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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第9章

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210回 気楽にいかない現実を忘れるのは、女房の膝に頭をのせてる時だけ

「また難しい顔をしてる」

 そう言ってミオがたしなめる。

 そして、頭を膝の上にのせる。

「少し考え事が多いんじゃないの?」

「そっか?」

 疑問調に返事をするが、実際にはその通りだと思っている。

 考える事が多く、どうしても悩んでしまう。

 難しい顔も相当にしてるのだろう。

「大変なんだろうけど、もう少し気を抜いて頂戴」

「はいはい」

 言いながら力を抜いてミオの膝に頭を沈めていく。

 最近は子供達が這い寄る場所になってるので、こうして膝を枕にするなんて事も出来ない。

 結構久しぶりに感じる感触になっている。

 それも子供が走って駆け寄ってくるか、ぐずり出すまでであるが。

 生意気を口にするようになった長男は、今のところ母親べったりである。

 だんだんとその傾向も薄れてきてはいるのだが、まだ母が恋しい頃なのだろう。

 タカヒロとミオが一緒にいると、途端に飛んでくる。

 産まれて間もない第二子は、それこそ事あるごとに泣き出すので、その度にミオはかけつけねばならない。

 そんなわけで、タカヒロがミオといちゃつける時間は意外と少ない。

 そういうものだとは分かっているのだが、時々切なくなってしまう。

(しょうがないか)

 子供のする事なのだからと分かっているので納得はできる。

 なので、それまでのわずかな時間だけでもミオと接する時間を確保する事にしていた。



 心配をされるような顔を、家の外ではもっとしている。

 田畑のこと、果樹園のこと、生け簀のこと、今後のこと。

 これらについて、会合では更に真剣にあれこれ悩んでいる。

 モンスターへの対応も考えねばならない中、何一つ放置出来ない問題だからだ。

「それで、どうする?」

「どうするって言われてもなあ」

「解決策があるわけでもないし」

「突破口があればいいんだが」

「簡単に見つかれば苦労しないよな」

 出て来るのは、毎度毎度こんなものばかりであったが。

 とにかくモンスター退治におわれて、他の事に手がつけられない。

 経験値を用いて該当する技術レベルを上げているのだが、なかなか妙案が出てこない。

 幾つか出て来る対策は、とにかく手間も時間もかかってしまう。

 即効性のある解決策はどこにもない。

 時間をかけるしかない。

 それが結論になっていく。



「まあ、モンスター対策は今まで通りに」

 そちらの方はとりあえずどうにかなりそうではあった。

 モンスターの侵入経路もある程度特定出来るようになった。

 獣道のように、歩いた跡が残ってるので、そこを中心に警戒すれば良い。

 その道筋に罠を張っておけば、ある程度の間引きは出来る。

 それに、経路に障害物を置いて誘導していく事も始めている。

 これで上手く分散をさせたり、殲滅しやすい場所に集めたりしている。

 窪地を土嚢で囲った即席の囲いの中で一方的に攻撃をして仕留めるようにもなった。

 魚よりも先にモンスターの生け簀を作ってる気分になる。

 こうした努力のおかげで、村から遠ざけて倒せるようになってきていた。



 それでも手に余る部分については、村を通り抜けさせて、国内に流すようにしていた。

 とてもじゃないが、タカヒロ達だけではどうにもならない。

 手におえない分は他の者達に頑張って倒してもらう事にした。

 幸い、再興しつつある町に集まった義勇兵は多く、タカヒロ達の村のあたりも活動範囲になってきている。

 倒さず流した分はそちらで処分が為されている。

 適度に間引いたモンスター達は、新人教育にもうってつけであるようだ。

 それについては、

「この調子で上手く流してくれ」

と義勇兵の頭領に頼まれてるくらいだ。

「そんな上手くいくかよ」

と呆れたが、タカヒロはその言葉通りにモンスターを適当に見逃していった。



 それでもモンスターの第一陣はタカヒロ達で対処するしかなく、負担は大きい。

 だが、最初に倒して儲けを得る事が出来る。

 数多くのモンスターを相手にするのた苦労どころではないほどの苦難である。

 だが、どれだけ倒すかを選べるのは大きな利点だった。

 レベルが高いから出来る事であるが、獲物の数を自分達で決められるのは利点である。

 無理のないあたりで手を打つか、ある程度大目に狩るか。

 稼ぎを自分達で決められる。

 効率良く倒しておくだけの場所も作ってるので、普通に戦うよりは成果をあげる事が出来る。

 そこを通り抜けたモンスターしか倒せないよりは大きな稼ぎを得られる。

 危険の大きさに見合った利益は確実に上げていた。

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