第73話~そして始まる逃亡生活~
は、はは・・・・・・冗談だよな?
扉を開けたら目の前にナイスガイなおっさんがいるなんて・・・・・・。
「どうしましたリュウキさん?」
「いや・・・・・・俺、疲れてるみたいなんだ。今幻覚を見た」
『主、現実を受け入れてください。外から魔力反応があります』
いっ、嫌だー!なんか良く分からんけど嫌だー!
ナイスガイなおっさんが現れる現実なんて受け入れたくねえ!
扉をドアノブが触ってもいないのに回り始めた。受け入れたくはないが、先ほどのおっさんが外で開けようとしているのだろう。
即座に扉に鍵をかけ、ドアノブが回らないように手でガッチリと固定。さらに、
「悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散・・・・・・滅せよ魔の者、滅びよ悪の化身よ、消滅せよ負の魂よ・・・・・・後俺に安らぎをください」
よく分からないおまじないをかけておく。これで大丈夫だろう。
「最後に願望が入った気がするんですが、大丈夫なんですか?」
「問題ない。術としてはちゃんと完成してるっぽいから」
友人が多いとこういう時に役立つ。友達は多い方がいいぞ?
「ああくそっ・・・・・・一体何なんだ次から次へと・・・・・・」
「一瞬〈後継者〉という言葉が聞こえたんですが・・・・・・」
「気のせいだ」
「いや、でも確かに」
「気のせいだ」
「ですが」
「気のせいだ」
「でs」
「気のせいだ」
「で」
「気のせいだ」
「d」
「これ以上・・・・・・言わせる気か?」
「何でもないです、はい」
無限ループにイラッとしたので、睨み付けてやると黙った。
「正直言うと、俺にも良く分からん。魔王?〈後継者〉?どこのファンタジーな世界の話ですかっての」
いや、実際この世界はファンタジーだけどさ。
もしこの話が本当だとすると、俺が魔王?で、リリアが勇者?になる。
悪役なのは別にいいんだが、リリアに倒されるのは何となくイラッとする。
それ以前に、俺のどこに魔王になる要素があると?
「ああくそ・・・・・・もう術が弱まってきやがった・・・・・・どーまんせーまんどーまんせーまん」
扉にかけていた術が弱くなっていたので補強する。やっぱり適当にやっただけじゃ長くは持たないか。
「えっと・・・・・・えっと・・・・・・スクル○!いやこっちよりスカ○の方が防御力の上がり方は高い・・・・・・あ、後マホ○ンタにフバー○・・・・・・いや、といきがえ○の方がいいか」
とりあえず知っている範囲でひたすらに防御魔法を唱え、扉にかける。
「一応壊された時の事も考えて、と。リレイ○!後気分でバイ○ルト。それにやいばの○もりも追加だ」
防御マックス、攻撃二倍、呪文、息攻撃を跳ね返し、さらに死んでも生き返る。追加で攻撃を受けたらダメージを跳ね返すというこの扉はまさに最強だろう。
「この扉・・・・・・マジパねえ・・・・・・」
「えっと・・・・・・さっきから何してるんですか?」
リリアが質問してきたので答えてやる。
「ここが最後の砦的なものなんだ。だから、知っている範囲で色々魔法をかけた」
「全部私が知らない魔法だったんですけど・・・・・・何ですかス○ルトって」
「味方全体の防御を上げる魔法。確か1.5倍。ス○ラは一人しかかけられないが、二倍の防御力になる」
確かそんな感じだったはず。
「マホカ○タは呪文をはじき返す魔法で、フバ○ハは息攻撃の威力を弱めたりそんなところ。バ○キルトは攻撃力が二倍に、リレ○ズは死んでも一度だけ生き返る。やい○のまもりは受けたダメージの一部を攻撃した相手に与える」
うわ、よく考えたらほとんどドラク○だ。一つFF入ってたけど。
「えっと・・・・・・何がなにやら・・・・・・」
「あまり深く考えない方がいい。今かけた魔法’ズがどんだけ卑怯なのかが分かるだけだから」
うん。魔法のある世界でマホカン○なんてやってみろ、とんでもない事になるぞ。
マダ○テってどうなるんだろ・・・・・・MPの量でダメージ変わるみたいだし、もし俺がやったら国消滅とか?いやいや、それはないだろ。
「・・・・・・うん。しばらくは入ってこれなさそうだな。今のうちに準備しとくか」
「? 何の準備ですか?」
「ああ、そういや言ってなかったけ」
少し深く息を吸い込んで、はっきり聞こえるように、言う。
「――――――ちょい家出する」
「はい?」
リリアが呆けたような声を上げる。
「いやだから。家出する。しばらくしたら戻ると思うけど」
「いやっ、ちょっと待って下さいよ。何で突然・・・・・・」
リリアが突然慌てだす。
まあ無理もないだろう。
自分のパートナーが、突然家出するなんて言い出せば。
「少し前から〈後継者〉がどうのこうの言って押しかけてくる奴が来るようになったろ?」
「ええ、まあ・・・・・・」
あの変態おっさんが現れてから、〈後継者〉を探しにきたとかどうとか言う輩が結構な人数押しかけてくるようになった。
どいつもこいつも俺が目的のようだし、リリアはそもそも関係ない。
だったら俺がここから離れればいい。そうすれば、俺が目的の奴らはみんなついて来るだろう。
「家出するついでに、色々回って〈後継者〉の事とか調べてくるから。そんじゃーな」
「まっ、待ってください!貴方が行くなら私も――――――」
「何故そうなる。大体、お前勉強とかしなくていいの?候補なんでしょ?勇者の」
「それは・・・・・・・そうですけど・・・・・・」
そう言って俯くリリア。
俺は全く関わっていないが、コイツは一応学園の生徒なんだ。生徒とか言うんだから勉強の一つや二つはあるだろうし。
「でも!・・・・・・パートナーを放って一人勉強するなんて・・・・・・!」
「――――――リリア」
俯いたままのリリアのすぐ隣に移動し、
「悪い」
「えっ?あっ―――――――」
リリアの首元に、手刀をあてる。
「おっ、とと・・・・・・」
倒れそうになったリリアを支え、ソファまで運んで、ゆっくりと横たわらせる。
「何か俺が原因っぽいしなー・・・・・・だから離れようと思ったのに、何でついて行きたいなんて言い出したんだか」
ソファに埋もれて眠るリリアを見る。
「一応書き置きとかした方がいいのか?・・・・・・うわ、そんな事一度もやった事ねえ」
書き置きを残すか残さないか迷っていると、例の砦とも言える扉にひびが入った。
「げっ・・・・・・もう効果なくなってきたのか。しゃーない。書き置きはなしだ」
準備運動をして体をほぐせるだけほぐす。
「さってと」
ひびの入った扉が、こちらに向かってまっすぐに飛んできた。
「鬼ごっこのはじまりはじまり・・・・・・ってな」
飛んできた扉を刀に変化させた銀で粉々に切り刻んだ後、出せる限りのスピードで外へ飛び出す。
「――――――アディオス。まあ、そのうち戻ってくるから、それまで一人で何とか頑張ってくれ」
眠っているリリアにそう言い残し、目の前に迫っていたナイスガイを蹴り飛ばす。
「来いよナイスガイ。俺と遊ぼうぜ?」
空中で体制を整え、華麗に着地したおっさんに向けて、そう言った。
うわ、何か最後の龍稀カッコいい。これが主人公なのか・・・・・・。
はい。という訳で龍稀が学園を出て、世界へ飛び立ちます。
最初のほうの世界設定を今まで一度も使っていなかった事を思い出し、このままだといけないと思ったので、逃亡させました。少し無理があったですかね?
ちなみにこの先のおおまかな道筋は、
龍稀逃亡→世界を見て回る→そのうち魔王とばったり会う→フルボッコしてハッピーエンド
こんな感じになっております。こんな駄作ももう少ししたら終わりますので、それまでしばしのお付き合いをお願いします。
そんな事より元ネタ解説。
「悪霊退散悪霊退散」
「どーまんせーまん」
ニコ厨なら知らない人はいない、某うさんくさい陰陽師の人です。
分からない方は『レッツゴー!陰陽師』で検索すれば出てくるはずです。
「ド○クエシリーズの魔法」
魔法名全部書こうかと思ったんですが、面倒になってしまって割愛。うわ、ちょ、やめて!石投げるのやめて!
「FFの魔法」
一つだけあったやつ。一度死んでも生き返るって結構凄いですよね。
最近モンハン3rdとPSPo2∞の体験版が楽しくて全然執筆出来ない・・・・・・。
モンハンは後HR1あげたら終わりだし、PSPo2∞は終わりが見えない。
PSPo2は買う予定だし、2月10日はテイルズオブザワールドレディアントマイソロジー3も出るし・・・・・・こちらも買う予定だし・・・・・・ああもうどうしてこうなった!せめてどちらか3月に出してくれよちくせう!