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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第9章

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217回 何よりも苦戦する相手 2

「どうすりゃいいのかねえ……」

 ちょっと手が空いた時には、仲間にそんな風にぼやいていく。

 望んで作った子供であるが、その子供にどう接したものかと悩みに悩む。

 そんなタカヒロに他の者達は苦笑するしかない。

「いやあ、大将も父ちゃんしてるんだなあ」

「大変ですね、新米父ちゃんは」

「がんばってください。

 俺らの中じゃ一番先頭に立ってるんですから」

「気張ってくれや、大将」

 父親業に四苦八苦してるタカヒロに、温かくも何ともない励ましがかけられる。

 そんな仲間にタカヒロは、

「お前らだって同じだろ」

と反撃をした。



 どこの家も子供が生まれて状況が激変している。

 女房にした奴隷といちゃつく暇もあればこそ、子供の夜泣きや我が儘に引きずり回されている。

 大変だとは分かってはいたが、それでも予想を超える苦難の連続でもある。

 泣いた笑った喧嘩したで、とにかく手におえない。

 そんな子供に振り回されて、どの家もてんやわんやである。

 特に野郎共は子供相手では無力であり、まともにあやす事が出来る者はいない。

 そんな中で、もっとも最初に子供に恵まれたタカヒロは、子育てにおける先頭走者であった。

 だからこそ、他の者達の見本になってしまっている。

 良い意味でも悪い意味でも。



「俺らは大将を見て色々学んでますから」

「おかげで助かってます」

「今後もよき指標、よき目標となってください」

「失敗から大変大きく学ばせてもらってるっす」

 こんな事を言ってくる仲間に、どれだけ拳骨を叩き込んでやろうと思った事か。

 その気持ちを可能な限り押し殺し、ため込んだ鬱憤をモンスターに叩き込んでいく。

 心持ち威力があがったような気がする一撃で、モンスターは次々に沈められていく。

 相も変わらずスコップをふるうタカヒロは、この頃鬼気迫るものがあった。



 それでも野郎共は我が子とどう接するかを考えてはいる。

 子供を育てるには何が必要でどうしたら良いのか。

 これと真っ向から向き合っていた。

 必要な技術を習得した者もいるくらいだ。

 そうした者とあれこれ話し合い、ああすれば良いのか、こうしたら良いのかと考えていく。

 だが、知識や情報があっても、それを活かせるかどうかは別になる。

 目の前にある生の子供のしてる事が、聞き及んだ状態と同じなのかどうかも分からない。

 とにかくあれこれ考えて悩みながら接するほかない。

 母親の方も大変だと思うが、父親達もかように苦労を重ねている。

 それでいて結果が出せてないのだから切ないものがあった。



「どうしたらいいのかねえ」

「分からんですな」

「何かきっかけでもあればいいのかもしれんが」

「本当に面倒だよな」

 口々にぶつくさいいながら、目の前にあらあれるモンスターを倒していく。

 今日も経験値と核を稼ぎ、家族を養う原資を手に入れていく。

 それと同時に、経験値で育児関連の技術を身につけようかどうかも考えていく。

 他にあげるべき生産系の技術はあるのだが、それを一旦置いてしまおうかと。

 そう思う程に彼等は子育てに難儀しており。

 それくらい真剣に向き合っていた。

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