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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第9章

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214回 こんな状況を作ったのも、結局あれが原因である 3

 人もない、金もない。

 こんな状況に陥っていたのが、攻勢終了後の国である。

 後先を考えない攻勢派への糾弾が、弾圧すらをも通り越した苛烈なものになったのも無理はない。

 むしろ、それは正しい反応というべきであろう。

 いたずらに国を動かし、挙げ句の果てに何の成果もなく、残したのが長きにわたる負担だけなのだから。

 こんな事をしでかすような輩を放置しておく事は、害悪を後々まで残す事に他ならない。

 それは人道にもとる最低最悪の所行と言うしかない。

 これを野放しにして許す事こそが、悪行の放置でなくして何であろう。

 他の多くにしなくて良かった無駄な負担だけを残しているのだから、相応の報いがあってしかるべきである。



 そんな状況のこの国が、簡単に国境の守りを復旧できるわけもなかった。

 人を集める金もない。

 集めたとしてそれを保つ物資もない。

 そもそもとして人がいない。

 この状態で何をどうしていけというのだろうか。

 おまけに国境の安定も大事だが、国内の調整もある。

 前線に大量に送り、そして大半がモンスターの領域で散逸した物資。

 その分を補わなくてはならない。

 欠乏気味の物資をどうにか調達して小康状態に持ち込む必要がある。

 国境の守りを固めようにも、それを支える土台である国内が落ち着かなくてはどうにもならない。



 しかし、ここに葛藤が生じる。

 国内をまとめねば国境を守る軍勢を支える事は出来ない。

 なのだが、国境を守って脅威が入り込まないようにしておかねば、国内の安定もはかれない。

 余裕のない現状ではどちらか一方を優先するしかない。

 かといって、どちらかだけをやってるわけにもいかない。

 本来ならば、このどちらをも上手く手繰って両立させていたのだ。

 ギリギリのその平衡を、攻勢が崩してしまった。

 失策というしかない。

 今回のこの失策が、国民に影響を及ぼしていた。



 政治と国民が関係ないなら良いのだが、そんなわけにはいかない。

 国の行動や活動はそのまま国民に大なり小なり影響を与える。

 その逆に国民の動きが国政に影響を与える事もある。

 今回の場合、一部の国民の動きが政治を動かし、その結果が国民全体に返ってきた。

 実際には一部の連中のやらかした事が原因である。

 衝動というしかない考えなしの行動が、国全体を災禍に叩き込んでいる。

 その一端がモンスターの増大という形でタカヒロを襲っていた。



 そういった流れが分かるだけに、タカヒロの憤りもすさまじいものがある。

 攻勢という形の失策。

 失策をもたらした衝動的考え。

 それを為した連中。

 これらがとにかく害悪なのが嫌でも分かる。

 辿り辿ればそいつらがモンスターを引き込んだのだと。

 だからこそ、怒りはどこまでも強く大きい。

 自分達の生活をあやうくさせたのだが、決して許すつもりはなかった。

 見つけたら、自分の手で処分するだろうと確信を抱く程に。

 何せそいつらが危うくさせたのは、タカヒロだけではない。

 彼の仲間も、どうにかして保ってる村も。

 何より、ミオと子供達を危険に陥れた。

 その償いはしてもらわねば気がすまなかった。

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