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第88話~白~
















 わくわくしていた。


 ドキドキしていた。


 何せ、自分で新しい何かを作り出すのだから。


 既に作られたものではなく、自分で作った、オリジナルの何かを。


 頑張って考えた。


 考えたものを実行してみた。


 失敗し、大怪我をして怒られたりした事もあった。


 それでも、『神楽』の家の人達は、そんな俺を暖かい目で見ていたのだ。



 





















 俺の『答え』を聞くと、『俺』は刀をどこかへ放り投げ、その場に座り込んだ。


「・・・・・・てめェは甘いンだよ。そンなンだからいつまでも『闇』と向き合えなかったンだよ」


 そう、呟く。


 その呟きに、俺は胡坐をかいてから答える。


「甘い、か。別にいいじゃないか。どちらにせよ、『闇』と向き合えたんだからな。・・・・・・お前のおかげで」


「・・・・・・言っただろォがァ。俺はてめェと『闇』を向き合わせるために生まれて存在だとよ。俺のおかげなのは当然だァ」


 ケッ、とぼやく『俺』。


















 そんな『俺』に、俺が一言。


「お前って案外優しい性格なのな」


「ゲほっ。なっ・・・・・・てめェ何言ってやがる!?」


 過剰に反応する『俺』。


「だってよ。何だかんだ言って、結局は俺を心配してくれてたんだろ?」


 いつまでも『闇』と向き合えない俺を。


 向き合えない心の弱さを。


 そんな俺を、コイツは心配してくれていたんだと思う。


「ざっけンじゃねェぞォ! 誰がてめェの心配なンざするか!」


 俺に大声で怒鳴りつける『俺』。


 その顔は鬼のように怒っていて。


 だけど、どこか笑っていて。


 まるで、認められた事が嬉しいかのように。


 そんな顔を見て、もうよく分からないけど色々と可笑しくなってしまった。


「くくっ・・・・・・はははっ」


「てめェ・・・・・・何笑ってやがる!」


「いや、何かさ。もう色々と可笑しくてよ」


「あァ!?」


「最初は俺を殺すと言っていた奴が、今じゃ自分を殺せと言い出し、そして俺を心配してくれていると分かった。したらもう可笑しくてなぁ・・・・・・ははっ!」


 思わず笑い出してしまう俺。


「てめェ! 誰が心配したっつった!? やっぱりてめェ今ここで殺す!」


 放り投げた黒い刀を拾い、それを構える『俺』。


 ・・・・・・え、マジですか?


「『黒龍斬』!」


「へぇあっ!?」


 俺のすぐ目の前に、漆黒の一閃が振り下ろされる。


 あ、危ねぇ!後もう少しで当たる所だったぞ!?


 ・・・・・・あ、当てようとしてるんですかそうですか。


「『黒龍連拳』!」


 顔のすぐ横を、黒い炎を纏った拳が通り抜ける。


「あっつ! ちょあっつ! 顔軽く焼けたぞオイ!」


 第三者から見れば、『俺』は、俺を本気で殺しにかかってると思うだろう。


実際『俺』の顔は般若のように怒り狂っている。


 だけど、俺には分かる。





















 そんな『俺』の顔は、どこか笑っていた。























「ぜぇ・・・・・・はぁ・・・・・・ちかりたー・・・・・・お前やり過ぎだろ」


「はァ・・・・・・はァ・・・・・・てめェが逃げ回るからだろォがァ・・・・・・」


 現在、二人して真っ黒な空間に横たわっている。


 俺は、逃げ回って体力を消費したため。


 『俺』は、そんな俺を追いかけながら技を放ちまくったせいで体力を消費したため。


「・・・・・・なあ」


「・・・・・・あ?」


 俺の呼びかけに応える『俺』。


 少し呼吸を落ち着けてから、ゆっくりと話しかける。


「お前ってさ、名前がないんだったよな」


「・・・・・・あァ、そうだよ。元々必要ないからなァ」


「その言葉を待っておりましたー!」


「うォッ!?」


 突然、叫びと共に立ち上がった俺を見てびっくりする『俺』。


「突然だが、君に名前を贈りたいと思う」


「・・・・・・やけに偉そォな態度になったなァオイ」


 そんな『俺』の言葉は無視。


「すっげえ安直なんだけどさ。『はく』って、どうよ?」


 『どや?』と言わんばかりの顔で『俺』に問いかける俺。


 問いかけられた『俺』の顔は、うざったい人を相手にしたような表情をしていた。


「・・・・・・はァ?」


 ついでに聞き返された。


「この真っ黒な『闇』の空間に一人いる、真っ白な存在。この空間を、『闇』を照らす白い俺ってことでこんな名前になった・・・・・・嫌なら嫌って言ってくれ。また考えるから」


 ちなみに他に『光』という名前が思い浮かんだが、これは何となく却下される気がしたので言うのはやめておいた。


 『俺』は、そんな俺の言葉にため息をついた後、


「・・・・・・てめェがそれでいいなら、俺は反論はしねェ」


 あらま、意外と素直な反応。


「俺はてめェの一部だぞ?てめェがいい名前だと思うのなら、それに反論する理由なンざねェよ」


 ・・・・・・そうかい。


「なら、そう呼ばせてもらうぞ」


 俺は立ち上がり、『俺』に右手を伸ばす。


「・・・・・・あァ? ンだこりゃァ」


 そんな俺の右手を、疑問をこめた眼差しで見る。


「握手。別に俺が殺さないからって自動的に消滅したりとかしないんだろ? だったら、これから先ずっといるんだろうし、まあ、これからよろしくって意味で」


 そんな俺の言葉に、再びため息をついた後、


「・・・・・・ケッ」


 『俺』が立ち上がり、俺の右手をやや乱暴に、自分の左手で掴む。






















 

 その瞬間、真っ黒な世界に、光が満ちた。

 はっはーもう我慢できねえ!私はギャグを混ぜちまったぜー!


 ・・・・・・すみません。もう色々と。


 私が重さに耐え切れずとうとうはっちゃけてしまいました。


 あれはもう少し納得できる内容に出来れば良かったんですが・・・・・・限界でした。


 後、新しい小説が書きたいのでさっさと終わらせたかったという事もへぇあっ!?誰!?私に刀投げつけてきた奴誰!?






龍「俺、参上!」


 お ま え で す か !


龍「久しぶりに来れたぜ。最近シリアスばっかりだったし、来る暇なかったのよねー」


 来なくてよろしい!しかもいきなり刀投げつけてきやがって!


龍「え?俺からのプレゼント気に食わなかった?」


 当たり前じゃボケえ!


龍「あらそう。俺なりに色々と考えてきたんだけどな。まあいいか」


 まあいいかで済む問題なのか・・・・・・?


龍「それはそうと。お前こっそり俺の過去混ぜたな?」


 へぇあっ?何の事でせうか。


龍「冒頭部分だよ。『神楽』がどうのこうの~ってとこだ」


 ・・・・・・ああ、それね。それでは裏設定タイムすたーと!


 かぐさんが孤児という設定だった事はご存知ですよ、ね・・・・・・?


 ちょっと不安だけど大丈夫ですよね。


 話は戻りますが、かぐさんを拾う『神楽』の人達は、元々は普通の一般的な家庭という設定だったのでふ。


 ただ、それだとかぐさんの技を考えた時、何でこんなの考えたん?って感じになりまして。


龍「普通の家庭で育ったんならあんなのいらねーじゃねーか、ってやつか」


 うぬ。それで、かぐさんを拾いに来る人達をちょっと特殊にしたのです。

 

龍「特殊、ね。つまり俺はお前のおかげであんな常時精神が危篤状態の家に連れて行かれた、と」


 うへぇ。随分嫌ってんのね。


龍「まあ色々あったんだよねー。投げられたり投げられたり関節極められたり鳩尾にタックル食らったり後はじょ・・・・・・げふんげふん」


 じょ?じょって何さ?


 ・・・・・・あ、もしかしてじょそ


龍「(チャキッ)・・・・・・まだ、生きていたいよな?」


 イエス、マム!わたくしめはまだ生きていたいであります!だからその物騒なものしまってくださいます!?


龍「チッ、しゃーねーな」


 たっ、助かった・・・・・・。


 あ、そろそろ私のストッパー外れそうなのでここらで今回の話は終了です。それではまた次回を、


龍「お楽しみに出来る奴はそんなにいないだろうが、まあほどほどに楽しんでけ」













 ・・・・・・ちなみに、先ほど私が言った『イエス、マム』というのは、相手が女性の上官の時に使う言葉らしいです。かぐさんにバレたら○されますね。ええ。

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