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118回 彼らの日常風景の最近はこんなもの

 家に戻って飯を食べて体を拭う。

 早めに風呂は導入したいと思いつつ、布団に寝っ転がる。

 雨の日でもなければミオが干してくれてるので感触は良い。

 周旋屋の万年床とは比べものにならない。

 日常生活を支えてくれる存在のありがたさを感じてしまう。

 ミオを買ってよかったと思えるのはこういう時である。

 もちろん、彼女の価値をこういう事でしか認めてないという事ではない。

 様々な長所のうちの一つとして、こういった部分にありがたさを感じていた。



「……そういうわけで、人はこれ以上いれない事にした」

 飯を食べ終え、今後の事について伝えていく。

「当分はこんな生活が続くけど、それは諦めてくれ」

「しょうがないね、そういう事なら」

 ミオもそこは納得はしていった。

 人が増えればそれだけ面倒も増える。

 その事は何となく分かってはいる。

 それに村の大きさを考えると、下手に人を増やす事も出来ないのも理解出来た。

「でも、そんなに不便でもないし。

 このままでも私は構わないと思うよ」

「だったらいいけど」

 本心なのかどうかは分からない。

 それでも、ミオの言葉をありがたく受け取っていく。

「魔術機具とかは少しずつでも入れていくから。

 それで我慢してくれ」

「それだけでもありがたいよ。

 この前買ってきたものも凄く役立ってるし」

 着火装置の事である。

 これのおかげで、火おこしの手間が省けたと評判が良い。

「村にいた時よりも今の方が便利だよ」

「そっか。

 なら、この調子で頑張るよ」

「うん、期待してる。

 次は脱水機をお願い」

「はいはい」

 忘れずにやってくるおねだりに適当に相づちをうっていく。

 だが、それも購入用品に入っていたものだ。

 いつになるか分からないが、いずれ購入する事になるだろう。

 ミオの言葉は、その確認のようなものでもあった。



「でも、子供か」

「ああ。

 先の事になるけど、そいつらに頑張ってもらう事になるだろうな」

「そこまでちゃんと育てないとね」

「ああ、そうだな」

 十年以上の時間がかかる長丁場である。

 焦らずじっくりとやっていくしかない。

 そして、親として自分達が子供達をしっかり教育していかねばならない。

「本当に大変な事になるな」

「そうだね。

 がんばっていかないとね」

「ああ」

 返事をしながらタカヒロはミオに伝える。

「お前にもがんばってもらわないと」

「……なにを?」

「子供。

 いっぱい産んでくれよな」

「…………ばか」

 ミオの膝の上に頭をのせていたタカヒロは、頬をけっこうな力でつねられた。



 こんなやりとりを、ミオの膝に頭をのせながらする。

 それがミオと一緒にいてありがたい事の一つであるのは言うまでもない。

 誤字脱字報告を受けて少しずつ訂正しております。

 見つけて報告してくれる皆さん、ありがとうございます。

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