表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第8章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

182/259

182回 不穏な情勢 3

 国家が軍を動員して占領するというのは、広い地域を確保するという事である。

 そこに自国の人間だけのものにする。

 そのための活動である。

 相手がモンスターであってもこれは同じだ。

 害になる存在を排除し、人が住める状態を保つ。

 危なくなったからといって退散するわけにはいかない。

 その為の兵力は膨大なものになる。

 その為に必要な兵力が全く足りない。



 仮に制圧したとしても、今度はそこを開拓しなくてはならない。

 その為には様々な産業の人間が必要になってくる。

 農業に製造業などが必要不可欠になる。

 でなければ、制圧する意味がない。

 動員されてる軍勢を養うためにも、制圧地域からの収穫は必要になる。

 その為に、生産が出来るようにしていく人が必要だった。

 それだけの人がどこにいるのかという話にもなる。



 人数だけならどうにでもなるかもしれない。

 なにせ農家を始めとした各階層の末っ子あたりを引っ張ってくれば良いのだから。

 だが、それらが生産者として役立つかというと話は別だ。

 必要な技術を身につけてるかどうかは分からない。

 農業なら何とかなるかも知れないが、鍛冶師などの職人や商人などはどうなのかという事にもなる。

 また、統治機構も必要になるが、新たな支配地を治めるだけの役人はどうなるのか。

 貴族なども役職のない末っ子がいるとはいえ、それらが全て役人などで活躍出来るわけではない。

 何より経験者がいないのでは話にならない。

 


 単に知識や技術があるだけではどうにもならない事もある。

 現場の智慧といったものが必要な部分もある。

 それらを欠いたまま活動をしていけば、どこかで躓くことになる。

 経験者の欠如というのは、時に悲惨な結果をもたらす。

 必要な事が分からず、不要な事をしでかす。

 やってはいけない事に手を出して自滅の原因にもなりかねない。

 だからこそ、多少は心得のある者が求められる。



 もちろん経験や体験が余計な束縛になる事もある。

 断ち切らねばならない悪い慣習もある。

 だとしても、何の経験もない者が携わるよりは良い。

 不要な失敗を減らす事も出来る。

 何より、経験のない者達が運営していけば、それはそれで悪しき慣習を作る事にもなる。

 そうさせないためにも経験や体験というのは必要になる。

 同じ事を繰り返さないようにしようとしても、何が同じ事なのかが分かってなければどうしようもないのだから。



 そんな不安が多々ある中で強行された攻勢である。

 考える能力がある者は先行きに不安しか抱かなかった。

 そして、それは様々な分野で対策となってあらわれていく。

 兵士の募集に参加しない、物資の徴発を見越して商品などを隠すようになる。

 農村なども収穫の一部を隠すようになる。

 国境近くでは、防備を更に増強するところもあらわれた。

 結果として国境が手薄になり、モンスターの数が増える事を見越してだ。

 今回の攻勢には国境に貼り付けてる部隊の一部すらも動員するという。

 そうなれば、防備が手薄になってモンスターが侵入しやすくなる。

 それを見越しての事である。



 何より大きいのは、攻勢決定に伴って政治の分野で辞職が増えた事だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




活動支援はこちら↓

あらためて支援サイトであるファンティアの事でも
https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/501269240.html
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ