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第85話~黒の衝動~




















「やっと見つけたぞ、〈後継者〉。ったく・・・・・・手間かけさせやがって・・・・・・」


 頭を抱えたまましばらくボーッとしていたせいか、近づく何かの気配に気づかなかった。


 ふと見上げてみれば、いかにも柄の悪そうな男が一人。


 普通の人と違うのは、髪が白で目が赤色という事。


「うちの魔王さんがお呼びだ。抵抗したら半殺しでも連れていくぞ」


 その柄の悪い悪魔は、いかにも面倒そうに言う。


 今まで俺に会いに来た悪魔たちは大体紳士的だったのにな・・・・・・悪魔にも人格とかあるのか。


「ったく・・・・・・何でこんな奴が選ばれたんだか・・・・・・」


 言動や態度から予想するに、コイツは大分俺を見下しているらしい。


 普段の俺なら、そういう場合は完膚なきまでに叩きのめしてから改正させてやるが・・・・・・。


「・・・・・・あまり俺に近づかない方がいい。今情緒不安定だから、何するか分からんぞ」


 少し殺気が混じってしまったが、脅しも兼ねていたので丁度いいか。


 情緒不安定と言うか、混乱してるんだ。そんな状況でこんな奴が来てみろ、何するか自分でも分からない。


「はあ?そんなもん知るか。俺はさっさと連れて来いって言われてるんだよ。本気で半殺しにするぞ?」


 悪魔は物凄くうざったい声でそう言う。


 コイツには俺が挑発しているように思っているのだろうか。


「とにかく今は見逃してくれ。後でお礼参りに行くから、それまで待っててくれ・・・・・・今は本気でヤバいんだ」


「だから知らねえって言ってるだろ。あんまふざけた事言ってんじゃねえよ」


 悪魔は少しイライラしたように言い放つ。


「・・・・・・じゃあ知らね。もうどうなっても知らねえから」


 そう言うや否や、悪魔はこちらの顔目掛けて殴りかかってきた。


 そして視界が真っ赤に染まったかと思うと、意識が途切れた。
























 ふと意識が覚めると、あたり一面が真っ赤に染まっていた。


「・・・・・・」


 足元を見れば、白い髪を真っ赤に染めた悪魔が一人。


 周りを見れば、なぎ倒された大木が無数。先ほど背もたれ代わりにしていた木も無残に砕け散っていた。


「・・・・・・」


 自分の身体を見てみれば、悪魔の返り血で真っ赤に染まっていた。


「・・・・・・」


 両手の掌も、普段の白い色ではなく、真紅の色に染まっていた。


「・・・・・・何が起きたんだ・・・・・・?」


 血の色に染まった掌を見ながら、俺は疑問の声を上げる。


『教えてやろうか?』


「! 誰だ!」


 すぐ近くから声が聞こえた。


 あたりを見回してみるが、声を発するようなものはどこにも無い。


『オイオイ・・・・・・誰か、だって?』


 その声が聞こえたかと思うと、突然自分の影が伸びた。


「何だ・・・・・・?」


 やがて伸びた影は俺から切り離され、人型を形作る。


 そして細かい部分が形成される。


 真っ白な、腰まで伸びた髪、


 真っ赤に染まった瞳、


 真っ白な肌、


 そして、獰猛な笑み。


「よゥ、俺」


「お前は・・・・・・」


 コイツはあの空間以外の所にも出れたのか?


「てめェが一人でいる時ならいつでも出れるぞ?」


「・・・・・・それよりも、だ。俺が何をしたって言うんだ」


 先ほど、俺が何をしたのか教えてやると言った。


 つまり、コイツは知っているんだ。俺が意識の無い間に何をしたのかを。


「大体予想はついてると思うが、その悪魔はてめェが殺したよ」


「・・・・・・そうか。やっぱりか・・・・・・」


 右手で顔を覆う。


 この場には俺以外いなかったんだ。だとすれば俺がやったとなるのは当然の事だろう。


「惨いモンだったぜェ?顔面が陥没するまで殴って、木に身体をぶつけまくって全身の骨を折って・・・・・・それから」


 俺が何をしたかという事をわざわざ口で説明する、もう一人の俺。


 その顔は、どこか楽しそうで。


 また、どこか悲しそうだった。


「・・・・・・ろよ」


「あァ、後それから・・・・・・歯を全部折って・・・・・・」


「・・・・・・めろよ・・・・・・!」


 全身が震えるのが分かる。


 俺は、そんな事をしていたのか。


「指の骨も全部折っていたな・・・・・・後それから」


「やめろよ・・・・・・!」


 吐き捨てるように叫ぶ。


 もしかしたら、コイツの言っている事は嘘かもしれない。


 でも、何故か堂々と嘘だとは思えなかった。


「俺が嘘ついていると思っているだろ?」


 考えている事がばれて、少しびっくりする。


「だが、どこかで本当の事を言っているんじゃないか・・・・・・こうも思ってるな」


「・・・・・・ああ、そうだよ・・・・・・だったら何だってんだ」


 全部ばれているのなら、今更隠す必要はない。


「俺も随分と嫌われたもんだなァ・・・・・・まあ、いいや」


 『俺』は、やれやれと言った様にリアクションをすると、少し息を吸ってから、


「全部、本当の事さ。てめェは覚えちゃいねェかも知れねェが、その悪魔は間違いなくてめェが殺した。それも・・・・・・口にするのも恐ろしいほど、無残になァ」

 ヒャア!もう我慢できねえ!主にシリアスが!


 やめたいと思っても、ここから先の展開を作るためにはこの件が必要・・・・・・しかし、私の低レベルなクオリティだといっぺんに表現できず、こんな風に何話も続いてしまったりします。


 くそう・・・・・・こんな事になるんなら、初めからギャグ小説として書くべきだった・・・・・・一生の不覚!


 あ、ちなみに今回も元ネタはないです。シリアスが続いている時は基本無いと思ってください。

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