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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第10章

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245回 参加してみれば予想外の事も起こっていった 5

 さしあたって神社領になって感じた利点。

 様々な場所から物資が流れ込んで来る事。

 密輸に頼らずにこれが為されるのは大きかった。

 もともと物資の確保のために始めた密輸である。

 そうする事もなく物資が行き来するようになれば、無理して密輸をする事もない。

 タカヒロはそれらの恩恵を充分に受け始めていった。



 とはいえ、密輸が完全に無くなったわけでもない。

 やはり関税や通行料がかからないというのは大きな利点である。

 これもまた今後も継続していきたいところであった。

 なので、経路は可能な限り存続させていく事にした。



 そうでなくても、神社領になった地域を通る分には通行料はかからない。

 国境沿いの危険地帯だった場所は、今となっては費用のかからない流通路になっている。

 多少遠回りになってもそこを利用する行商人も増えていった。

 町の商会も可能な限り利用する。

 それらが持ち込む様々な物品と、宿場や休憩所で落とす金が神社領に潤いをもたらしていく。



 その余波を受けてタカヒロの村も得る物がある。

 村で必要な物資や機具が以前よりは安く買えるようになった事。

 また、どうにか上手くいってる果樹園のための株や苗が豊富に手に入るようになった事。

 これだけでも神社領になった意味があるというものだった。



 懸念だった身内からの接触にも神社領である事が有効だと分かる事態もあった。

 タカヒロの村ではなく、町での事だがそういった事件があったという。

 どこから話を聞きつけてきたのか、やはり身内がたかりにやって来たとか。

 その時、神社は町の者達は自分達の領民だと主張。

 法律として強制的に町の者達に何かを求める事はゆるされないとした。

 それに対して町の人間(義勇兵集団の関係者)に直接手を出そうとしたが、本人と周りの者達がこれを叩き出したという。

 腹を立てた身内の者達は、後日役人をつれてやってきたという。

 身内との接触を邪魔したことと、暴行を加えられた事による処罰を求めて。

 だが、相手が神社領の者だと現地で確認した役人は、特に何かを追求する事もなかった。

 何が起こったのかを確認した上で退散。

 それどころか、

「神社領の者に手を出したとあれば、相応の処分をせねばならない」

と身内の方に向けて言ったという。

 非が神社領の者達にあるならともかく、今回の一件は明らかに身内の方に無理がある。

 それ故に役人も、神社領にて騒ぎを起こした身内の方を処分するしかないという。

「もっとも、一方的にこの連中を叩きのめしたというなら、神社領でも容赦しないがな」

 役人は神社領の方にも釘を刺していくが、それを聞いた者達は「そりゃそうだ」と納得した。

 それでも、身内だという理由だけで、無理矢理連れていこうとしなかったのがありがたかった。

 これが同じ国内であれば、

「気持ちは分かるが身内なんだから」

と無理矢理仲直りさせられたのだろうから。

 いや、仲直りという名前の搾取の容認であろう。

 たかろうとしてきた身内による搾取を認めているのだから。

 それを阻めただけでも、神社領である事の意義は大きいと言える。



 この一件により、神社領は独立した勢力である事も確かめられた。

 それを盾に無理や無茶を押し通すのは許されないが、自分達の立場を守る事は出来る。

 それがはっきりしただけでもありがたいものがあった。

 これで不毛なたかりから逃げる事が出来るのだから。

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