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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第3章

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58回 奴隷をとりまく周囲の環境

 そんなミオの仕事ぶりは悪いものではない。

 技術レベルはまだ低いが一通りの事は出来る。

 このまま成長していけば確実に使える人間になる。

 そうであるならば使ってみようという人間が当然出て来る。



 周旋屋のオッサンなどは技術レベルなどを見て、割り振る仕事を考えている。

 真面目に仕事をするかどうかが分からなかったが、洗濯をやってる姿を見るに、勤務態度に問題はなさそうであった。

 技術レベルが高くても手を抜いたり適当にやるような人間では意味が無い。

 出来ない事までやれとはいわないが、仕事は仕事として着手出来る人間であってもらいたい。

 仕事ぶりを見るに、ミオはそうした人間であるのが伺える。

「まずはうちの中を片付けさせてみるか」

 と考えていった。

 いきなり外の仕事をやらすわけではない。

 周旋屋の中で仕事をさせてみようと考えていく。



 周旋屋の中もそれなりに仕事がある。

 作業員や義勇兵の洗濯物の他に、食堂の調理補助や配膳。

 建物の清掃。

 書類整理などの事務作業。

 屋内作業で行われる事のほとんどは周旋屋内においても発生する。

 これらを作業員にやらせる事もあった。

 その場合の報酬は、宿泊費と食事が無料になるというもの。

 直接金銭は得られないが、働いた分だけ宿舎で生活していける。

 だが、これは外での労働訓練の意味合いもあり、常に実施されてるわけではない。

 作業員からしても、例え宿泊費と食費が無料になるとしても、それほど旨みがあるというわけでもない。

 外で稼げば、宿泊費などを支払ってもお釣りが充分出てくるからだ。

 手元に残る金が出てくる。

 働き始めの新人か、よほど切羽詰まってる時でもなければ引き受ける者はいない。



 だが、ミオの場合は事情が少し違う。

 奴隷なので、生活についてはタカヒロが面倒を見る。

 そしてその分の費用は基本的に先払いで支払われている。

 もしミオが周旋屋内部の仕事を引き受ければ、一日分の費用が払い戻される。

 タカヒロからすれば利点がある。

 ミオに直接利益はないが、タカヒロを含めて考えると話が違ってくる。



 もっと単純なところで言えば、現時点のミオは働いた経験がない。

 技術的に作業をこなせるとしても、それ以外の部分に不安が出てくる。

 働き先における態度や口のきき方などである。

 仕事は単に作業だけが出来れば良いというわけでもない。

 もちろん作業が出来ればそれで良いのだが、それ以外にも仕事を発注した相手との関係もある。

 これらが出来てなければ例え技術的に問題がなくても、一日もしないで叩き出される事だってある。

 勤務態度が問題になっていく。

 その部分を教える為に、周旋屋内での作業をさせる意義がある。



「あれが帰って来てから相談しなくちゃならんが、お前さんも考えておいてくれ」

 ミオに声をかけたオッサンがそう言ってミオに今後の作業を促していく。

 奴隷なので決定権は本人にはない。

 仕事をさせるかどうかは所有者の許可が必要になる。

 だが、本人が乗り気でなければ作業効率が悪くなるので、奴隷にも一応意志の確認はしておく。

 様々な人間を相手にする周旋屋だけに、こうした部分も疎かにする事はなかった。

 ミオはこれに、

「分かりました。

 帰ってきたら兄ちゃんと話しあってみます」

と答えた。

 自分の意志で承諾も拒否も出来ないのは分かってるので、こう言うしかない。

 だが、口には出さないがミオは、結構乗り気であった。

 仕事を覚える機会でもある。

 逃す手はないと思っていた。

 それを察したオッサンは、ミオを好意的に見つめていった。

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