26回 帰りを待つ間に、義勇兵を取り巻く状況を踏まえてやれる事を探っていく 5
比較的出現数が少ないモンスター。
それは危険を大幅に下げる事につながる。
それなら少数で行ってもさほど問題は無い。
戦闘能力もそれほど求められない。
あぶれた連中を集めてもどうにかなる。
そう思ってタカヒロは人を集め、モンスター退治に出向いていった。
集めたのは本当にどこからもあぶれるような連中だった。
何年もやってるのにうだつの上がらない連中。
ブラック企業のようなところから飛び出したはいいが、行く当てのなかった者。
年齢を重ね、モンスターとの戦闘が困難になった者。
四肢を欠損する大怪我で戦闘が出来なくなった者。
集まったのはそんな連中だった。
これでモンスター退治など出来るのかと、タカヒロとて思った。
だが、それでも集めた者達で外に向かっていった。
そう簡単に成功はしないだろうと思いつつも。
欠員や人手集めとして臨時でモンスター退治の参加者が求められる事は多い。
その都度大手集団に潜り込んで現場の視察などをしてきた。
少しずつだが経験も積んだ。
モンスターとの戦闘よりも、その周辺作業をやらされる事がほとんどだったが。
それでも現場でしか分からない事を色々と見聞きできた。
そうして得た様々な経験を出来るだけ用いていこうとした。
集めた十数人。
様々な形での落ちこぼれが、集まりも集まったりといった風情であった。
それでも折角あつめた連中である。
これでどうにか成果を上げようと思っていた。
幸いな事に、駄目でもともとと思った最初のモンスター退治は一応は成功した。
それなりの成果を得て帰還し、赤字を免れる事が出来た。
狩り場として使えなくなったと判断されて放置された場所。
そうなってからそれなりの時間が経過していたそこは、程よくモンスターが集まってる絶好の場所だった。
そこで倒せるだけのモンスターを倒し、回収出来るだけの核を手に入れた。
うだつは上がらなかったが、それなりの経験を持ってる連中が揃ってたのも大きい。
怪我や年齢で一線を退いた者達でも充分に対応が出来るくらいだった。
そういった者達の智慧や経験も役に立った。
戦闘をこなすのが難しい者達も、雑用程度ならば難なくこなす事が出来たので、そちらでがんばってもらった。
そんな者達による初出征は、まずまずの結果を残した。
以来、タカヒロはそうした者達と組んでモンスター退治に出向くようになった。