもやりたくなったゲームがあったんです。ファンシーとかテイルズじゃないです。世間から言えばもっとマイナーなものなんです。
・・・・・・クラシックダンジョンx2。
・・・・・・まあ待て。まずは落ち着こうじゃないか。だからその手に持ってるロケランはおろして下しあマジで。