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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第4章

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75回 二人で出かけてるが、あくまで必要物資の買い足しのようなものである 2

「といっても、すぐに引っ越すわけじゃない。

 これから家を建てるから時間もかかる。

 それまでは今まで通りに仕事をしていてくれればいい」

「うん」

「それに、引っ越した後も余裕があるなら、こっちの方で仕事しても構わないから」

「大丈夫なの、それって」

「毎日はさすがに無理だけど、一週間に二日三日くらいならな。

 俺達が出かけてる間なら問題は無い」

「だったら、何とかなるかな」

「そこはお前が自分で決めてくれ。

 無理なくやれる範囲で。

 これだけは命令しておくぞ」

「分かってるよ。

 兄ちゃん、本当にそれは絶対に命令するよね」

「当たり前だ。

 無理して倒れたら元も子もない」

「なんか、想像してたご主人様とは違うね」

「何を想像してたんだよ」

「そりゃあ、朝から晩まで倒れるまで働かせるとか」

「そんなすぐに潰れるような使い方なんかするか」

 奴隷は長持ちさせてなんぼである。

「それに、色々と用意してくれるし。

 服とか着のみ着のままだと思ってたよ」

「着替えも用意しないなんてあるかよ」

「あと、仕事で必要なものももってきてくれるし。

 手袋と前掛け、助かってるよ」

「水仕事だからな。

 手が荒れたりすると困るだろ」

 耐水性の道具はミオの仕事で大いに助かってるらしい。

「それに、こうして遊びに連れてってくれるし」

「でないとうるさいんだよ、サキが」

「サキさんはねえ……」

 ミオにも思い当たる事はあるらしい。

「でも、それでもこうしてくれるんだし。

 兄ちゃんがやれって言うならそうするよ」

「そう言ってくれるとありがたいよ」



「じゃあ、家が出来たらそっちに移るって事で」

「はーい。

 でも、何時頃になるの?」

「早くても二ヶ月か三ヶ月はかかる。

 引っ越しはそれからだな」

「じゃあ、それまではこっちで仕事ってこと?」

「そうなる。

 大変だろうけど頑張ってくれ」

「分かってるよ。

 兄ちゃんも無理しないでね」

「もちろんだ」

 無茶をして死んでは元も子もない。

 義勇兵をやってるのは死ぬためではない。

 稼いで生活していくためだ。

 人々を守る為、などという崇高さも存在しない。

 それらは稼ぐついでに達成出来てれば良かった。

「モンスター相手に死んでたまるか」

「義勇兵としてどうなのかな」

「たいていはこんなもんだ、義勇兵ってのは」

「だからあんまり評判が良くないんだね」

「そんなもん気にしてたら勤まらねえよ」

 格好よりも実利優先。

 でなければ生き残れない仕事だ。

 周囲の評判など気にしてるわけにはいかなかった。



「でも、欲しいものとか本当にないのか?

 あるなら遠慮しないでいいんだぞ」

「そこなんだけどねー。

 意外と無いんだよね。

 お仕事で必要なものは思いつくんだけど」

「それはそれで問題だな」

「そうかな?」

「今度、サキと一緒に買い物にでも行ってこい。

 あいつなら何がいいかを考えてくれるだろ。

 適当なものを見繕ってこい」

 男があれこれ選ぶよりは良いだろうという考えもある。

 何より、このあたりのセンスの無さをタカヒロは自覚していた。

「でも、それだとサキさんにまた言われるよ。

『服一つ選べないのか!』って」

「ああ、あいつなら言うだろうな」

 そう言って二人は笑った。

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