第82話~忍び寄る白い影~
「テーレッテーテテテテーテテレー・・・・・・お?」
あの謎のスーパーじいちゃんがいる武器屋を出、活気あふれる街中を歩いていると、とある人物が目に入った。
背は・・・・・・おそらく170くらいか。少し距離があるので見づらい。
その男か女か分からない人物は、真っ黒なローブで全身をすっぽりと覆いこみ、恰幅のいいおっちゃんと何やら会話をしていた。
そして、その黒ローブが顔を動かすたび、ちらちらと見える白っぽい何か。
「・・・・・・んんん?」
さて。ここでちょっとした知識を一つ。
この国・・・・・・というか世界には、髪の色に黒と白がない。
赤だったり青だったり緑だったりと、とにかくカラフルな色しかない。
黒い髪については知らないが、白い髪を持つ者は、悪魔と恐れられる。
魔王の手下とされる悪魔達は、皆白い髪に赤い目をしているからだ。
そして今、あの黒ローブの人物から白っぽい何かが見えた。
「はっはっは・・・・・・いや、まさかな」
俺は思わず誰にも聞こえない程の小さな声で呟く。
・・・・・・そういや俺、悪魔に追われて逃げてきたんだっけ。
俺を探しにきたのだろうか。だとすれば、あのおっちゃんと話している話題は・・・・・・俺か?
・・・・・・確かめてみるか。
「耳がぁ~・・・・・・でっかくなっちゃった!」
右耳を右手で包み込み、そして思いっきり広げる。
すると、耳が巨大化した。
別に何か物を使って大きくしたわけじゃない。ただ単に大きくしただけだ。
聴力強化の魔法らしい。本当に魔法って便利だな。
『・・・・・・ああ、この少年だ。黒い髪で、腰まで伸びている。見たことはないか?』
耳を大きくした途端、あの黒ローブの声が聞こえてくる。やっぱり俺だったか。
『さあ・・・・・・?少なくとも、あっしは見ちゃいませんんぜ』
『そうか・・・・・・ならいい。手間を取らせたな』
『ああ、待ってくだせえ。もしかしたら、天下一武道会に出るかもしれやせんぜ!』
おいコラそこの油の塊。突然何言い出しやがる。
『この時期にここへ来る人は、大体天下一武道会が目当てなんです。もしかしたらそれに出るかもしれやせんぜ?』
『そうか。情報をありがとう』
黒ローブはおっさんに礼をし、その場を立ち去った。
・・・・・・これは、もし武道会に出たら見つかるフラグですか。そうですか。
ちくしょう!出たかったのにちくしょう!あの油分たっぷりなおっさんのせいでいけなくなったじゃねえか!
大きくしていた耳を元に戻し、その場で少し考え事をする。
・・・・・・この国に悪魔がいるのは確定的に明らかだ。ならどうする?すぐにでもこの国を出た方がいいか?
いやまて。アイツはさっき何て言っていた?長い黒髪の少年を探していると言っていた。
・・・・・・なら、この髪をどうにかすればいいんじゃないか?色変える魔法とかないのか?
探せ・・・・・・探すんだ・・・・・・逆転の一手を・・・・・・!
久しぶりに脳内ヤフーを使い、検索をかける。
・・・・・・ない・・・・・・どこにも・・・・・・っ!ない・・・・・・っ!
俺は思わずその場でorzな体制になる。
周りの人が白い目で見てくるが知ったこっちゃない。
髪の色が変えられないなら、どうする・・・・・・?
・・・・・・待て。アイツはなんと言っていた?長い黒髪と言っていたよな?
・・・・・・なら切ればいいじゃないか。俺名案だろ。流石だな兄者。兄者って誰だよ。
流石に往来の激しいこの場で切るのは無理だな。いや、そんなの常識的におかしいだろ。
ふと周りを見渡すと、ベッドのマークと共に『宿屋』と書かれた建物が・・・・・・。
宿屋ってアレだろ?休むと全回復するアレだろ?何故こんな所に・・・・・・。
宿屋へ向かって歩き、入り口を扉を開けてすぐ目の前にいる宿主に宿代を支払い、部屋の鍵をもらって二階へ。
どうやら一階は食堂になっているらしく、部屋はなかった。
鍵の合う扉を開けて部屋の中へ。
中はベッドと必要最低限の家具しか置いてなかったが、正直物がありすぎても逆に邪魔だろう。うん、丁度いい。
ベッドに深く座り込み、同時にため息を吐く。
そして少しそのままの体勢で休憩した後、髪を縛っていた紐をほどく。
「銀ー?何かナイフ的なものになれる?」
『何をするかは知りませんが・・・・・・なれますよ?』
「じゃよろしく」
頭に乗っていた銀が空中へ飛び出して光り、そして手ごろなサイズのナイフへ変化した。
髪を後ろ手で束ね、ちょうど紐で縛っていたあたりをナイフでばっさりと切る。
今まで放置していた長ったるい髪がベッドの上に散らばる。
銀を元に戻し、頭に乗ったのを確認してから四次元ポケットから手鏡を取り出す。
それに髪を切った自分の姿を映す。
・・・・・・うん。
「俺は悪くねえ!俺は悪くねえ!」
『はい?』
思わずそう叫んでしまった俺は悪くない。
見事なまでにあのわがまま王子の断髪式後の髪形でした。本当にありがとうございました。
「・・・・・・髪型に引っ張られて性格変わるとかないよな?流石にないよな?」
どうか性格を変えないで下さい。それが俺の唯一の願いです、と某惨劇の主人公風に願った後、散らばった髪を集め、
「ヒャッハー!髪の毛は消毒だー!」
火炎放射は持ってないが、掌から火は出る。
そうして掌から出した炎で燃やした後、ベッドに横になる。
「だー・・・・・・寝る。銀ー人来たら起こしてくれ・・・・・・」
『わかりました。最近あまり寝てないようなので、ゆっくり休んでくださいね』
「ゆっくり休んでいってね!と・・・・・・じゃお休み」
流石に部屋の中に悪魔が侵入してくるとかは無いだろうが、まあ念のためだ。
横になったまま目を瞑り、ゆっくりと現れる睡魔に身を預ける。
そして、そのすぐ後に、俺は眠りについた事を後悔する事になる。
PSPo2∞とテイルズが一段落したので執筆再開。クオリティ下がってる気がしなくもない。
PSPo2はストーリーがやけに短かった・・・・・・あとバッドエンドはしばらく鬱になった。アレはないわ・・・・・・。
テイルズは・・・・・・うん。裏ボスの強さが半端ない。あとバルバトスさんが。今も脳内でセルフ『アイテムなんざ使ってんじゃねえ!』が流れますから。もちろん若本ボイスで。
そんな事はどうでもいいですね。さあ元ねた解説いきませうか。
「テーレッテー(ry」
知ってる方は知ってる某世紀末のアニメのゲームより。一撃必殺が発動するとこのBGMが流れるそうです。なのでニコ動ではこのBGMを処刑用BGMと呼んでいたりいなかったり。
「耳がでっかく~」
そういえば最近あの人見ないな・・・・・・どこいったんだろ。
「俺は悪くねえ!俺は悪くねえ!」
これは結構分かりやすいですかね?テイルズシリーズのアレより。
プレイした事はないですが、友人曰く神ゲーだそうです。
「ヒャッハー!」
こちらも某世紀末アニメより。大体ひでぶとか言って破裂する人の言葉ですね。
・・・・・・ちなみに今週の三日四日受験です。
・・・・・・うわーい勉強してないやーあははははー・・・・・・オワタ。
・・・・・・さてと。一酸化炭素を発生させるにはどうすればいいんだったっけか・・・・・・。