奇妙な跡と変化
私は、退社時間になると、すぐに先ほどの廃墟に向かった。
すると、驚いたことに廃墟の扉は閉まっていたのであった。
念入りに、廃墟へ近づき、扉を調べた。
また、驚いたことに、扉には釘が打ち付けられていて、簡単には開かないようになっていた。
扉が開いていた時と今まで、数時間しか経っていないのに、どうしたことであろうか。
諦めの悪い私は、誰かがこの廃墟に立ち寄った跡がないか、調べた。
すると、人間の足跡ではない、とんがった足跡が見つかった。
「(これは、悪魔か化け物のものか・・・・・・ )」
私は、心の中でそのように思うと怖くなり、近くの旧小熊病医院へ駆け込んだ。
旧小熊病医院は、大熊の兄である小熊が、経営していたが、諸事情で使われなくなったのである。
誰もいない恐怖というものもある。
それから、未知の生物が、この島にいるという恐怖がある。
市役所に勤務している身としては、迅速に報告しなければならないのであるが、皆は冗談であると捉えてしまうであろう。
これから、どうするべきか、と空を見上げた時、いつもと空の色が違う奇妙な空を見つけたのであった。