表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/153

第65話~人の皮を被った悪魔め!え?被ってない?~









「ダルい・・・・・・」


『主、もう少しでつきます。それまでの辛抱ですよ』


 13人の縄で縛られた男たちを一纏めにし、それを一本のロープで引っ張りながらギルドまで連れて行く。


 この作業スゲーダルい。流石に13人もいれば重くて引きずり辛い。オリハルコンで出来てる縄じゃなければ間違いなく千切れていただろう。


 出来ればさっさと帰りたい所だが、全速力で走ろうものなら縄が千切れてしまう。ちくしょう、もうちょっと強度のある素材を使えばよかった。


 え?なんでオリハルコンで縄を作れるんだって?こまけぇこたぁいいんだよ!


「あーダルい・・・・・・帰って寝たい」


 空を見上げれば、黄金に輝く二つの満月。


 この世界には、どうやら月が二つあるらしい。


 月を見上げつつ、今出せる限界ギリギリの速さで走っていると、


「・・・・・・お?」


 二つの月のうちの一つに、小さな黒い点が突然現れた。


「おお?」


 そして少しずつではあるが、それは大きくなっていった。


「おおおお?」


 いや、大きくなっているのではなかった。


 黒い点は、こちらに近づいてきているのだ。それも、車など比じゃない速さで。


『主、あの黒い点から異常な魔力が感じられます。警戒すべきかと』


「ん、おっけ。じゃこのおっさん達は邪魔だな」


 ピンク色のドア・・・・・・もとい、どこでもドアを取り出し、出口をギルドのカウンターの目の前に設定。そこへぽいぽいとおっさん達を放り投げ、ギルドカード――――――自分がギルドに入っている者と証明するもの――――――を一緒に投げる。これで誰がおっさん達を連れてきたのか分かるはずだろう。


 ってかコレあるなら最初からこうしてろよ。何故気づかなかったし俺。


 軽い後悔をしている間にも、黒い点はどんどんこちらに近づいてくる。


 やがてそれは点には見えなくなり、代わりに人の形をしているように見えた。


「人が空を飛ぶとかスゲェな」


『主だって飛んでるじゃないですか』


「・・・・・・いいか、銀。俺のは『飛ぶ』じゃなくて『跳ぶ』なんだ。いつまでも空中にいられるわけじゃないのよ」


 といっても滞空時間は異常に長いけど。


 その人の形をした何かは異常なスピードでこちらに迫り、


「ぬおっ」


 目の前の地面に小さなクレーターを作り、土煙を巻き上げながら、ゆっくりと立ち上がった。



 土煙が晴れ、やがて姿が見えてくる。


 それは、人の形をしていながら、人には見えないものだった。


 まず、身体が白いペンキでもぶちまけられたかのように真っ白。そして異常に細い。


 何より目立つのは、背中に生えている蝙蝠のような翼。


 目は紅く光、髪は白く、口には無数の牙が生えていた。


 一言で表すならば、『悪魔』。


 そんな奴が、目の前にいた。


「・・・・・・貴様がリュウキ・カグラだな?」


「おういえーす。てか何故知ってるし」


『・・・・・・主、気をつけてください。かなり出来るみたいです』


 ちなみに銀の喋っている事は誰にも聞こえない。


 俺だけに聞こえる念話のようなものだからだ。


「個人的な恨みがある。悪いが貴様には死んでもらうぞ」


 ・・・・・・え、いつ恨み買ったし。覚えないんですけど。


「死ねぇいっ!」


 悪魔が右腕を振りかぶり、俺に襲い掛かってくる。


 それを半身をずらして避け、腕を掴んで宙へ放り投げる。


 一瞬しか見えなかったが、指の先の爪は異常に長く、そして尖っていた。あれは怖い。


「銀、やるぞ!」


『はい主!』


 銀が頭から飛び降り、空中で光ったかと思えば、次の瞬間には一本の刀となっていた。


 それを右手で掴み、悪魔のいる空へ跳び立つ。


「『ファイアボール』!」


「温い!」


 悪魔が火の玉を数個飛ばしてくるが、それらを全て刀で弾き飛ばし、


「お返しだ!『ファイアボール』!」


 こちらも火の玉を悪魔に向かって放つ。


 違うのは威力、そして量。


 悪魔が数個に対し、こちらは数十個の火の玉。


 悪魔が人の身体を燃やす程度の威力なら、こちらは人の身体を一瞬にして蒸発させる程度の威力。


「いつ恨みを買ったかは知らんが、生憎まだ命は惜しいんでね。今ここで降参するならば、この火の玉は消してやるよ」


「冗談!生まれ変わった『僕』の力を見せてくれる!」


 悪魔はそう言うと、両手を前に突き出し、そこに力を集める。


「はあああああああああ・・・・・・!!」


 やがてその力は漆黒の色を持ち、小さな玉となって現れる。


「『ノクターンショット』!」


 小さな玉が突然肥大化、サッカーボール並の大きさとなり、俺に向かって一直線に襲い掛かる。


「やれ」


 その一言を皮切りに、無数の火の玉が漆黒の玉に向かって殺到する。


 火の玉は全て漆黒の玉に命中し、






 それら全てが掻き消えた。


「・・・・・・ほう?」


「無駄だ!その程度の魔法、僕の魔法には通用しない!」


 そうかそうか。お前はその魔法によっぽど自信があるのか。





 なら。


「その自信げんそうを打ち砕く!出でよ『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!」


 何も無い空間から、突如、黄金に輝く一本の剣が現れる。


 詳しいことは俺も知らない。なんでも、星に鍛えられただのどうのこうの。


 ・・・・・・すまん、歴史には詳しくないんだ。しかもこれ偽物だし。


「真名開放!『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!さあ、いっぺんくたばれ!」


 『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』に魔力を込める。


 すると、剣はさらに強く光り輝き始める。


「おんどりゃあああああああああああああああああ!!」


 黄金に輝く『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を、漆黒の玉に向かって振り下ろす。


 剣から黄金の魔力の奔流が流れ、漆黒の玉を打ち消し、射線上にいた悪魔を襲う。


「なっ・・・・・・なんだその魔力は!くっ!」


 悪魔は咄嗟の判断で目の前に薄い壁のようなものを造る。


 壁は一瞬光の奔流に抵抗するも、呆気なく崩れ去る。


「こんな・・・・・・はずじゃ・・・・・・・ぐっ、ああああああああ―――――――」


 最後に悲鳴のようなものを上げ、やがて悪魔は光に呑まれた。
























「はは・・・・・・やり過ぎちまったぜオイ」


『全くです・・・・・・やり過ぎにも限度というものがありますよ?主』


 光が晴れれば、そこには荒野と化した元森の一部があった。


「偽物でこの威力かよ・・・・・・半端ねぇ。本物とか使ったらどうなるんだろうな」


 先ほどより光は弱いが、それでも輝く『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を見、一人呟く。


 そう、これは偽物。


 魔力によって作り出したまやかしのようなもの。


 まあ、それでも、本物に限りなく近い性能になるように作ったが。


「これはしばらく使わんどこう・・・・・・うん、そうしよう」


 『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を空高く放り投げる。


 剣は、ある程度の高さまで上った後、空気に溶け込むかのように消えた。


「さって・・・・・・あの不健康な輩はどこへ行ったのやら」


『先ほどの攻撃で消し飛んでいると予想します・・・・・・南無』


 いや、勝手に死なせるなよ。そういや結局銀使わなかったし。


 銀を元の姿に戻してやる。銀は即座に俺の頭の上に陣取った。移動はええ。


「なあ・・・・・・何でそこなんだ?」


『その質問はサ○シのピカチュ○に「何故肩の上にいるんだ?」と質問しているようなものですよ、主』


 ごめん、意味分からん。


『まあぶっちゃけた話、落ち着くんですよねここ』


 さいですか。


 まあ、面倒だったのでこの話はここでおしまいにする。それよりもあの白い奴を探しに行こう。
























「おっ、いたいた。やっほー生きてるー?」


 数分後、荒野と化した森の中に今にも死にそうな悪魔がいた。


「ぐっ・・・・・・がは、ごほっ・・・・・・」


「あーらら、こりゃまずい。久々の『聖龍炎』」


 悪魔の身体に気とか魔力もろもろを流し込み、傷を癒す。


 ただし、完全に動ける程までは回復してやらない。変になんかやられても困るから。


 死なない、かつ喋れる程度に回復してやる。


「改めて質問。生きてるー?」


「ぐっ・・・・・・誰かさんのせいでな・・・・・・」


「そんな恨みがましく言わんでもさー。一応助けてやったんだ。礼は?」


「ふんっ・・・・・・そんなもの、誰がするか・・・・・・!」


 あらそう。まあ別にいいけど。


「んじゃもう一つ質問。俺何か恨まれる事やった?」


「とぼけるな!貴様のせいで僕は・・・・・・がっ、げほっげほっ」


 こんなフラグは立てた覚えが無い。いつやった?


「・・・・・・ん?『僕』・・・・・・?待てよ、どっかで聞いた事が・・・・・・」


 この一人称を使う奴にはあまり会っていない。


「思い出したか・・・・・・?闘技場で僕に惨めな姿を晒させたじゃないか・・・・・・!」


「・・・・・・あ。あーあー思い出した。あのキザったいナルシー君か。いやいや立派になって」


 立派というか・・・・・・何というか・・・・・・。


「あの日から僕は貴様に復讐するために・・・・・・貴様を観察した」


 あー時々感じた視線はコイツだったのか。


「・・・・・・だが、結局貴様に勝つ方法は分からなかった」


 まあコイツじゃ無理だろうな。例え1000人こようとも勝てる自信がある。


「で?なんでそんなけったいな姿になったん?」


「僕は貴様を倒すために、とある方に忠誠を誓った・・・・・・そうしたら、こんな姿になってしまったのさ」


 そう言いつつ、悪魔は悲しげな顔をする。


「あーそうなん。で、そのある方ってのは?」


「・・・・・・その名は、魔「おっとぉ、そこから先は企業秘密だぜ?」・・・・・・!」


「おお?新手か?」


 悪魔の声を遮るように声を出したのは、真っ黒な身体をした悪魔。なるほど、色違いか。


「てめぇがリュウキ・カグラで合ってるな?」


「え、どこから個人情報流出してるし」


「んなこたぁどうでもいい。で、お前なんだな?」


「いや合ってるけど?」


「そうか。それなら・・・・・・」


 黒い悪魔は先ほど白い悪魔がやったように、両手を前に突き出し、力をため、漆黒の玉を作り出す。


 白い悪魔と違うのは、大きさ。最初からバスケットボール並の大きさになっている。


「悪いが、うちにとっては邪魔でしかないんでね。死んでくれや」


 漆黒の玉が、俺に襲い掛かってきた。


 うわなんか今回やけに長い。そして今年最初の投稿。


 さあ元ネタ解説にいきませうか。


「こまけぇこたぁいいんだよ!」


 元ネタ不明。だが使う。




「その幻想を打ち砕く!」

 

 その幻想をブチ殺す!が元ネタ。上条さんマジパネェっす。





「『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』」


 ご存知の方はご存知、不可視の大剣。だけど今回は最初から見えている状態。

 私Fateあまり詳しく知らないので、宝具とか何それおいしいの?状態。何故このネタ使ったし。






「○トシのピ○チュウ」


 国民的アニメですね、わかります。







 あれ、最初の超グロシーンのフラグを一切立てれない・・・・・・何故?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ