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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第10章

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249回 凡庸よりは良い結果

(どうなるのかな……)

 先の事についてのあれこれを書き記しながら考える。

 この先どうなるのか、上手くやっていけるのか。

 それは本当にどうなるか分からない。

 自分の手が出せる範囲ではどうにか上手くいってるとは思うのだが。

(いつまで続くかねえ)

 何にしろ小康状態が続いてる。

 特別良くも無いが、さりとて悪いというほどでもない。

 攻勢という瀕死のような出血の影響で決して良くはない状況ではあるのだが。

 それでもどうにかこうにか世の中はもちなおしてきている。

 最悪の状況に陥らないあたりで低空飛行を続けてるようなものではあるのだが。



 ただ、凡庸に生きていくにはこれで問題もないのは確かだ。

 タカヒロは現状でそれなりに満足はしている。

 もちろん前世の日本の方が生活は楽である。

 魔術機具などを導入し、生活の質を向上させていったとしても、この世界は前世には及ばない。

 これだけはどうしようもない。

 なのだが、そこに不満はあまり抱かないようにしている。

 求めても手に入らないものを望んでもしょうがない。

 ならばそれがいつの日にか出来上がるように何かしらの布石をうつしかない。

 また、今できる中で最善の状態にを作り上げるあたりで妥協しておいた方が良い。

 それでも充分に生きていける。

 それだけでも充分に幸せだった。



(女房と子供を抱えて、まあぼちぼち生きてるわけだし)

 前世の日本では得られなかったものである。

 おまけに、小さいなりとはいえ一つの集団の統率者である。

 あるいは村という生活共同体の長である。

 これらの創業者でもある。

 なろうと思ってもなかなかなれるものではない。

 ここまれ成れただけででもかなりの成功と言えるだろう。

 凡庸というには上手くいきすぎてる。

 それだけでもタカヒロは満足だった。



 とはいえ、山の中の寒村ではある。

 果樹園や生け簀を作ったり紙の製造元になろうとはしている。

 それらが生み出す利益は確かになるだろう。

 しかし、それはまともな田畑を作れない事による苦肉の策でもある。

 この村が発展するとしても、さほど大きな展開は期待出来ない。

 少なくともタカヒロはそう考えてはいた。

 得られた成功も、言ってしまえばその程度であると。



(でもま、俺らしいとは言えるか)

 特段、才覚も能力もない。

 レベルアップによって得られた能力はあっても、生来のものではない。

 それでもここまで来れたのだから、悪くはなかっただろう。

 自分にしては上出来だとは思った。

 まだもうちょっとだけ努力はしていく事になるだろうが、それでも悪い結果にはならなかったと思える。

 これ以上を望んでも仕方が無い。

 もし、それを求めるとしたら、それは子供達や子孫に求めるしかない。

 世代をまたいだ挑戦になっていく。

(まあ、さすがにそこまでは求められないか)

 いくら何でも子孫にそんな重荷をかける事は出来ない。

 まずまずの生活をこれからも続けていってくれたら、とだけ願うに留める事にした。

 子孫の能力に疑問を抱いてるとか見下してるからではない。

 これから続いていく子供達の人生を、先祖が勝手に定めてしまってはいけないと思うからだ。

 彼等には彼等の人生がある。

 彼等が生きる時代がある。

 その中で自分の望む、自分が求める道を進んでいってもらいたかった。

 それが英雄の如き活躍なのか、平々凡々な生活なのかは分からない。

 だが、そのどちらであっても、あるいはもっと別の道であっても構わなかった。

 他の誰かを貶めるようなものでなければ。

 本人が望んで求めた何かであるならば。



 タカヒロが出来るのは、そんな彼等が生まれる場所を保つための土台作りがせいぜいである。

(がんばらないとなあ)

 まだ見ぬ子孫の為に、今を作っていこうと思った。

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