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過酷な過去

不幸な体質の俺と謎の少女のまかふしぎな日常を描いた恋の___

 「俺は何も悪くない!!!」


そう言ってどこかに行ってしまった・・・


別に大したことではなかった。

誰かと関わればいつもこんなことになる。


 なぜそうなるのかといえば、この不幸体質のせいなのかもしれない。俺は生まれつき不幸が起こりやすく、それで神社でお祓いをお願いしたり、占いで見てもらったりもしたが、なんの改善にもならなかった。

そしてよく、この体質のせいで周りから避けられることがある。


 「あいつに関わると不幸になる。」


 「お前のせいで両親が死んだんだろ。」


など、心のない言葉が飛び交っていた。


 確かに俺が全く悪くないとは言わないが、好きでこの体質になったわけじゃない。なんなら、両親が転落事故で死んでしまった時は死んでやろうかと思ったりもしたことだ。

 そして俺は孤児院に預けられることになった。孤児院の生活は、誰もが俺を恐れ、煙たがられるような日々・・・


 これは、後から聞いた話だが、この体質を恐れ、誰も引き取ろうとしなかったらしい。そんなこと今更聞いて、どうしろって言うのか俺にはわからなかった。


 そして、俺は孤児院で孤独な時を過ごし10年の月日が流れた・・・・・



俺は小さな会社に就ていた。

 俺の体質のせいなのか、ただ能力がなかったのかは知らないが、幾つのも会社に就職をしては、その度にクビにされいき、いつの間にかこんな小さな会社に来てしまっていた・・・


 まぁ、最低限生活ができる給料は入るし、周りに人があまりいないので、気にせずにビジネスライフを過ごすことができ、悪くないとは思っていた。


 そんなある日のこと、俺は少し溜まっていた仕事を終わらせるために、遅くまで残業をして帰っていたところ、道端に人が倒れていた。


 「大丈夫ですか!?」


 と声を掛けたその時、、、急にその男が立ち上がり、俺の待っていたバッグを盗んでいった!?


 俺はその男を急いで追いかけて、あちこちと逃げ回る男をなんとか行き止まりまで追い詰めた。そして、バッグを返してもらえるようなるべく刺激を与えないように話しかけた。


 「そのバッグを返してくれないか? それがないと明日からの生活ができないんだ、、、」


そう言う俺に対して、男は切羽詰まった様な顔をしており、とても話のできる雰囲気ではなかった。


 「借金をかえさなくちゃ、、、 またあいつが来る。 今度こそ殺されちまう、、、」


その様なことを呟きながら、何かを取り出そうとしていた。

 辺りが暗く、あまりよく見えなかったが、月の光によって照らされたそれは、白く、そして鋭く煌めいていた。そして、それを持った男は俺に向かって走り出し、俺の腹に突き刺さしていった。


 「ああぁぁぁ...」


 と、人生で経験のしたことのない途轍もない痛みに襲われ、助けを呼ぶ声すらもまともに出せなくなっていた俺を横目に、その男は、バッグを急いで持って、、、


 「俺は何も悪くない!!!  あいつがいけないんだ!!!」


などと自分に言い聞かせる様に言いながら、どこかに行ってしまった・・・


 俺は出血によって薄れゆく意識の中で、微かに天使の様なそんな安らかな少女の声が聞こえた気がした・・・・・





 






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